すでに「離婚約」を交わした4組の夫婦。各ケースから見えた、“課題”と“希望”とは?
最近、世間や読者の間でも聞くようになった「離婚約」。経験者たちに聞いてきました。
◯ アドバイスを頂いたのは…
★ ケース2:離婚するまであと5年 「その先を見据えた準備へ動けた好例」
★ ケース3:離婚するまであと2年 「子供へ伝えるタイミングは?」
★ ケース4:離婚するまであと4年 「離婚約で互いのいい部分を見直し」
★ ケース1:離婚するまであと2年 「夫から提案する離婚約の期間は?」
>>妻が仕事を見つけ軌道にのるまでが目安
40代半ばになり、不仲な関係をやり直すなら今だと思っていましたが、大喧嘩したことがきっかけで離婚話に発展。お互いに楽しくない結婚生活はよくないと、離婚を見据えることになりました。
それ以来毎月第一日曜日、子供が寝た後の時間を2人で話す「離婚定例会」と決め、そこで親権、養育費、妻の仕事探しの進捗、名字をどう変えるか、お互いの親や子供にいつ伝えるかなど、3時間ほど話し合っています。
その時はお酒を飲まないことが約束。離婚約期間、お互い恋人を作ってもいいことにするかも話し合いました。専業主婦の妻が仕事を決めて落ち着くまでの2年後が目安です。
(R・Oさん 46歳男性·43歳妻·12歳、10歳の女の子)
実際に離婚する段階で公正証書にすると、万一、養育費の支払いがない時に給与の差押えなど、強制執行が可能となります。
★ ケース2:離婚するまであと5年 「その先を見据えた準備へ動けた好例」
>>自分自身への「離婚約」
結婚生活の初期から、夫はすぐに仕事を変えたり、浮気も度重なり、義母にひどい扱いを受けたこともあって離婚をして実家に戻ろうかと悩んでいました。でもまだ小学生だった子供にはパパが必要だと思い、結婚生活を続ける決断を。
そこから約6年耐えていましたが、ある日夫が思春期の悩みを抱えている長男に寄り添うことなく、冷たい言葉を言い放ったことで覚め、離婚届を取りに行きサイン。「私はサインしたから」と夫に伝えたことで自分の中で離婚約をしました。
仕事を探したり資格を取ったりと準備をし始めましたが、一向に夫が承諾せず、5年後にやっと離婚。でも自身で絶対離婚すると「離婚約」を決めたことで前向きになれ、心も生活も準備ができました。
(S・Kさん 49歳女性·20歳長男·18歳長女)
★ ケース3:離婚するまであと2年 「子供へ伝えるタイミングは?」
>>期間が長いがゆえに見極めることが最重要
ずっと見て見ぬふりをしていた夫婦関係ですが、コロナで夫婦ともに家にいるようになり、子どもの進路の話の流れから、子どもが高校生になったら私たちどうする? と私から切り出しました。すると夫から、子育て終了と共に解散してもいいのでは? と言われました。
私も夫は子育てのパートナーとしてはベストだけれど、子育て卒業後2人で生きていくのは合わないと感じていて。なので、子どもが高校生になったら別れる、と話がまとまりました。親権は夫が希望しているので、私は養育費を払い、一人暮らしをする予定です。そのことを子どもにはいつ言うか、迷い中です。
(I・Kさん 40歳女性·46歳夫·12歳長男)
★ ケース4:離婚するまであと4年 「離婚約で互いのいい部分を見直し」
>>よりいい関係を築けることもありえます
結婚して15年。夫への小さな不満が積もり積もって、大きな価値観の違いを感じるようになりました。
1年前に喧嘩した際、「もう無理」と私から宣言。すると夫は、フリーランスで出張も多い私が今離婚をしたら子育ての負担が大きい。子育てのチームとしてもう少し頑張ろうと言ったんです。
子育てのパートナーとして夫が必要なのは間違いないので、長男が大学生になるまでは協力し合うことに。結果、離婚への期限が決まったことで夫に優しくできるようになり、以前より夫婦仲がよくなりました。
また今までは目の前の仕事で精一杯でしたが、これから先のことを長い目で考えるようになりました。 離婚も見据えた生活費や貯蓄の管理は夫が全てやってくれています。
(O・Fさん 43 歳女性·5 0歳夫·16 歳長女·1 4歳長男)
「離婚約」は夫婦仲を見つめるチャンス。 これからの人生を どう過ごしたいか、誰と過ごしたいか。 いつだって幸せは、 自分の覚悟と決意にある!
撮影/吉澤健太 取材/立花あゆ ※情報は2021年2月号掲載時のものです。