【LIFESTYLE】料理家 こてらみやの「ベランダと暮らす」⑥
大寒も過ぎて、ぐーんと冷え込むようになりましたね。
こう寒いとベランダに出るのも億劫になりますが、おいしいものを食べるためならばと、お天気のいい日を見計らって、ベーコンを仕込みました。
年末に豚バラ肉をどどーんと2kg仕入れ、1kgはベーコン、残りの1kgは中国の干し肉「腊肉(ラーロウ)」を仕込むことにしました。
ベーコン作りには少し時間がかかりますが、ソーセージなどの腸詰類に比べると意外と簡単ですし、なによりも自分が選んだ材料で自分好みの味に仕上げられるのがいいですね。
簡単に作り方をお教えしますね。
豚バラ肉はフォークで刺して所々に穴を開け、塩20g(今回はゲランドの塩を使用)と砂糖10gを合わせたもの、そしてスパイス(粒黒胡椒、オールスパイス、クローブ、ローリエ適量)を木べらで潰して肉に揉み込むように擦り込みます。そしてラップでぴったり覆ってからポリ袋に入れて、1週間ほど冷蔵庫で寝かせます。
二日目ぐらいから水分が出てきますので、二日に1回ぐらいのペースで上下をひっくり返して味が均等に馴染むようにします。
そして1週間後にラップを外し、余分な水分を拭き取ったら24時間ぐらい寒気に当てて干します。私はお肉にバーベキュー用の金串を刺して、棕梠縄に串の両端をひっかけて干しています。ザルに置いて干してもいいのですが、両面が均等に乾くように時々裏返すという手間がかかるので、串刺しで干すのがおすすめです。
写真のように表面が乾いて、ギュッと引き締まった感じになりますよ。
では、いよいよスモークにかけます。
ベーコン1kg程度なら、スモーカーがなくても中華鍋で代用できます。スモークチップはヒッコリーよりサクラが合うと思います。
スモークチップに火をつけたらボウルで蓋をして、温度が上がり過ぎないように時々チェックしながら3〜4時間かけてスモークします。
上の写真が完成品です。
身がひとまわりほど引き締まって照り照り〜。
このままガブリとかじりたいところですが、すぐに食べるよりも3日ほど、できれば10日ほど寝かせた方が美味しいので、この日はラップでぴっちりと包んで冷蔵庫の奥に(目につくと食べたくなるので)仕舞い込みました(笑)。
そして1週間後のお姿がこちら↑。
まだ少し味が尖っていますが、スモークの香りが肉全体に馴染んできました。
発色剤などは使っていないので、地味な色合いですが美味しそう〜。
で、まずはカルボナーラを作ります。
溶きほぐした全卵にたっぷりのパルミジャーノレッジャーノとしっかり炒めたベーコン、茹でたての熱々スパゲティを入れて、さっと和えれば出来上がり!
ベーコンを噛み締めるほどに肉の旨味が感じられて、濃厚な卵やチーズに負けないほどです。
そして翌日の朝はベーコンエッグも作りました。
ベーコンのふちがカリッとして脂が出てきたら耐熱のガラス瓶に入れておきます。これは、キャベツや野菜を炒めるときのラードとして取っておきます。美味しいから絶対捨てちゃダメ!
フライパンに残った脂で常温に戻した卵をじりじりと焼いていきます。
蓋はせずに、下からの熱で白身のふちがカリカリになって、くるんとめくれるぐらいがおいしい目安です。
ちょっと焼き過ぎ?
焼き具合はお好みがあると思いますが、ベーコンの旨味が凝縮されたこれぐらいがわたし好みです。ベーコンの脂で焼いた目玉焼きも言うことなし。
贅沢な朝ごはんになりました。
長々と書いてしまいましたが、ベーコンのお話はこれにておしまい。
次回はベーコン仕込みと一緒に始めた「腊肉」についてお話しします。
ではでは、寒い日が続きますが風邪などお召しになりませぬようお過ごしくださいね!
【PROFILE】
こてらみや
料理家。毎日食べたくなるような、