SNAP企画で初めて出会ってから12年、そしてVERY専属モデルとして活躍してくれた彼女は、持ち前の知性と教養で私たちに常に新しい視点をくれる存在でした。考えて、あがいて、乗り越えて、笑って。一緒に駆け抜けた30代を経た、ウェブさんからのメッセージです。

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VERYモデル クリス-ウェブ 佳子さん「この10年で私が超えてきたコト」

知性と教養が、女っぽさを作ると
教えてくれたのは彼女でした

クリス-ウェブ 佳子さん卒業！
VERY読者に贈りたい言葉

自分の好きなものを
好きなように身につければ
自信をまとえるから、それで良い。
服を着るっていうよりも。

「40歳になって思うのは、子供たちが大きくなってくると、ママは何を着ようと自由。だからこそ、30代のうちに自分の好きを見つけることがすごく大事。年を重ねるとオシャレをしなくなるんじゃなくて、オシャレをしなくなるから年をとるのだと思っていて。今、お下がり服ならぬ、お上がり服と呼んでいる子供たちから服を借りることで、さらにファッションがエイジレスに！ それが今、すごく楽しいです」

トップス￥138,000 スカート￥138,000 ハット￥138,000（すべてニナ リッチ／イザ）靴￥88,000（ジミー チュウ／ジミー チュウ）

乳児はしっかり肌を離すな
幼児は肌を離せ 手を離すな
少年は手を離せ 目を離すな
青年は目を離せ 心を離すな

「今、まさに心を離すなの時期で。それぞれ、思春期、反抗期を経て、ありがたいことに娘たちは、私にいろいろな話をしてくれる。ついこの間のこと、『今の若いコって、死にたくないコなんていないよ、みんな死にたいって思ってるよ』と言う娘。それに対し、『死にたいって言うのは特別なことじゃない、明日生きようとしてるってことだから』と、正論っぽいことを口にした。すると『そうじゃなくてただ“頑張って！”って言って欲しかった』と、同調して欲しかったのだ。悩みを打ち明けられた時に、正論で答えるか、私自身の言葉で返すのか、どちらのカードを出すか見極めが必要。いい聞き手になるには、そう、常に心を離さないこと」

スリーブレスニットカーディガン￥51,000 シャツ￥62,000 スカート￥94,000 キーケース￥34,000 カメラバック￥111,000 靴￥79,000（すべてルメール／エドストローム オフィス）ネックレス￥24,000 ブレスレット￥21,000（ともにモダンウィーヴィング／デザインワークス 銀座店）娘さん着用サングラス￥36,000（ローワーケース／ブリンク外苑前）※娘さん着用の服はすべて私物

リボンだけはご勘弁、
とは言い切れない。

「リボンに限らず、可愛いもの全般が苦手だった。モデルはいろいろな服を着こなすのが仕事。でも、これは自分には似合わない、勘弁して欲しい、結局自分の中で好きじゃないものは、どうしても着こなせないから似合わない。だけど思った、排除してばかりでどんどん可愛げのない人になるのは嫌だなと。意識してリボンを好きになってみようと努力してみた。可愛い人より可愛げのある人でいたいから。だからリボンは作戦」

トップス￥135,000 パンツ￥65,000 ピアス￥34,000 イヤカフ￥45,000（すべてヌメロ ヴェントゥーノ／イザ）

「お嬢さん、
元気なんて出すものじゃないよ。
元気をもらえる場所に行って、
元気をくれる人に会いに行って、
元気のつく美味しいものを
お食べなさい」

「この言葉をもらったのは、離婚届を出した当日。これからのことは、全部自分で頑張って、用意して作って、鍋をかき混ぜるじゃないけど、美味しく仕上げていかなきゃと張り詰めていた気持ちに、“全然人からもらっていいんだよ”みたいな感じが、心にストンと落ちて、すごく嬉しかった。今、私が元気をもらっているのは、特定の誰かではなく出会う人みんな。相変わらずいろいろな人が立ち寄ってくれる我が家は、料理もみんなに手伝ってもらうスタイル。作る工程も楽しんで、はじめましての人同士も、食べる頃には和気あいあい」

ロングシャツ￥35,000〈ロデビエ〉パンツ￥37,000〈トゥ エ モン トレゾア〉（ともにエドストローム オフィス）ネックレス￥130,000（ヴァンドーム青山／ヴァンドームヤマダ）ネックカフ￥16,000 バングル￥70,000（ともにケンゴ クマ プラス マユ／ヴァンドーム青山プルミエール 伊勢丹新宿店）

人は自分のコンプレックスに
向き合うのか
それを認めるのか、
それとも受け流すのか
何かしらのアクションを取るので
自分のコンプレックスが
なんであるのかを知るのは大切。

「モデルとしては低めの165㎝の身長と、特別美脚ではない私の脚を、少しでもキレイに見せたくて、履き続けたハイヒール。スニーカーのトレンドとともに、ハイヒールを脱ぎ捨て、ピンヒールも滅多に履かなくなったこの頃。でもそれはトレンドによることばかりではない。今はもう靴でコンプレックスをカバーする必要がなくなったから。360度どこから見られても大丈夫。そのために体力もつけるし、運動も毎日する。とはいえやっぱり買ってしまう。履かなくても、大好きだから」

ブラウス￥36,000（デザインワークス／デザインワークス 銀座店）シルクコットンマキシスカート￥26,000（フレイ アイディー／FRAY I.D ルミネ新宿2店）ピアス￥112,000 リング（3個セット）￥74,000（ともにシャルロット シェネ／エドストローム オフィス）バッグ￥117,000 靴￥163,000（ともにジミー チュウ／ジミー チュウ）

人の記憶力は喜怒哀楽を伴った場合、
特に「悲しみ」や「怒り」は
より強く記憶されるので
幸せだった記憶より、
怒りや喪失感ばかり
記憶に残ってしまう。
素直な心、正直な言葉、
そして裏表のない行動によって
自らが切望する幸せな出来事は
あまりにもスムーズに創出されたり
するものだから、
幸福感はどうしたって
「心のコンディション」に
負けてしまいます。
それでもこう願います。
幸せを心に強く刻んで、前に進もう。

「離婚で大変だった時期、ネガティブな言葉を口にすることが多かった。嫌いの感情はストレスになり、膨大なエネルギーを使う、そして、残る。でもそれでは顔つきまで変わってしまう。吐く言葉は良いことの方が周りも自分も浄化される。そんなの綺麗事じゃんと思うかもしれないけど、そのために努力することはマイナスじゃない。私は人生も含めたすべてを綺麗事で終わらせたい」

ニットカーディガン￥18,000 ニットパンツ￥19,000（ともにスタイリング/／styling/新宿ルミネ1店）メガネ￥44,000（カトラー アンド グロス／ブリンク外苑前）

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モデル／クリス-ウェブ 佳子　撮影／川﨑一貴〈MOUSTACHE〉　スタイリング／安西こずえ〈Coz inc.〉　ヘア・メーク／KIKKU　取材・文／西尾慶子　編集／鈴木恵子　special thanks／新音、紅

＊VERY2021年3月号「クリス-ウェブ佳子さん卒業！ VERY読者に贈りたい言葉」より。
＊掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。