【街歩き】甲斐みのりさんの ほっとする東京⑥
家の近くはもちろん、買い物帰りや立ち寄った場所の近くにも、自分だけの特別な時間を過ごせる場所があったらーー。
仕事や家のことから離れて「自分らしく」過ごせるお店や場所を、文筆家の甲斐みのりさんに教えてもらう連載です。
豊かなひとり時間を過ごしながら、東京の魅力を改めて考えてみませんか?
わざわざ足を伸ばして行きたくなるお店
今回紹介する「pukuu 食堂」は、東京・馬喰町でminä perhonenが展開する「エラヴァ Ⅱ(elävä Ⅱ)」のフロアに昨年6月にオープンした小さな食堂。
フィンランド語でpuuは木、kuuは月を意味する言葉で、ブランドが掲げる「良質な材料を無駄のない循環で」という理念を形にしたメニューを提供しています。
「きちんとした食材を使っているので何を頼んでもおいしく、お腹だけでなく心も満たしてくれます。お昼時はもちろん、買い物ついでや仕事のあとにちょっとゆっくりしたいときなど、幅広い使い方ができる場所」。
「一人客も多く、お酒をたしなんだり、コーヒーとデザートを楽しんだり、各々が気持ちよく自由な時間が過ごしています」
各テーブルに置いてある葉っぱは、店名にもなっている「木」の雰囲気を演出しています。「地元の人が気軽に利用できる存在でありたい」という思いから、メニューはどれもお手頃な値段。きのことくるみのパテ500円、ナチュールワイン(グラス)は700円〜。puukuu 食堂で提供されるワインは、エラヴァ Ⅱで購入することができます。
「店内の窓に描かれた木のイラストは、minä perhonenデザイナーの皆川明さんによるもの。ここに日が差し込むと、店内に木の影が落ちてきてまるで森の中にいるような気分に」。
「お店で使われている食材などは近くにあるエラヴァ Iで購入でき、プレゼントにも喜ばれるのでおすすめ。エラヴァ Iとエラヴァ Ⅱで買い物を楽しんだ後は、ここのpuukuu 食堂でゆっくりするのが私の定番コースです」
【DATA】
puukuu食堂
住所:東京都千代田区東神田1−2−11 202号室
電話:03−6820−8837
時間:11:00〜20:00(ラストオーダーは19:30)
※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、営業時間や休業日の変更がある場合がございます。
【PROFILE】
甲斐みのり:文筆家。静岡県生まれ。日本文藝家協会会員。旅、散歩、お菓子、地元パン、手みやげ、クラシックホテルや建築、雑貨や暮らしなどを主な題材に、書籍、雑誌、webなどに執筆。食・店・風景・人、その土地ならではの魅力を再発見するのが得意。著書多数。新刊は『たべるたのしみ」(mille books)。
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写真/米谷享 文・構成/高田真莉絵