猫好きライターが厳選する「猫の本」4選【海外文学編】
コロナ禍での生活制限や、慣れないニューノーマルな生活。ストレスがたまりがちな毎日の中で、私達を癒してくれる猫。ヴィジュアルだけじゃなく、その行動や存在、猫のすべてのが大好きな猫好きにお勧めしたい猫本を紹介。第1回目は、猫が題材の海外文学を感動ものから、癒し系まで、幅広く紹介。可愛いカバーも眼福です。
1. 『ジェニィ』(新潮社文庫)
著・ポール・ギャリコ 訳・古沢安二郎
STORY
●主人公は事故をきっかけに猫になってしまった少年
●雌猫ジェニィとの出会いをきっかけに恋と冒険の旅に
●猫の生活や仕草などの的確な描写は、猫好きなら「あるある」と共感
💡ライターのおすすめポイント
1941年に発表した『スノーグース』で有名になった無類の猫好きとして知られる作家・ポール・ギャリコの世界中で愛される名作。猫になったことで、猫の世界での恋や冒険、辛い体験、決闘などをしながら大人になっていく少年の成長が描かれているのですが、超猫好きだからこその、猫の生活の詳細な描写に、どんどん引き込まれていきます。また、純粋で素朴な愛の模様は、心が温まり、ほろ苦くもあり、仕事で疲れている時、ストレスで心がささくれだっている時、つい手に取ってしまう1冊です。
2. 『キャッツ ポッサムおじさんの猫と付き合う法』(ちくま文庫)
著・T.S.エリオット 訳・池田雅之
STORY
●ミュージカル『キャッツ』の原作
●15篇の詩から成り立つ、詩集
●十人十色なキャラクターの猫たちが登場し、それぞれのドラマを展開する
💡ライターのおすすめポイント
誰しもが1度は見聞きしたことがあるミュージカル『キャッツ』の原作は、なんと詩集!個性豊かなキャラクターの猫たちが登場し、それぞれのドラマが展開していくのですが、その描写は詩的でありながら、とても的確で躍動感と遊び心が。読むだけでワクワクした気持ちにさせてくれます。手軽に読み進めることができるから、読書が苦手…そんな人にもおすすめ。猫になりきった著者の想像力に想いを馳せてイマジネーションを膨らませながら読むと何倍も楽しめます♪ミュージカルや映画を観る前に読むのも◎。
3. 『猫のダルシーの物語 あたしの一生』(小学館文庫)
著・ディー・レディー 訳・江國香織
STORY
●人間と暮らした1匹の猫の濃密な愛の物語
●主人公はあたし(白黒模様の猫・ダルシー)
●あたしと、あたしの人間の出会いから別れまでを猫の視点で描いた感動作
💡ライターのおすすめポイント
突然ですが、この小説は外出先で読むことはおすすめできません! 何故ならエピローグから泣けるから…。 著者が飼っていた愛猫ダルシ―との17年と4カ月をダルシ―の目線で描いた今作品。作家の江國香織さんが和訳されている美しい文章。強くストレートな、あたしとあたしの人間の愛。ズシンと心をうたれ、読み終わると、今いる自分が愛を注げる回りの人達を改めて大事にしよう。そんな風に思える1冊で「愛の物語」そう表現するのがぴったりな小説です! 作中に描かれている素晴らしいジュディー・キングの猫のイラストも必見。
4. 『猫語の教科書』(ちくま文庫)
著・ポール・ギャリコ 訳・灰島かり 写真・スザンヌ・サース
STORY
●ある日突然、編集部に届いた『猫語の教科書』その内容は!?
●本書は、猫による、猫のための、人間を飼いならす教科書
●人間の扱い方から子猫の育て方まで、猫が生きていく上で大事なことがマニュアルに
💡ライターのおすすめポイント
猫を飼ったことがある人なら1度は感じたことがある「私が猫を飼っているのではなく、猫に飼われているのかも…」という疑問が確信に変わる1冊。本書は猫が人間の家を乗っ取る方法から人間の生態、獣医にかかる時のコツ、愛についてなどのマニュアルが書かれた猫のための教科書。読み進めていくうちに、妙に納得したり、申し訳ない気持ちになったり…。きっと、あの可愛い猫達は人間のことをこんな風に見ているのだろうなぁという斬新な視点を楽しみながらも、こんな猫にだったら家を乗っ取られても幸せだと改めて感じてしまうのです。
味澤彩子
ビューティを中心にファッションやライフスタイルも担当するCLASSY.ONLINEライター。担当媒体は『STORY』『VERY』など多岐に渡る。根っからの猫好きが高じて女性自身別冊『ねこ自身 2匹目』『ねこ自身 グルーミング』『FNASH ねこ自身』では編集を務める。現在飼っているのは三毛猫の「みー」と「はな」。好きな猫のタイプは「ツンデレ」。猫に関する書籍は25冊所有。
再構成/CLASSY.ONLINE編集室