STORY世代の人気キャスターが教える「人から共感される話し方」とは?
ママ友や新しい職場、40代なりにコミュニケーションに気を遣う場面というのは多々あります。著書「会話は共感力が9割 気持ちが楽になるコミュニケーションの教科書」(徳間書店)を出版された、フリーキャスターの唐橋ユミさんはそういう場面でどう対処しているのか、お話を伺いしました。
コミュニケーションの本を出版されたのは、何かきっかけがあったのでしょうか。
「6年前に『わたしの空気のつくりかた』という、私が何者であるかという内容の本を出した際に、読者さんから話し方に関する悩みや質問を受けまして、これに関してはいつかしっかりした形でお答えしたいと思っていたのです。2冊目のお声掛けをいただいた時に、読者さんの質問に答えるようなものにしたいなと。身近に悩んでいる友人もいたので、背中を押してあげられる本にしたかったのです。コミュニケーションの教科書とありますが、コミュニケーションには正解はないので、”こういう場面ではこうすべき”という内容ではなくて、私自身がこれまでにお会いした方々とのやり取りを失敗も含めて事例としてあげて、その時に悩んだこと、後悔したこと、どんな対策をして、どんな解消をしたかが書かれています」
40代になっても子供の学校の保護者の方や仕事で「はじめまして」の場面があり、世代や境遇が全然違う人とのコミュニケーションに苦手意識がある人も多いのですが、どうすればうまくいくのでしょうか。
「人はそれぞれ心を開く速度が違うと思うのです。壁を感じる時にはやはり、無理に距離をつめずに様子を見るようにします。私の経験上、悩んでいることとかちょっと失敗した恥ずかしいことを自分が先に話して心を開くとうまくいくことが多いです。相手の情報を引き出す前に自分から提供していくのです。そして、相手の”間”を知ることも大切です。じっくり考えてから話すタイプの方もいるので、待つことで本心を引き出せたという経験もあります」
テレビで拝見していると大御所の方や気難しそうに見えるご年配の方ともうまくやり取りされていますが、コツはありますか。
「収録が終わると『今日も介護お疲れさま(このひとことが失礼すぎるかなと気になっています。違った言葉ですと「きょうも手綱握っておつかれさま」?)』って言われたりします。どう答えたらいいか困りますよね(笑)。失敗や反省もたくさんあります。ただ、自分を良く見せようとせず飾らない自分で臨むようにしています。わからないことや疑問に思ったことは正直に『教えてください』という姿勢でいること。ごまかしはいっさい通用しませんし、わかったふりをして話しているとうわべだけの内容になって深みのある話ができなくなってしまいますからね」
SNS上のコミュニケーションで気をつけていることはありますか。
「LINEの返信が遅いほうなので反省している部分ではあるのですが、スタンプなどは使うようにしまいます。この本を書いている途中からマネージャーからのLINEに笑顔の絵文字やスタンプをが?使われるようになりました(笑)。本の内容が響いたのかもしれません。やはり、文字だけだと冷たい印象になりますよね。スタンプを使うだけで柔らかくなって思いやりが伝わるなと実感しました。必ず気をつけていることとしてはどんなに親しい方でもいきなり本題には入らずに、『こんにちは』などの挨拶からメッセージを始めるようにしています。そして、お礼や感謝の言葉も忘れないようにしています」
お礼の言葉ってつい伝え忘れてしまいますが、著書にもある「サンクスノート」の活用はとても素敵ですね。
「忙しい毎日を過ごしていると、お会いした時に伝えたかったお礼を言い忘れ後悔した事が多々あるのです。それからサンクスノートを作るようにしました。人に何かをいただいたり、お世話になった時に、忘れないようにメモを取って、次にお会いした時にお礼をお伝えしています。些細なことですが大切ですよね」
ファッションもコミュニケーションのひとつだと書かれていましたが、着る服に関しては何か意識をしていますか。
「オシャレはファッションセンスだけが大切なのではなく、相手を思って着る『おもてなし』だと思うようになったら、オシャレに対して、肩の力が抜けました。イベント会場の広さや、ライトのあたり具合、壇上の高さ、ゲストの衣装の色、身長などを考えることも私にとってはオシャレなのです。流行りの着こなしも気になりますが、年配の女性の素敵なファッションは憧れます。グレーヘアの方が真っ赤なリップをしていたり、そんなかっこいい大人のオシャレができるようになりたいですね」
最後に、最近歌手デビューもされた唐橋さん。40代で新しい世界の扉を開けるというのは勇気が必要だったのではないでしょうか。
「歌は苦手なのですが、『イチ押し歌のパラダイス』のラジオで DJをご一緒させていただいている作詞家・売野雅勇さんからお話をいただいて。チャンスをいただけたのはご縁だし、二度と経験できないことをする自分を俯瞰して見て面白がってみようと思ったのです。経験していなければ知ることのできなかった歌ができるまでの過程を垣間見ることができ、視野がぐっと広がりました。私が素敵だなと思う人は歳を重ねてもいろいろな事にチャレンジされてそれを楽しんでいる人。そんな方々の仲間入りをしたいと思っていたのです。これからもご縁があれば、どんどんチャレンジしてきたいなと思っています」
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