【性教育】への不安が消える3つの効果!コロナ禍こそ子どもたちを守れ
とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事・のじまなみです。
これは、私のところにきた小学校2年生のお母さんからのご相談。
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娘が学校から帰宅して早々に、置いてあったスマホにこんな風につぶやいたんです。
『googleに聞くの。秘密の言葉なんだよ!エス イー エックス、エス イー エックス』。
小学校2年生なのに、なんて言葉を知っているんだろう……!!と、娘に理由を聞くと、クラスの男の子のEくんが秘密の言葉として教えてくれたと。
さらに驚きなのは、親にそれを言わないように口止めをしてきたとのこと。
他にも、塾に行く前に娘の筆箱を開けたら、中に鉛筆で書いてあったんです。
SEXって両面に!
えらく気になったのか、忘れちゃいけないと思ったのか……
そのEくんは、タイプ的には大人しい子だったから、すごく驚いてしまいました。
これは小学2年生女子でも、今の子にわかるような性の話をしなくてはと焦ります。
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皆さんも、お子さんの筆箱にSEXと書いてあったら、どうしますか?
わたしでも正直おっと!と思いますが(笑)答えは、次回に。
今の子どもたちは早熟です。ネットという環境、調べるツールの多さ(スマホ、ゲーム、アイパッド、パソコンなど)理由は様々です。
頭もいい子どもたち。調べる土台が整っていたら、それは調べたくなるのも致し方なし!なぜなら、3大欲求の一つですもの……。
だからこそ、それを踏まえたうえで【先回りの教育】が性教育では必要となります。
大人も子どもも同じですが、隠されたり、意味も分からず否定されればされるほど、無性に反抗したくなるのが世の常というもの。
性の話を避けて通るより、子どもたちが小さいうちからぶつかることを前提で話し合っていくことで、子どもたちも自分で善悪の判断などがつくようになっていくものです。
そうはいっても、ホントに性教育をして大丈夫?外で言いふらしたりしない?Hなことに興味を持たない?と心配な方のために、そうした不安を一気にかき消す「性教育の3大メリット」をお伝えしますね。
1.自己肯定感がアップする!
日本の子どもたちは海外の子どもたちに比べて自己肯定感が飛びぬけて低いというデータがあります。世界一安全で、衣食住も揃い、教育も受けられるのに、自分を好きと思えな子どもたちがたくさんいるんです。
性教育でできることは、我が子にたっぷりの愛情を手渡すことができる事。
まずは、寝る前に「生まれてきてくれてありがとう」と毎日伝えてみてください。子どもたちの反応がガラリと変わっていくのがわかるはずです。
誰かが自分を愛してくれている。その絆が欲しいのです。
この親子の絆が自己肯定感の土台になっていきます。
2.性犯罪の加害者にも被害者にもならない
今、性被害といってもその行為は多様化しています。
なかでも、自分が受けた行為が性犯罪であったと子ども自身が気づいていないケースがとても多いのです。実はこれが一番の盲点かもしれません。
SNSによって巻き込まれる18歳未満の子どもたちの犯罪件数は毎年増加しており、被害に遭う子どもの年齢も小学生と、低年齢化に歯止めがかかりません。
子どもたちは知りません。自分の周りに悪い人がいることを。男の子も女の子も変わらず巻き込まれる性犯罪。防いでいくには知識をお守りに持たせることが一番です。
また、このくらいいいんじゃない?男の子が女の子の胸を触る、性器の写真を送り付けるなどのトラブルが、未就学児や小学生でも起こっています。防犯教育は加害者にならないための教育でもあるのです。
3.望まない妊娠の回避
低年齢での望まない妊娠・中絶は、親としても絶対回避させたいことの一つですが、コロナ禍で10代の妊娠相談件数が増加したというデータも出ています。
✔︎10代特有の性体験への憧れ
✔️もともと家族関係が良好でなく、家庭に居場所がない子どもが家出などを繰り返し、生活の対価、居場所の対価として体を差し出す
✔︎コロナ禍で移動制限があると友だちとも会えず、娯楽施設へも行きづらい。ならば恋人の家に行こう!
――こちらも理由は様々ですが、やはり根底には知識の不足が原因にあげられるのではないでしょうか?
望まない妊娠・中絶は、子どもたちの友人関係、勉強、趣味、部活、夢、将来設計、青春……そのすべてをあっという間に壊してしまいます。
秋田県では、性教育を中高生からに引き下げることで、中絶件数を1/3まで減らしたという結果もでており、性教育は望まない妊娠の回避に役立つことがわかっています。
(※参考「秋田県内の中学生・高校生を対象とした性教育講座の実際」日本赤十字秋田看護大学・志賀くに子教授)
イラスト/おぐらなおみ 出典:『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)
子どもたちが目標や夢を背負って青春を謳歌できるよう、知識を学ぶ機会を幼い頃から家庭でサポートしていくことは、子どもたちの未来を守ることにもつながっていきますよ!
次回は、自粛生活で気になる“子どもとネットの付き合い方”をテーマにお話しします。
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◉のじまなみさん
性教育アドバイザー。防衛医科大学校高等看護学院卒業後、看護師としてのキャリアを経て、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】」を設立。夫と3人の娘の5人家族。著書『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)『男子は、みんな宇宙人! 世界一わかりやすい男の子の性教育』(日本能率協会マネジメントセンター)がヒット中。
『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』のじまなみ/著 おぐらなおみ/イラスト(辰巳出版)¥1,400