本好きな子どもを育てるのに【古典新訳】がおすすめな理由
突然ですが最近、本、読めていますか?
毎日バタバタしていると、一冊読了するのも時間がかかりますよね。途中で内容を忘れたり、自分にあまり刺さらないと挫折したり…。でも、ドラマをながら見るのもいいけど活字でリフレッシュしたい! それに子どもに本を読む習慣をつけさせるには、まず親が読んでいる姿を見せるのが一番とも聞くし…。そんな人に“古典新訳”がおすすめなんです
古典新訳がおすすめな理由って?
古典ということは、100年や200年、ときには2000年の間読み継がれてきた“超・ロングセラー”ということ。つまりは、おもしろく読める確率が高い、はず! でも、子供の頃や学生時代に手に取った翻訳ものは、はっきり言って読みづらく難しいものでした。時代背景について知識がないとストーリーに没入できないものも多かった印象ですよね。そんななか2006年に誕生した「光文社古典新訳文庫」は、古典なのにすらすら読めるのが特徴。物語に入り込めるよう、いまのことばで訳されていて、註も巻末ではなく同じページに付してあったり。とにかくストレスなく読めるんです。
そしてこの春、誕生以来初めてのセット「光文社古典新訳文庫ベスト・セレクションFor Teens」(20冊)が登場して好評に。古典新訳シリーズとセットの魅力を、あらためて古典新訳文庫編集部の中町編集長に聞いてみました。
「古典新訳文庫は、『カラマーゾフの兄弟』がベストセラーになり知っていただいた人も多いシリーズ。今回、中高生に本を読む楽しみを知ってもらうため300冊以上の中から20冊を悩み抜いて選びました。国や時代を飛び越えた20冊は、新訳、つまり今使われている言葉で訳されていることで、まるで最近刊行された小説のように感じていただけると思います」(中町編集長)。
例えば20冊のうちの1冊、『虫めづる姫君 堤中納言物語』。こちらは宮崎駿監督『風の谷のナウシカ』のインスピレーションとなった作品として有名ですが、詩人・作家の蜂飼 耳さんによって「あたしは虫が好き」というタイトルに訳されました。
平安時代後期以降にできたというから、ざっくり1000年くらい前のお話。平安時代の姫君なのにメイクもせず(顔を白くして眉を丸く描くあのスタイルですね)、男性に姿を見せないという当時の掟も破り、とにかく毛虫が大好き!ということで変わり者のレッテルを貼られています。が、姫君は悪口も同調圧力もものともせず。…と、ストーリーを聞くだけでもワクワクしてきます。これが新訳、つまり現代語だと1000年の時差を感じさせず物語に入り込ませてくれるんです。“こうしなきゃ”と思うことが多いママにとって、なんだか胸をすくような姫の自然体な姿にイイねを押したい!
中高生向けセレクションといってももちろん完訳バージョンなので、大人も楽しめるものです。実際、子どもたちにと買ってまずは親が読む場合も多いのだそう。kokodeブックスで買うと、20冊のうち16冊分の電子書籍もついてきて、親子で同時にも読めるのでおすすめ。
入学祝いにも、受験対策にもなる!
また中町編集長は、「手前味噌ですが、セットで家にあるというのは本好きなお子さんに育てるためにかなり良い作戦かと思います。私も両親と兄・姉の蔵書を勝手に手に取り読んで育ちました。この1冊を読んでみなさいと与えるよりも、ずらっとある中から自分で選ぶのでは、モチベーションが違うと思うんですね」とも言っていました。
今は気に入らなくても、半年後、1年後に読んでみたくなることも、大人だってあります。そんなときにすぐそばに本がある、これが本好きにするタイミングを逃さない大事な方法かもしれません。どんな勉強の基礎も、一番大事なのは「国語力」と言われることが多く、やはり読書習慣があるのは受験勉強にも有利なはず。しかもプロがおもしろいとお墨付きをくれているセットなら安心して本棚に置けそう。
「自分の学生時代にもこんな新訳があったらよかったのにな、と若い方がうらやましい」とは編集長。でも、今から子どもと一緒に読むのもありですよね。担当ライターも、長男は小3でちょっと早いですが、今から本棚にスタンバイして自分からのデビューを待ちたい&それまでは自分が楽しみたいなと思っています。ママの読書リハビリにもぜひ、どうぞ。
光文社古典新訳文庫ベスト・セレクション for Teens ¥17,595(20冊セット)
すっきり収納できてギフトにも最適なセット用ボックス、作品ごとの読みどころの紹介と小川洋子さんや辻村深月さんなど豪華執筆陣が10代での古典体験を語る小冊子も付いていておトク。またkokodeブックスで購入すると、16冊(14タイトル)の電子書籍もプレゼント。
■収納書目
『リア王』『車輪の下で』『ちいさな王子』『飛ぶ教室』『黒猫/モルグ街の殺人』『ロビンソン・クルーソー』『秘密の花園』『1ドルの価値/賢者の贈り物』『若草物語』『崩れゆく絆』『虫めづる姫君 堤中納言物語』『変身/掟の前で』『老人と海』『フランケンシュタイン』『ヒューマン・コメディ』『罪と罰1』『罪と罰2』『罪と罰3』『怪談』『オリエント急行殺人事件』
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取材・文/有馬美穂