コロナ過で増えたおひとりさま時間「ソロTIME」、みんなどうしてる?何したい?

コロナ禍でママ友ランチのお集まりがめっきり減って、家族で過ごす時間のほか、40代が新しく得たのが〝ひとり時間=ソロTIME〟。何にもとらわれずにオシャレと自由を楽しむソロTIMEが、今、40代の最大の楽しみにもなっているようです。

「目下の楽しみは、ひとり時間。誰の目にもとらわれず自由とオシャレを楽しめるから」、そんな読者の声を聞き、真実を確かめるべくアンケートを実施しました。


コロナ禍で人と会うことが少なくなって圧倒的に増えたのは、ひとり時間=「ソロTIME」です。

なんと約9割もの方が「ひとり時間が増えた」と回答。

コロナ禍で人と会うことが難しくなり、一時は外に行くことすら激減しましたが、その分自由にひとりで過ごす時間を楽しんでいる人が増えているよう。

圧倒的に多かったのが子供が幼稚園や学校に行った後の午前中及び、15時までのゴールデンタイム。主婦は時間もやりくり上手。

手軽にソロTIMEへとトリップできるカフェやドライブ、ショッピングに一人贅沢ランチと、ふとできた時間で気ままにソロTIMEを楽しむ人が多いよう。

カフェでコーヒーを飲みながら思いを巡らしたり、気になる本を読んだりする人が約40%と多数。運動不足解消のために散歩やランニングを始めたという人も。世界が急速に変わった今、何かに没頭する時間が必要なのかもしれません。

そして、その未知の楽しみを知った今、ソロTIMEを過ごす場所が、これまでより一歩先へとどんどん広がっているようです。美術館や映画館、ハッピーアワーに一人飲み、ホテルステイ……。

今は手軽にカフェやショッピングを楽しむ人も、次はスパや美術館、ホテルステイと一歩先へと踏み出そうとしているもよう。

これまでは〝一人で〞なんて考えられなかった場所へと踏み出して、初体験をしている人も多数。そう、ソロTIMEによって40代は今、自分の世界を広げ、自由なオシャレを満喫しているのです。

精神科医 名越康文さんに 聞きました!

精神科医 名越康文さん
精神科医 名越康文さん
1960年生まれ。近畿大学医学部卒業。専門は思春期精神医学、精神療法。臨床に携わる一方、コメンテーター、漫画分析など様々な分野で活躍中。著書に『「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』(夜間飛行)がある。

今、 40代にとって「ソロTIME」こそが最強の生存戦略です

人生はときどき、途中下車、踊り場の時間が必要です。そこで計画の見直しができるし、軌道修正もできる。

しかし、その時間がほとんど無いのが、日本の主婦だと思います。子育てに家事、子供の学校の付き合いに仕事と、今の40代女性は背負うものが多い。だから、ソロTIMEは、そんな40代にこそ一番必要なんですね。今、それを今、それをコロナ社会の中で改めて注目してみたいのです。

自分ひとりで悩んでいることは、実はたいがいが妄想です。心配性な人が家に籠っていると、起こらないことばかり気に病んでしまう。しかし、一歩踏み出すことで妄想は消えるんです。

ソロTIMEで新しい世界を広げ、初体験をしている人も多いようですが、新しいことを体験すると感覚が変わり、妄想が消えます。そして、その新しい感覚を知る時、人は成熟するんです。視野が広がって、これまで持っていた常識が覆るんですね。

だから、ガミガミ怒っていた子供にも、「一つの考え方かもしれない」と最後まで聞けるようになる。そう、自分が成熟すると、思い込みが少なくなり、その分自分も相手も傷つかなくなる。一人お寿司屋さんで食べるトロやこはだの味、ハッピーアワーにホテルのラウンジで過ごすことは、実は家族の幸せにも直結しているんです。

今、少しずつ社会が動き出し、ママ友ランチも復活してきているようですが、その中には自分に悪影響があったり、一緒にいると気分が暗くなってしまう関係もあるでしょう。しかし、ソロTIMEを経て成長して、同調圧力に屈しない自分に生まれ変わることも可能です

お互いがお互いをけん制するのではなく尊重し、ネガティブなことを言う人とは勇気をもって距離を置く。コロナ禍で皆さんがたくさんの洋服を断捨離したように、人間関係にも時に、断捨離が必要なのです。

ネガティブな人と別れても、あなたを愛してくれる人は必ずいる。そういう人を大切にして、毎日勇気を持って生きたらいい。今、皆さんに必要なのは、「勇気」と「優しさ」です。人に思いやりをもちながら、悪影響を及ぼす人と別れる勇気は手放さないでほしい。

人の気持ちは同居人に伝染します。だから家族の中心にいる主婦が明るく元気であることは肝心。そのためにもソロTIMEは絶対必要です。今が、その習慣を身につける最大のチャンスなのです。きっと、コロナ禍で日本の40代女性たちは、大きく生まれ変わることでしょう。


撮影/西崎博哉(MOUSTACHE)モデル/高垣麗子 ヘア・メーク/森野友香子、MAKI スタイリスト/竹村はま子、MaiKo yoshida 取材/北野法子、小賀坂好映、木村まい、奥村千草、谷川ゆふき ※情報は2021年1月号掲載時のものです。

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