映画『くれなずめ』に込めた思いは? 主演・成田凌さんのインタビューを振り返り!

友人の結婚式で再集結したアラサー男子6人の、切なくも可笑しい友情を描く映画『くれなずめ』。緊急事態宣言に伴う公開延期を経て、5月12日(水)に公開を迎えたこの作品で主演を務めるのは、その確かな演技力で唯一無二の存在感を放つ俳優・成田凌さん。 映画の見どころや役づくりはもちろん、プライベートや今後の展望まで、盛り沢山の内容を語ってくれたインタビューをプレイバック!

変わりたくないと願っても、僕らはいつか変わってしまう

映画のタイトル『くれなずめ』は

映画のタイトル『くれなずめ』は日が暮れそうでなかなか暮れないでいる状態を表す“暮れなずむ”を変化させ、命令形にした造語。成田さん自身が、変わらないで欲しいと感じるのはどんな時でしょうか?

「僕は、どうせ変わってしまうということを受け入れてるという感じというか(笑)。例えば『俺たちずっと仲良しでいような!』と言っていても、必ずどちらかが先に死んでしまうじゃないですか。それを分かった上で、『ずっと仲良しでいよう!』って言っていたい、という感じです。

今回の映画で、絶対に未来には“死”があるということを学びました。変わりたくないなと思っていても、自分たちをとりまく環境は変わっていってしまう。いろんな“くれなずめ”があるけれど、いつかは変わってしまう、それは仕方ない。いつかは受け入れなければいけないものを、5人はどう受け入れることにしたのか。この映画が描きだす、5人の答え、彼らなりの答え、ひとつの答えを見届けてもらいたいです」

特に好きなシーンを上げるとするなら、どこでしょう?

「難しいですけれど……今ぽんっと浮かんだのは、一番最後のエンドロールで、俺以外の5人がただただ歩いているシーンが好きですね。あれこそこの映画の主題というか、あのシーンも吉尾がいるときといない時で、同じセリフを言っていて。“タクシーで行く?”“いやぁ、5人だから、2・3で”。吉尾がいるはず場所に吉尾はいない、まるで天国からみんなを見ているような気分っていうのは、吉尾を演じた俺だからこそ感じられる気持ちがあって。“あぁ、俺がいない5人ってこんな感じなんだ”としみじみ思わされるあの感じ、好きでしたね」

“今だからできる役”にどんどん挑戦していきたい

オフの日はどのように過ごしてい

オフの日はどのように過ごしていますか?

「オフの時はもうひどくダラダラしてます(笑)。力を抜いている。何もしないことがリフレッシュですかね。あとは、明るいうちからお風呂に入っちゃうとか。休日だからこそできることだし、リラックスできて好きですね」

先ほど撮影の合間に縄跳びをしていましたが?

「あれはオンの日のリフレッシュ方法ですね。あの縄跳びって5キロあって、とても家じゃできないんですよ。重い縄跳びを飛んで大胆に筋肉を動かすと、全身運動になって体に血が巡るんです。今日のような取材が続く日は、ずっと座って話をしていることも多くて、体が固まってしまうので、力を抜くためというか。縄跳びは、仕事の合間ならではの力の抜き方ですね」

映画『くれなずめ』では高校生時代の学ラン姿も印象的でしたが、今後演じてみたい役柄はありますか?

「いっぱいありますけど…今の年齢だからこそできる役にどんどん挑戦していきたいです。今のうち、これから10年以内くらいで、若者の役を思う存分演じておきたい。ぜひやりたいのは、家族の物語。ゆくゆくは自分が父親役を演じるような年齢になっていくだろうから、今は息子側がやりたいです。父がいて、母がいて、男兄弟がいて……みたいな家族の話。うちは男兄弟の4人家族なので、同じ境遇の役をぜひやってみたいですね」

映画『くれなずめ』

「アズミ・ハルコは行方不明」「

「アズミ・ハルコは行方不明」「君が君で君だ」の松居大悟監督が、自身の体験を基に描いたオリジナルの舞台劇を映画化。高校時代に帰宅部でつるんでいた6人の仲間たちが、友人の結婚披露宴で余興をするため5年ぶりに集まった。恥ずかしい余興を披露した後、彼らは披露宴と二次会の間の妙に長い時間を持て余しながら、高校時代の思い出を振り返る。自分たちは今も友だちで、これからもずっとその関係は変わらないと信じる彼らだったが……。

2021年5月12日(水)よりテアトル新宿他にて公開中。
kurenazume.com

成田凌

1993年11月22日生まれ。埼玉県出身。2013年に「MEN’S NON-NO」専属モデルとしてデビュー。『窮鼠はチーズの夢を見る』で日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。連続テレビ小説『おちょやん』出演中。公開中に『まともじゃないのは君も一緒』『ホムンクルス』などがある。

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シャツ¥57,860 パンツ¥65,560/ともにナヌーシュカ(ヒラオインク tel. 03-5771-8809) その他/スタイリスト私物

撮影/永峰拓也 ヘアメーク/須賀元子(星野事務所) スタイリング/伊藤省吾(sitor) 取材/川端宏実 再構成/宮島彰子(CLASSY.ONLINE編集室)