中国でコロナ隔離されたアラサー日本女子の壮絶レポート|14日間でPCRは7回!

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CLASSY.ONLINEトラベルライターの山水由里絵(やまみず ゆりえ)です。私は2017年から夫の仕事の都合で、中国と日本を行ったり来たりしながら生活していました。そんな中、コロナウィルスが猛威をふるい始め、2020年2月には日本に一時帰国し。中国に戻るタイミングを見計らいながら、日本で待機することに。

世界で感染者が増えていくと同時に、持っていたビザが無効になり、新規ビザ取得には招聘状が必要に。去年の末にダメもとで申請したビザが、奇跡的に発給されました。日本は緊急事態宣言の真っ只中。本来なら飛行機に乗ったり、海外へ移動したりしないのがベストではありましたが、入国期限のギリギリまで検討し、2021年1月末に中国に戻ることが決まりました。

ニュースでも一部報道されているように、水際対策を徹底している中国。この記事では、単身中国に入国したアラサー日本女子の14日間の隔離レポートをご紹介していきます!

※このレポートは実際の体験談ですが、隔離される施設や渡航する省、入国時期によって、ルールなどが異なる場合があります。

中国隔離レポート|1.中国の徹底した水際対策について

現在、中国では渡航人数を抑える

現在、中国では渡航人数を抑える目的から、招聘状やビザ発給に制限がかかっています。中国に入国する場合、徹底した検疫チェックを通過し、隔離をクリアして初めて外を出歩くことができます。

☑︎中国政府指定の医療機関で渡航前72時間以内のPCR検査とIgM抗体検査
→ダブル陰性証明書を取得
☑︎事前に健康情報の申請
☑︎現地空港到着後、再度PCR検査
☑︎14日間の政府指定施設での強制隔離
☑︎7日間の自宅隔離
→合計21日間の隔離です。(※2021年3月現在、14日間に緩和の流れ)

※ちなみに中国では不要不急の外出を避ける『隔離』ではなく、1歩でも外に出ようものなら、その時点で隔離のやり直しや罰則が命じられます。隔離期間中は施設の建物はもちろん、部屋から出ることも許されません。

中国隔離レポート|2.政府指定施設ってどんなところ?

14日間隔離される政府指定の隔離施設は、ランダムで割り当てられるため、自分で宿泊先を選択することはできません。また、宿泊費は政府負担ではなく、渡航者が支払います。私が宿泊した場所は1泊100元(日本円で約1,600円)ほどでしたが、夫が別のタイミングで隔離されたホテルは350元、知人は270元とクオリティはもちろんですが、費用もまちまちでした。まさに、ロシアンルーレットです。

それでは、実際に筆者が隔離された施設の様子をご紹介していきます!

    それでは、実際に筆者が隔離され

    一番衝撃だったのがバスルーム。シャワーブースにはなぜか仕切りがなく、毎日のシャワーが大変でした。(シャワーカーテンがあった痕跡はありましたが、引きちぎられていて行方不明)

    それでは、実際に筆者が隔離され

    お気に入りポイントは、ブルーの壁。なぜか壁だけ女子向けのオシャレカラーでした。

    それでは、実際に筆者が隔離され

    ソファとコーヒーテーブルもあり、一人であれば十分な広さ。床がフローリングなので、掃除もしやすく、ヨガマットをひいても使いやすく、助かりました。

    それでは、実際に筆者が隔離され

    窓が開けられ、換気は問題なくできました。鉄格子があり、少し物々しい雰囲気ではありますが…

    それでは、実際に筆者が隔離され

    ホテルのようなアメニティはなし。全て日本から持ち込んでいたため助かりました。ちなみにタオル類などがないのは、レアケースとのこと。夫や知人が隔離されたホテルには一通りのアメニティやタオル類は完備されていました。かろうじてフェイスタオル1枚が支給されたのですが、14日間は辛すぎるので、念のためバスタオルを持ってきてよかった…

1泊100元(約1,600円)
食事代別(最初3日間は3食決まったものが届き、4日目以降からは選択制)
窓と小さいベランダあり(但し鉄格子付き)
床はフローリング(運動や掃除しやすいので◎)
冷蔵庫やケトルなし
テレビあり(映るのはローカルチャンネルのみ)
出前や外部調達禁止
飲酒禁止(酒類の持ち込みは完全NG)
朝夕2回の検温
朝夕2回ゴミ回収
清掃なし

中国隔離レポート|3.実際にどんな14日間だった?

毎日朝晩の検温に対応して、生存が確認できれば、基本的に室内であれば自由に行動ができます。

また、現地の空港に到着してから会う乗客以外の人間は、全員防護服を着ていたので、かなり物々しい雰囲気。14日間の隔離後に防護服を着ていない人と会話をした時は、とても不思議な感覚でした。

    また、現地の空港に到着してから

    一番驚いたのは、入国時のみではなく、隔離中に何度もPCR検査をしたこと。渡航前の検査を含めると21日間の隔離終了までに、7回もPCR検査をしました。毎回、喉に長い綿棒を入れられる、咽頭スワブでした。おかげでコツを掴んで、今ではPCRと言われても恐怖心は消えました。

    また、現地の空港に到着してから

    食事や新しいゴミ袋、追加購入した物資などは、ドアの外に設置された椅子に置かれます。施設スタッフとの接触は基本的に朝夕の検温の際のみ。何かあった際のリクエストや質問は、入所時に登録したSNSのグループチャットからおこないます。

    また、現地の空港に到着してから

    最初3日間配給されたお食事はこんな感じ。虫や金属片が入っていたという情報を聞いて怖くなり、ほとんど手がつけられませんでした。基本的には、日本から持ち込んだレトルト食品などを食べて過ごしました。

    また、現地の空港に到着してから

    持っていってよかったアイテムを一つあげるなら『トラベルクッカー』を選びます。渡航前会う人に話すと「キャンプにでも行くの?」とよく言われましたが…(笑)お湯も沸かせるし湯煎や簡単な調理もできるので、隔離中大活躍しました。

    また、現地の空港に到着してから

    外に出られないのを逆手にとって、攻めの美容やファスティングに挑戦。日に当たれない&人と会わないのが好都合だったので、皮剥けする可能性のあるレチノールを使うには最適でした。また、特に食べたいものもないので、酵素を使ったファスティングで隔離期間中3キロ減を達成!!

    また、現地の空港に到着してから

    あまりネット環境がよくない中、できる限り仕事をしつつも、空き時間はネットフリックスやApple TVでダウンロードしてきた海外ドラマや映画をひたすら見ていました。今更ですが、『愛の不時着』と『梨泰院クラス』、『鬼滅の刃』を一気見!

    また、現地の空港に到着してから

    心も身体も健康でいるために、毎日1時間ほど宅トレタイムを設けました。YouTubeで『竹脇まりな』さんや、海外のフィットネスチャンネルを見ながら、しっかり汗をかくまで運動することで、肩こりや夜寝れなくなったりするのを防ぎました。

    また、現地の空港に到着してから

    施設から出るゴミは『医療ゴミ』扱いになるらしく、写真の指定ゴミ袋に入れるように言われました。部屋の外は1日に何度か定期的に消毒液が散布され、施設に足を踏み入れた瞬間から、マスク越しでもわかるくらいに、塩素系消毒剤の匂いが充満していました。中国のコロナ対策が、かなり徹底されているのを改めて感じました。

中国隔離生活で垣間見えた徹底した水際対策

正直なところ、14日間の隔離生活は想像以上に大変な経験でした。そんな中、感染のリスクと隣り合わせの隔離施設で、動きにくく息もしにくそうな防護服を着て働いているスタッフの方には頭が下がる思いです。

次回は隔離を終え、1年ぶりに生活する中国の様子をレポートしていきます!

山水 由里絵(やまみず ゆりえ

山水 由里絵(やまみず ゆりえ)/トラベルライター
大学卒業後は広告代理店に勤務し、結婚を機に中国へ引っ越し。現在はCLASSY.読者と同世代のトラベルライターとして活動中。日本から行くよりも近くなった東南アジア旅行や お隣 香港でグルメ巡りがマイブーム。
これまで旅した25カ国56都市の中でも、結婚式を挙げ 学生時代に留学していた”ニューヨーク”は何度もリピートする大好きな街。2019年9月よりCLASSY.ONLINEで随筆をスタート。
Instagram:@yuuurie_1211
Blog:Travel in Style~海外在住トラベルライターの旅Blog~