【中学受験⑤】わが子そのままを認めてくれる学校をどう選ぶか?
★ あなた、結婚相手はスペック推しでしたか?
皆さん、こんにちは。教育ジャーナリストの鳥居りんこです。
前回のコラムでは「中高一貫校は思春期を過ごすのにうってつけの場所」ということをお話しました。今回から、その「うってつけの場所」をどう選べばいいのかについて語っていきたいと思います。
突然ですが、あなたは結婚経験者ですか? 経験者であるとするならば、永遠の愛を誓ったであろう配偶者をどうやって選びましたか?
もしかすると馴れ初め前は、お相手のルックス、職業、年収、学歴、義理家族との同居の有無などのスペック重視派の方もいらしたかもしれないですね。
さらに、お付き合いを重ねるにしたがって「価値観が似ている」「性格が合う」「自分を大切にしてくれる」などというものを感じ、「(運命の人は)この人!」という決断に至るのではないかと想像しますが、その決め手は「一緒に居るだけで楽しい」「自然体でいられる」ということが大きかったのではないでしょうか? 要は「居心地いい」ってことに尽きるかと思うのです。
中学受験の学校選びもこれと似ているように感じます。スペックも否定はしないけど、最優先は「居心地の良さ」なんだよ~(^^♪ってことは声を大にして言いたい。
中学受験は御上が用意してくれる通常のルートとは大きく外れるので、日本全体から見れば少数派。したがってその道は、大抵、獣道で、しかも沼が至る所に隠れているようなものです。うっかりしていると、すぐに沼にハマり、下手をすると抜け出せなくなるので、注意が必要な世界なんですね。
何故ならば、中学受験は「親の代理ポケモン戦争」(=親がトレーナーで、子どもはポケモンよろしくトレーニングに励む)に陥りがちだから。その「ポケモン沼」にハマってしまうと、哀しいかな、どうしても中高一貫校をスペックで見ちゃうんですよ・・・。
「偏差値があっちより高い」「難関大学合格実績がいい」「人気がある」「聞こえがいい」「(高偏差値で)自慢できる」などがそれに当たります。つまり、数字ありきの世界なので、序列が付いているかのような錯覚を起こしやすいんです。
もちろん、それが全く不要という話ではありませんが、それは大手塾や各種データ屋さんが弾き出した数字であって、それ以上でもそれ以下でもない。つまり、その数字があなたのお子さんの未来を保証してくれるわけでもなんでもないんですね。しかも、この数字、10年どころか数年単位でコロコロと変わっている非常に心もとないものです。
やはり、一番重視すべきは「わが子にとって」という視点です。
ロクに知りもしない他人の評価なんか、どうでもよし。それよりも、評価すべきポイントは「わが子が伸び伸びと過ごせる学び舎なのかどうか?」のみです。すごく難しいミッションですが、これが出来るのはわが子の最強最大の応援団であるはずの親だけなんですよ。
具体的に、どう動いて判断していくのかは次回以降のコラムに譲りますが、今回の結びとしてひとつだけ。
言うまでもなく、生き方は様々で、それぞれの自由ですから、結婚と同じように、中学受験も、してもしなくてもいいものです。経験をしたからといって、未来永劫を保証するものではないのは自明の理です。ただ、中学受験というものに舵を切るならば、そのことが家族を幸せにするものであって欲しいなって思っています。
さあ、次回も「幸せになるための中学受験」として「2番目に好きな人がいい!?」について考えてみましょう。5月5日配信予定です
鳥居りんこ・・・作家、教育・介護ジャーナリスト
003年、長男との中学受験体験を赤裸々に綴った初の著書「偏差値30からの中学受験合格記」(学研)がベストセラーとなり注目を集める。
その後シリーズ化され、悩める保護者から“中学受験のバイブル”と評され、中学受験を辛かった思い出ではなく、子どもとの絆を感じられ、子育てが楽しくなる内容に、心救われ涙する保護者が続出しました。
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