心をやさしく整えるフィトテラピーってどんなもの?

わけもなくイライラしたり、ちょっとしたことで 落ち込んだり……。出産、育児、家庭、仕事と環境が変わりやすい女性には、常に心の不調がつきまといます。そんなゆらぎやすい私たちの心と体の変化に、植物の力で対処する「フィトテラピー」について、植物療法士・南上夕佳さんに教えてもらいました。


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お話を聞いたのは

植物療法士 ルボア フィトテラピースクール
副代表 南上夕佳さん
ホルモンバランスを崩したことをきっかけに植物療法に出会い、身をもってその効果を体感。 現在は日本の植物療法の第一人者、森田敦子氏に師事し、講義、講師育成に努める。近著に『自然ぐすり生活』(ワニブックス)。

Q.フィトテラピー(植物療法)ってどんなもの?
A.植物の力でさまざまな不調に対処する伝統療法です

病院に行くほどでもない心と体の不調を、植物の薬理効果で対処・予防する治療で、ヨーロッパでは医療として扱われています。日本でも「風邪のときはしょうが湯を飲む」など、おばあちゃんの知恵のような形で親しまれています。

Q.いいところはどんなところ?
A.副作用が少なく、自然治癒力を高めます

一般的な〝薬〞は即効性などのメリットがある反面、副作用があることも。植物療法は飲んですぐに効くものは多くありませんが、薬理成分をしっかり摂取しながらも副作用が限りなく少なく、自然治癒力を高めてくれます。

Q.普段の生活にどう取り入れたらいい?
A.「塗る」「飲む」「香る」「食べる」が基本です

◆塗る

オイルやクリーム、バームなどを皮膚に塗ることで、植物の有効成分が毛細血管まで届きます。血流にのった有効成分は全身をめぐり、効果を発揮します。

◆飲む

飲むことで、消化器官から有効成分を吸収。温かく消化吸収しやすいハーブティーや、安定して一定量が摂れるタンチュメール(ハーブ濃縮液)がおすすめ。

◆香る

香りを嗅ぐと、1.5秒で脳に信号が送られ、本能に直接働きかけてくれます。フレグランスアイテムやディフューザーなどで、好きな香りを取り入れて。

◆食べる

薬理効果のあるハーブや野菜、フルーツ、ナッツなどを食事でとることも植物療法。薬理成分がギュッと詰まったサプリメントやパウダーも手軽で便利。

Q,どうやって合うものを見つけたらいい?
A.心地よいと思う香りを直感で選んでみて

ハーブティーやタンチュメール、サプリメントなどは目的に合った効果があるものを選べば大丈夫。香りは直接感情に作用するので、細かいことを考えず、自分の好きな香りや、そのときに心地よいと感じた香りを選んで。

Q.注意点はある?
A.治療中の人は必ず医師に相談を

持病がある人、薬を服用している人、妊娠中の人は医師に相談してください。また、精油は直接肌に塗布するととても刺激が強いので、オイルで希釈する、ディフューザーを使うなど、正しい使い方を知ったうえで使用して。

撮影/山下忠之 取材・文/森本奈穂子 撮影協力/野菜倶楽部 oto no ha Café TEL:03-3942-1077、石阪理恵さん

Mart2021年2月号
イライラ・無気力・落ち込みがち……
ざわつく心は「自然ぐすり」でやさしくととのう! より

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