【RANDEBOOディレクター・SEIKAさん②】好きを仕事にするカップル起業家の実態とは?[連載・私らしい働き方]
キャリアの選択が多様化し、より自由に選択できる今。
「自分らしい働き方」を追い求め、実現させている憧れの自立女子たちに、ご自身のキャリアの実体験を語ってもらうWEB連載。
第六回目となる今回は、フォロワー数13万人を誇るInstagram発の大人気アパレルブランド「RANDEBOO(ランデブー)」のディレクターでありながら、自身で広告塔も務めるSEIKAさんにインタビュー。その愛らしいルックスと抜群のファッションセンスでJJ世代から注目を集めているSEIKAさん。そんな彼女のルーツを前・後編に分けてお届けします。
後編となる今回は、好きなことを仕事にするための秘訣やカップル起業家の実態について詳しく聞いてきました! 異色な関係性ながら切磋琢磨し合うお2人の素敵なエピソードにも注目です。
Q. 好きなことを仕事にするために必要なこととは?
JJ編集部:好きなことを仕事にする上で持ちあわせておいた方が良いことを教えてください。
SEIKAさん:2つあって、1つ目は間違ってもいいから自信を持つこと、自分を信じること。私は何事も謎の自信があるんですよね(笑)。でも、今思うとそれが結果的に良い方向へ導いてくれていることが多いです。2つ目は自分の目標は口に出して言うこと。私は自分が叶えたいことを周りに言って叶えることができたので。
JJ編集部:なるほど。確かに自分の目標を言うことは恥ずかしかったりもしますよね。
SEIKAさん:そうなんです。でも、私はトンチンカンなことばかり言ってました。RANDEBOOの立ち上げ当初、試しにTシャツのプリントを刷って、それを父に見せたら、これはひどい、ブランドはやめておきなさいと言われて(笑)。でも、先日感慨深い出来事があって、札幌店オープンの時に父が胡蝶蘭を持って来て、いいじゃんって言って帰っていったんです(笑)。
JJ編集部:すごく素敵なお話! 札幌でブランドを立ち上げて半年で東京に行かれた時、ご両親は心配されたのでは?
SEIKAさん:そうですね。特に父はほっとけスタイルなんですけど、さすがに東京に行く話をした時は、それ大丈夫か?とは言われました(笑)。ですが、その後何も言わなくなったので、私は上京。今思うとすごく寛大ですよね。大学も周りには行きなさいと言われていたんですけど、父はどっちでもいいんじゃない?と言ってくれて。伸び伸びとさせてくれました。でも、そのTシャツだけは売るなと言われましたが(笑)。
Q. カップル起業家の実態とは?
JJ編集部:阿部(卓真)さんとの関係性はビジネスパートナーであり、恋人でもあるいうことで、外からすると一見難しそうだなと思うのですか、実際はいかがですか?
SEIKAさん:そうですよね(笑)。恋人というよりも友達みたいな感じなんです。自分たちでもよく話すんですけど、友達っぽいからこそずっと一緒にいられるのかなと思いますね。
JJ編集部:SEIKAさんがやりたいことに対して、阿部さんが反対するということもゼロではないと思うのですが、そのあたりはどのようにバランスを取っていますか?
SEIKAさん:それが、彼は私がやりたいことを100%やらせてくれるんですよ。だから、私は本当にろくな大人にならないだろうなと思っています…(笑)。
JJ編集部:SEIKAさんがやりたいことを実現させるために、阿部さんがそのほかをやりくりしてくれるんですね。
SEIKAさん:そうなんです。このあいだ直接そう言われて泣きそうになりましたね(笑)。あなたがやりたいことは全部正解だと思うからやったほうがいいと背中を押してくれます。
JJ編集部:素敵すぎる!
SEIKAさん:もちろんビジネスの中で意見が合わないこともあるのですが、お互いにここは相手の意を汲んであげないとだめだというところを分かっているんです。なので大喧嘩をしたり、別れるということもなく良い関係性を築けているのかなと思います。彼がやりたいと言ったことに対して、私が後押しすることもありますし、いろいろバランスは取っていますよ(笑)。
JJ編集部:販売する商品については、SEIKAさん主導で決めているのですか?
SEIKAさん:以前これはお客様にささらないと思うとタクマ(阿部卓真さん)に言われたことがあったんですけど、その時に私がものすごく落ち込んでしまって、それから彼は商品に対して何も言わなくなりました(笑)。でも、私もその商品が良いと思う理由があるので、彼に熱弁をふるうんです。
JJ編集部:一つひとつのアイテムに作りたい理由がちゃんとあるんですね。
SEIKAさん:そうなんです。例えば、発注数とかも今の時期にそれ?と言われることもあるんですけど、私はこう思うから1000個がいい!と言って、じゃあ責任取ってね?みたいな感じでお互い納得してやっています。
Q. ブランド運営の難しさ、辛さとは?
JJ編集部:発注数などを決める際、先を読むのは難しいと思うのですが、どのように勉強されているんですか?
SEIKAさん:特に勉強はしていなくて、今までの経験をもとにしているという感じです。私たちのブランドは変則的で、他のアパレルでは見られないような動きもあるんです。例えば、2月は一般的に売れないブランドが多いと思うのですが、RANDEBOOは2月が一番伸びることもあって。業界の常識だけでは読めない部分が多すぎるので、自分が今までやってきた経験の範囲で考えています。
JJ編集部:2月にRANDEBOOが売れるというのは、あえて何か仕掛けをしている訳ではなく、たまたまなのですか?
SEIKAさん:そうですね。例えば、セールはこの時期にやりますというルールがあるじゃないですか。ある程度その波に乗らないといけないこともあるんですけど、普通ならばセールを行う時期にあえて新作を入れるなど、真逆のことをしていたりするので、他ブランドでは売り上げが下がる時期に、うちは上がるということが起きているのだと思います。
JJ編集部:それは読んでるというより感覚的に行っているのですか?
SEIKAさん:そうですね。アパレル経験がないからこそ生まれたものです。これは現在も変わっていないのですが、立ち上げ当初は経験者を入れずにブランドを運営していたということもあり、他の会社がこれをしているからうちもこうしようということが一切無いんです。これやったら楽しくない?というスタンスで始まることが多いです。
JJ編集部:大好きなファッションを仕事にされたSEIKAさんですが、好きだからこそ辛さを感じることはありますか?
SEIKAさん:ありますね。常に自分の周りに洋服がありすぎて、純粋に楽しんでいたものがそうではなくなってしまうこともしばしば。好きを保つことは意外と難しいものだなと思います。
Q. キャリアに悩む読者へアドバイスをお願いします!
JJ編集部:就活生や将来の進路に悩める読者へメッセージをお願いします。
SEIKAさん:私は自分の夢を追いかけて突っ走った結果、いまに至っているので、私のような例もあると思って将来の選択肢を広げて欲しいです。資格があった方が良いとか、学校に行った方が良いとかを考える方ももちろんいると思います。でも、私の場合は結局資格なんて必要なかったし、これまで遠回りをしてきたからわかるのは、やる気と周りを引き込む力さえあれば大丈夫だよと皆さんに伝えたいですね。
前・後編とお届けしてきたSEIKAさんのインタビューはいかがでしたか? お金や知識が無くても、やる気と周りを引き込む力さえあれば起業できることを証明した彼女。恋人同士で事業を立ち上げるという新しいビジネスのカタチも現代ではありなのかもしれません。ぜひ先輩起業家の体験談を参考にしてみてくださいね。
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