【竹内涼真さんインタビュー】「最初は、自分のできなさ具合に結構ショックを受けました(笑)」ミュージカル『17 AGAIN』
★ 不安になるのは、自分に度量と引き出しが足りないから
ドラマに映画、CМと大活躍の竹内涼真さんが、5月から上演される『17AGAIN』で初舞台に挑みます。演じるのは、ハイスクール時代にバスケットボールのスター選手だったマイク。恋人の妊娠を機に、全てを捨てて結婚したものの、家庭も仕事もうまくいっていない35歳の彼は、ある日、不思議な現象で17歳の頃の姿に逆戻り。
2人の子ども達と同じハイスクールに通うことになり…という、’09年公開の米国のコメディ映画をミュージカル化した作品で、なんと今回が世界初上演です。
「久々に頭の中が真っ白になりました。めちゃくちゃ新鮮で、すごくいい刺激をもらいました」と、昨年11月の製作発表会見でミュージカルナンバー2曲を歌い、見事なポテンシャルを発揮した竹内さん。半年以上前から、歌とダンスの先生のもとで練習してきたと言います。
「最初は、自分のできなさ具合に結構ショックを受けました(笑)。カラオケは得意なんですが、全く通用しないし、鏡を見るのが嫌になるくらいダンスも踊れなくて(笑)。不安は、自分にそれをやるだけの度量と引き出しがないから生まれるんですよね。僕、映像の現場では、丁寧に準備できていればまったく緊張しないんです。『17AGAIN』の本番にも、それくらいしっかり準備して臨みたいです。早く当たり前に歌って踊れる状態になって、自分の中から湧き出てくる役の気持ちを大切に、翻訳・演出の谷賢一さんや共演の皆さんと一緒に、楽しい作品をつくっていけたらと思います」
役を演じるときには、その人物が何を最優先に生きているのか? ということを、大事にしていると話す竹内さん。たとえば、昨年のドラマ「テセウスの船」の主人公であれば「父親の冤罪を晴らしたい、家族を救いたいという気持ちでした」。
今回演じるマイクの場合は「人生で一番輝いていた頃の自分を取り戻し、家族を再生することを軸に、気持ちの流れや行動を考えていきたい」と言います。
では、竹内さんご自身は今、何を最優先に生きていますか? と尋ねると、
「やっぱり仕事ですね。どうやったら現場に体調よく行けるかを考えて、食事もきちんと取るし、運動もするし、大好きなお酒も我慢。僕、趣味がご飯で、前は自分の好きなこだわりのある晩ご飯を食べることに命を懸けていたんですけど(笑)、それも最近控えています。それくらい今、仕事が中心の生活です」
大学時代に怪我で断念するまでは、サッカー一筋だったという竹内さんが、雑誌のオーディションを機に芸能界デビューして約8年半。
「去年、コロナ禍で仕事ができない時期を経験したこともあると思うんですが、この頃、自分は本当にこの仕事が好きなんだなと改めて感じるんですよ」と話す笑顔からは、内面の充実ぶりが滲み出ています。
「いろいろな経験をしながら、演技というものを追求していって、自分が30代、40代になったとき、一つのセリフや動きにも説得力がしっかり感じられて、海外の人にも〝この俳優いいね〞と言ってもらえるような存在になっていられたら嬉しいです。今回の舞台も、自分がやらせてもらう以上は、初舞台だからとか関係なく、絶対に面白いものにしたい。気持ちがふさぎがちな今だからこそ、観ていただきたい明るい作品です。すごく楽しかった、 もう1回観たい、と思っていただけるように、精一杯頑張ります!」
<ミュージカル 『17 AGAIN』5月16日開幕予定>
恋人が妊娠し、バスケットボール選手としての未来を捨て、17 歳で結婚したマイク。35 歳にして人生に行き詰まった彼は、ある日突如17 歳の姿に戻り…。5月16 日~6 月6日:東京建物Brillia HALL、6 月~7 月に兵庫、鳥栖、広島、名古屋公演あり。
● 竹内涼真さん(27 歳)
1993 年東京都出身。雑誌オーディションを通じて2013年にデビュー。2014 年にテレビ朝日「仮面ライダードライブ」で主演を務め、「ひよっこ」(NHK)、「過保護のカホコ」(日本テレビ)などへの出演で注目を集める。近年の主な出演作は、ドラマ「太陽は動かない -THE ECLIPSE-」(WOWOW)、「テセウスの船」(TBS)、「竹内涼真の撮休」(WOWOWプライム)、「君と世界が終わる日に」(日本テレビ)、映画「太陽は動かない」など。
撮影/網中健太(網中健太写真事務所) ヘア・メーク/宮内宏明 スタイリスト/及川千春 取材/岡崎 香 ※情報は2021年5月号掲載時のものです。