老後までにいくら必要?アラサー女子の「貯蓄」事情
20代を思う存分楽しんでいたら…気づけばアラサーに。でも、思っていたようには人生が進んでいない、 そんな“崖っぷち”にいるあなた! 取材をもとに、人生における「締切り」を設定し、 理想的なライフプランについて考えました。今行動すれば、きっとまだ間に合います。
E・Tさん32歳/アパレル勤務のお悩み
とにかく貯金が苦手。いったいいくらあればこの先、生き延びていけるのでしょうか…?
悩みに答えてくれるのは…風呂内 亜矢さん
ファイナンシャルプランナー 風呂内 亜矢さん
26歳でマンション購入をしたことをきっかけに、お金について勉強を開始。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFPの資格を持ち講演活動も。著書に『デキる女は「抜け目」ない』 (あさ出版)。
35歳の貯金額、理想はいくら?
正社員の場合の平均値ですが、20代前半は年間30万円くらいのペースで、27歳くらいからは年間50万円くらいをコンスタントに勤続年数分貯めるのが理想的です。ただ、途中に結婚や転職で減ったりするものなので、後半は収入が上がったらより貯蓄に励みたいところ。目安としては35歳で500万くらい、“自分が60歳の時に22歳の子供を大学卒業させる”というのを見越すと、マネープラン的には43歳がリミットです。
43歳で1,000万円が目標!
特定不妊治療の助成金が出るリミットも43歳なので、その頃には子供の学費なども考えると1,000万円くらいを持っているのが理想ですね。稼げるのが60歳までだとして、43歳で出産しその歳からあまり稼げない場合、貯金を死守するフェーズに入るためにも1,000万円というのは決して多すぎる数字ではありません。さらに、老後に必要なお金を考えると60歳でリタイアする時には夫婦ふたりで3,000万円、一人なら1,800万円くらいを目安に貯金をしておきたいですね。
平均寿命まで生きるとしたら必要な金額は?
老後の生活費で考えると、一人で月に平均15万円が必要で、平均寿命によると女性は90歳まで生きるとされているので、60歳以降は単純に「30年分の生活費=5,400万円」がかかる計算に。でも、リタイアから厚生年金受給までの5年間は無収入。それなのに生活費だけはかかり、貯金を食いつぶしていくのでこの期間は十分な備えが要ります。そして65歳以降になると(厚生)年金15万円と仮定すれば、使う15万円で収支がトントンにはなりますが、年金受給額は収入により変わり、毎月3万円くらい足が出ることも。90歳までの25年間、毎月3万円を貯金から補う場合は900万円が必要になります。すると60歳の時点で「5年分の生活費900万円+65歳以降の不足900万円=1,800万円」が貯蓄で必要となるわけです。また、介護費用では一人あたり約300万円をみておきたいところ。平均期間は5年と言われているので、介護開始から毎月5万円必要と仮定すれば300万円程度になります。
若いうちから「お金が貯まるシステム」を作っておこう
まだ20代のうちは途方もない金額に思えるかもしれませんが、貯金の最大のコツは「何も考えずにお金が貯まるシステム」を早めに作っておくこと。投資をしたり、給与の上乗せにつながる資格を取得したり、天引き貯金などで毎月の給料から手取り20%程度を機械的に抜くことなどを若いうちにやっておくといいですね。つい支出が多くなりがちな人は、買う時に迷ったら本当に必要かを自分に3回以上聞いて、即決しないことも大事。あとはクレジットカードで分割払いなどにせずに、旅行なども「お金が貯まってから行くもの」と心得て。
30歳前後では旅行用の積み立て貯金に励んだり、おもてなしのためのお金の使い方や高級品の買い方を学んだり、クレジットカードの選定をしたりするにもいい頃。また、マンションは将来絶対に買うのであれば、購入は一年でも早い方が定年までの完済を考えるといいはずです。30歳前後は貯蓄面でもやるべきことがあり、その意味でもとても大事な時期です。
風呂内さんの答え:年平均50万円ペースを維持し、43歳で1050万円の貯蓄を目標に!
取材/田村宜子 再編集/CLASSY.ONLINE ※この記事はCLASSY.2017年2月号の企画を再編集したものです。