こんまりさん「ときめく働き方」を手に入れる片づけの魔法
“こんまり”こと近藤麻理恵さんが『人生がときめく片づけの魔法』で一世を風靡してから10年がたちます。その間、拠点をアメリカに移され、Netflixのドキュメンタリーシリーズも大人気。そして、彼女はいま36歳で娘さん2人のママ、というまさにVERY世代ど真ん中。今回出版された本は、片づけの魔法・仕事版なのですが、ご主人にも途中から参加していただき、ついつい夫婦の話、おうちのお片づけにまで話を広げさせていただきました。今回は、ワーママ必見の仕事周りの片づけ編です。
※掲載中の情報はVERY2021年1月号掲載時のものです。
デスク周りの片づけ
――前著からちょうど10年。今回「仕事版」を出されたきっかけは?
近藤 『人生がときめく片づけの魔法』を出版後、家だけでなく職場の片づけについても質問を受けることが多くなりました。また海外で活動するようになったことで、私自身の働き方について興味を持っていただく機会が多くなり「ときめく働き方をするにはどうしたらよいか」という質問を多くいただくようになったんです。
――まず第一歩としてデスク周りをすっきりさせるという話なのですが。
近藤 働いている時間を少しでも心地よくときめく時間にするためです。散らかったデスクによってモノを探すことに費やす時間は1年間にまるまる1週間分にもなることや、片づけることで精神的なストレスを軽減できることなど、ワークスペースを片づけることのメリットは研究やデータとしてもはっきり出ています。なにより、仕事場の片づけを通じて「自分はどんな働き方をしていきたいのか」「どんな仕事にときめくのか」という自分の心を見つめ直すことができるんです。
――近藤さんが新卒で会社員をされていた頃のデスク周りの様子は?
近藤 デスクの上には、必需品の電話とデスクトップPCとマウスパッドのほかは、観葉植物やキラキラしたクリスタルのぺーパーウエイトなどのときめきグッズのみ。出社したときには、まず布巾でデスク周りを全部拭くところから始めていました。
――片づけても次の日にはリバウンドしてしまうのですが……なにか秘訣はありますか?
近藤 デスクの上だけをなんとなく片づけるのではなく、引出しや足元や、自分のテリトリーの中のモノを一度すべていっぺんに片づけ切ることですね。最終的には、本当に自分に必要なモノだけが残って、かつどこに何が置いてあるのか、明確に定位置が決まっている状態にしておくことです。定位置を決めると、忙しいときでも片づけやすくなります。
――職場だと机や椅子は選べないし、備品も支給されたものになりますが、あまりときめきません。
近藤 まずは自分で選べるモノや私物に徹底的にこだわってみましょう。普段使うペンやノート、ファイルやファイルボックスなど、少しずつでもときめくモノを身の回りに揃えていくと、仕事時間のときめきは格段にアップします。あと、なにかひとつ、見ているだけでときめくアイテムを置くというのもオススメです。ちいさい卓上用の観葉植物を置いてもいいですし、家族の写真を飾るのもいいですね。
名刺の片づけ
――名刺をなかなか捨てられません。近藤さんは名刺を1枚にまで減らしたと。
近藤 名刺というのは、ちょっとした思い出も含まれるようなモノになってきますね。「こんまりⓇメソッド」で大事なのは、とにかくカテゴリー別に順番に進めること。オフィスの場合は、本、書類、小物、思い出品という順番になりますが、名刺は書類の最後のほう、もしくは思い出品の最初のほうでしょうか。つまり、ある程度片づけの基礎体力というか経験を積んでから手を付けるのがオススメです。片づけるときのポイントは、自分の持っている名刺をとにかく全部集めること。「私ってこんなにたくさん名刺を持っているんだ」ということが認識できると、自然と片づけはしやすくなってきます。名刺は「初めまして」のご挨拶のきっかけとして役立つもの。その後一度でも連絡を取った相手であれば、アドレスがメールボックスに残るし、名刺自体はもうお役目終了している場合が多いんです。なので、「出会いのきっかけをくれてありがとうございます」と手放す。この方法で手放せるようになる方がとても多いです。
――「社名や肩書が命」みたいな人もいるし、捨てるとその人の人生を否定しているような……。
近藤 ときめく思い入れのある名刺や、持っていて気分があがるものは、もちろん堂々ととっておきましょう。片づけは、捨てることが目的ではなく、自分にとって大切なモノ、残したいモノを選ぶことなのです。
アイコンの片づけ
――近藤さんのパソコンにはストレージのアイコン1個しかないとか。
近藤 厳密に言うと、今まさに作業中のモノや、当日使うモノは出ていますね。ストレージの中には基本的に未処理のモノが入っています。ブログで使いたい画像や、いま書いている本の原稿など。私はデスクトップの写真がキレイなことにときめくんです。パソコンを開けた瞬間に、お気に入りの風景の写真が出てくると嬉しくなりますね。
――スマホのアイコンも一画面に3個ずつだそうですね。
近藤 スマホの待ち受けは子どもの写真なのですが、使うたびに子どもたちの可愛い写真を見たいというのがいちばんの目的。とにかく、自分にとってときめく生活とはなんなのかということを徹底的に追求したときに、自分のデスクトップはどうありたいか、というところにたどり着くわけです。私自身、データ系の片づけがもともと得意だったわけではありません。物理的な片づけをしていると、自然と他の場所も片づけたくなっていく。なので、家の片づけやデスク周りの片づけをしながら少しずつデータ系を進めていく、というのがオススメです。
>>後編へつづく
1/26 UP「こんまりさん『夫と子どもの片づけ』で家族みんなでときめく」
『Joy at Work -片づけでときめく働き方を手に入れる-』
共著者 スコット・ソネンシェイン
河出書房新社 ¥1,600+税
今回のインタビューでは主に仕事場、デジタルデータの片づけについてお伺いしましたが、本書には「時間」「決断」「人脈」「会議」「チーム」の片づけについても書かれています。テレワークや在宅勤務の増えたいま、自分の働き方を見直すチャンス。そんないまこそ読みたい一冊。
◉近藤麻理恵(こんどう・まりえ)
1984年生まれ。2010年に出版した『人生がときめく片づけの魔法』は累計1,200万部を超える世界的ベストセラーに。2015年には米『TIME』の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれる。昨年からNetflixで配信された『KonMari~人生がときめく片づけの魔法』はエミー賞2部門にノミネート。ロサンゼルス在住。4歳と5歳の女の子ママ。
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*VERY2021年1月号「近藤麻理恵さんの片づけでときめく働き方!」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。