山口もえさん「『コロナ発症しちゃった!』まず濃厚接触者に電話を」
「風邪だと思うけど安心のために・・・」とPCR検査を受け「陽性」と連絡を受けてから、あれよあれよという間に入院することになった山口もえさん。2回目は、入院してから保健所とどんなやり取りがあったのかを話していただきました。
山口もえさん独占インタビュー
「新型コロナウイルス感染を経験してママに伝えたいこと」 Vol.2
「私、コロナ発症しちゃったの!」
入院初日は濃厚接触したかも!? な知人に電話をかけました
▶︎前回のインタビューを読む
「風邪だけど安心したいから」、と受けた検査でまさかの陽性と判明!
入院中は、どのような治療と観察が行われたのですか。
3日目くらいまでは、レントゲンで肺の症状のチェックをしたりしました。私の場合は、入院した日に熱が下がっていて症状は軽かったのですが、発症から1週間目くらいから、それまでは症状は軽かったけれど急に症状が重くなる方もいらっしゃるようなので、医師からは入院中は油断をせず体を大事にしましょうと言われていました。まさに夫は、最初は軽症で元気だったけれど、入院後半で38℃前後の熱が続くようになり、入院も長引きました。
もえさんの場合、入院したときは発症何日目と言われたのですか?
保健所の方に「症状が出たのはいつですか?」と質問されたときに「昨日、鼻の奥が痛くて。夜中に熱が出ました」と答えたら、「ではその日が、発症の1日目ですね」と告げられました。その方曰く、発症の前後2日間が最も菌をばらまいてしまう可能性があるということ。「その間に、誰と会いましたか?」という質問から、次は濃厚接触者にあたる人を探していく作業に入りました。
濃厚接触者を探す作業とは、どんなものだったのですか?
熱が出た日を発症1日目として、その前後2日間に、「どこにいて誰と会ったか、何をしていたか」をひたすら思い返していく作業です。「発症当日、病院で偶然知人と会ったんだ! そのときマスクをしていたよね。どれくらい話しをしたかしら。一緒にいるとき、一瞬マスクを外して飲み物を飲んでしまったかも!」・・・などなど、自分が、そして家族みんながそれぞれまわりとどう接していたか、記憶を辿っていきました。保健所の方の話によると、腕の長さの距離(1メートル)でマスクを取った状態、またその距離で飲食をともにする、この状態が15分以上続いた場合が濃厚接触だそうです。1メートル以内で会話をしても換気されている部屋だったかなど、状況によってはマスクをしていれば濃厚接触にはならないようです。そういうことも初めて知りました。とにかく保健所の方との電話で、それぞれの場面で、「部屋の窓は開いていたか」、「何分くらい話したか」、「距離はどれくらいだったか」など、本当に細かい調査が行われました。その前後2日間の調査で、「これは濃厚接触者にあたるかも?」と思われる人については、保健所に連絡先を伝えて、保健所から連絡が入ることになります。
突然に保健所から連絡が入ったら、みんな驚きますね!
はい。だから、友人の連絡先を保健所に伝える前に、事前に「わたし、コロナを発症しちゃったの。濃厚接触者にあたるかもしれないから、ごめんね。保健所の方に連絡先を教えてもいい?」という具合に、電話をしました。ただ、私も夫も発症日前後には仕事が入っていなかったので、仕事関係者との接触はなかったんです。もし仕事とかぶってしまっていたら、とても多くの人に濃厚接触の可能性をさぐり、聞き取りや調査が必要だったかもと考えるとぞっとしました。濃厚接触かどうかの最終的な判断は、聞き取りに基づいて保健所がすることになります。
それはストレスにもなりますね。もえさん自身がどこから感染したかについても、入院中に解明していくのでしょうか。
そのとおりです。それが保健所の仕事になるのです。前後2日間の濃厚接触者を割り出した後に、今度は、自分の感染経路を辿ることになります。感染経路というのは、発症前の10日〜2週間の間を目処に、どこからかかってしまったかを洗い出す作業になります。
「過去2週間の行動をすべて教えてください」と言われるんですが、毎日日記を書いているわけではないので、なかなか思い出せないんですよね。かといって、嘘を言ってしまったらいけないし。だから、一生懸命思い出しながら、とても時間のかかる作業でした。私は症状が軽かったから、こういった毎日の保健所の方とのやり取りもこなすことができたんですが、症状がひどい方は話すこともつらいはずですから、入院の状況は本当に人によって全然違うと思います。
山口もえさんの気づきアドバイス
1.1メートル以内の距離でもマスクをしていれば濃厚接触にはならないことを知りました! どんなときもマスクは必ず着用!
2.発熱した日が発症日。その前後2日に菌をばらまく可能性が高いそうです。
3回目は、新型コロナウイルスにより山口もえさんがメンタルを蝕まれてしまったお話です。
▶︎前回のインタビューを読む
第1回「風邪だけど安心したいから」、と受けた検査でまさかの陽性と判明!
山口もえさん
1977年生まれ。ふわっとした可愛いらしいキャラクターが人気で、世代を超えて愛されている。バラエティ番組やドラマ・映画・CMなどに出演し活躍。中学生、小学生、未就園児の3人の子どものママであり、夫は爆笑問題の田中裕二氏。現在はNHK-E「趣味の園芸やさいの時間」レギュラー出演中。
取材・文/須賀美季 イラスト/コグレチエコ 編集/渋澤しょうこ