これで完璧!40代の着物の日のための【まとめ髪&メーク】

新しい年、日本人に生まれたからこそ、着物を美しく着こなしたい。美しい着物に映える所作はもちろん、ヘアやメークも重要なポイントです。着物を引き立てるまとめ髪と着物メークを着物ヘアメークの小林あすかさんに習いました。

【髪】柔らかな髪の流れが描く曲線とふわりとまとめた女性らしさが際立つ髪

紬などの普段着の着物の場合は洋服の延長と捉えてヘアもメークもやりすぎないことが大切です。いつものメークにポイントで色みを追加するくらいが程よくキレイ。特に着物だからといって、肌を白く唇に濃い色を持ってくると一昔前の仕上がりに。また、張り切ってヘアも盛りすぎると品よく決まらないし、かと言って盛らなすぎると寂しい印象になるのでバランスに気をつけて。メークは着物や帯の色から考えるのもお勧めです。例えば帯に入っている色を、アイメークや、チークにも使ってみて。難しく考えすぎないで、まずは目尻に赤みを少し足すだけでも女性らしさが際立ちます。細部を丁寧に仕上げれば、さりげないのに美しく印象に残る着物メークが完成です。

美容家IKKOさんのもとで10年、美の真髄を学びその後独立。着物のヘア・メークを得意とし、センスある上品な仕上がりが評判で女優、タレントからの信頼も厚い。

教えてくれたのは……着物 ヘア・メーク 小林あすかさん

★まとめ髪のポイント

1:前髪は前に張り出さず自然に上げる
2:サイドは膨らませすぎない
3:後頭部より下に髷のボリュームを
4:ひっつめすぎずゆるい髪の流れを作る

髪を結ったときの衿の抜きは衿足から握りこぶしひとつ分ほど

和装のときは、衿足が美しく見えるように髪は品良くまとめたいもの。美容室では黒髪のうねりを生かした動きのあるスタイルで、タイトすぎず、ふっくらさせすぎない程よいアップの相談を。かんざしは小ぶりなものを挿すと、楚々としたお洒落な印象に。短い髪の場合も後頭部にボリュームをもたせたヘアスタイルが着物とのバランスがよく美しい。

着物独特のバランスの美に衿の抜き具合があります。標準は、まとめた髪が衿足にかからないよう、握りこぶしひとつ分が美しいとされています。ヘアスタイルのトップやサイドのボリューム感や肩幅や体型などの体つきによって衿の抜きでバランスを整えます。紬や小紋など普段着の着物なら、ふわりとやわらかくまとめて、こぶしひとつ分抜いて着ます。

【メーク】洋服の日のメークに少しプラスするだけ、さりげなく凛と華やかな着物メーク

艶タイプのベースを仕込んでから、肌色は首の色に合わせて、白くしすぎず自然に仕上げます。目元には帯の柄に使われているオレンジ系のシャドウをベースに目尻に赤みをプラス。いつものピンクベージュリップはリップラインで唇の形を丁寧に整えてから塗布します。コンシーラーで口角を美しく引き締めて。細部を丁寧に仕上げた着物メーク。

★着物メークのポイント

パレット左下の赤を指先に取り、目尻の1/5くらいの白目部分上下の際に足して目元のポイントに。アイラインはさりげなく目元を引き締めるダークブラウンで目幅に引きます。左から、上品な赤が目元を華やかに彩る。シグニチャー カラー アイズ 05 ¥7,000(SUQQU)軽やかなタッチで繊細なラインが描きやすい。THREEインディストラクティブルアイライナー 02 ¥3,500( THREE)

①目尻に赤みを足す

頰の高い位置は年齢とともに下がってくるので、気持ち高めを意識して、目の下と頰の高い部分の中間くらいから、ブラシでチークを丸く入れます。外側に入れすぎないように、少し中央寄りを意識して。肌に溶け込むようなピュアな血色感を表現。Amplitude コンスピキュアス モノチークス 02 ¥5,800(アンプリチュード)

②目の下に血色を足す

唇の山と下唇の底のエッジに丸みをもたせるように、リップペンシルでラインを描き足します。加齢で薄くなった上唇にもふっくらと立体感が生まれ、女性らしく上品な仕上がりに。その後のリップも美しく発色します。なめらかなタッチで理想のラインも自在に描ける。リップライナー BE320 ¥3,500(コスメデコルテ)

③唇の山と下中央にライン

口角下から唇の輪郭に沿ってラインを描き、指で軽くぼかして丁寧に馴染ませます。口角のくすみを消しながら、唇の輪郭を美しく整えます。肌色に白浮きしない黄み系カラーを選んで。ワンストロークでくすみを目立たなくして、透明感のある肌へと導く。ラディアント タッチ 2¥5,000(イヴ・サンローラン・ボーテ)

④口角を整える

2021年『美ST』1月号掲載 撮影/須藤敬一(人物)、SHINTARO(静物) ヘア・メーク/小林あすか スタイリスト・着付け/秋月洋子 モデル/松田樹里 取材/中井川桂子

美ST