「そろそろ赤ちゃんが欲しい」と思ったとき、まずはどんなことから始めたらいいでしょうか?今回は妊活の始め方から妊活中に気をつけることまで、基本的な知識を産婦人科医の尾西先生にお伺いしました。
結婚してしばらくは仕事に力を入れたい、二人の時間を大切にしたいという人も「いつかは赤ちゃんを授かりたい」と考えているなら、今のうちから正しい知識を身につけておきましょう。
教えてくれた専門医
高輪台レディースクリニック 院長 尾西芳子先生
山口大学医学部卒業後、日本赤十字社医療センター産婦人科、済生会中津病院産婦人科などを経て、現在は高輪台レディースクリニック院長。書籍『40歳からの女性の不調とのつきあい方』増補版(洋泉社)などを監修。
何からスタート?妊活の始め方
生理周期と基礎体温を把握する
妊娠を考えたとき、自分の体の状態を知ることは大切。具体的な方法として、まずは生理周期と基礎体温のチェックから始めましょう。
基礎体温をつけていると、生理周期や排卵の状況がわかりやすくなり、市販の排卵日検査薬を使うときの目安にもなって便利です。測り忘れることがあるかもしれませんが、2~3日は測り忘れても気にしなくて大丈夫。女性の健康管理アプリなどを使えば手軽に記録しておけるので、活用するのもおすすめです。
病院で相談する場合にも基礎体温がわかっていると診断しやすくなります。まずは3カ月ぐらい続けてみましょう。
婦人科検診で体の状態をチェック
検診などで産婦人科に行っていない人は、一度受診してみてもいいでしょう。生理不順や生理痛などを相談したり、婦人科検診を受けて子宮や卵巣の状態を診てもらうこともできます。
【婦人科検診を受診するときのQ&A】
- 何を用意する?
⇒基礎体温表(2カ月分くらい) - いつ行くといい?
⇒生理が始まって10~13日くらい - 何をチェックする?
⇒卵子が育っているか、子宮の状態など
「体のチェックやちょっとしたことなど気軽に相談してください」(尾西先生)
妊娠しやすい体になるためにできること
【生活習慣】まずは規則正しい生活を
- 食事の時間や寝る時間、起きる時間をできるだけ同じにする
- 夜型の人は朝型に切りかえられるよう、寝る時間を早める
【食事】バランスの良い食事を
- 一日の中で栄養バランスが偏らないよう調整する
例)お昼がお肉の多い食事だったら、夜は野菜を多めにする、など
すべて手づくりすることは難しくても、全体としてバランスが良くなるよう心がければOK - 妊娠後のことを考えて、赤ちゃんの発育に必要な葉酸をとる
- 飲み物は温かいものを
【冷え対策】体を冷やさないように
女性にとって冷えは大敵。ホルモンは血流にのって体内をめぐるため、体が冷えて血流が悪くなるとホルモンバランスが崩れてしまい、生理不順になることもあります。平熱が低めで35℃台という女性も増えているので体温を上げる工夫を。まずは自分の平熱を知り、日ごろから体を温めるよう意識しましょう。
- 基礎体温を測る
- 湯船につかって体を温める
- 温かい飲み物を飲む
妊活をするときに気を付けること
女性の体はとてもデリケート。たとえば引っ越しをしたり仕事を始めるなど、環境の変化がストレスとなって生理不順になったり、排卵が起こらなくなったりすることもあります。ストレスをなくすことはなかなか難しいと思いますが、赤ちゃんが欲しいと思ったら、無理をしないようにしましょう。
以下のような、気軽にできることで自分なりのストレス解消法を見つけてみてください。
- 音楽を聴く
- アロマテラピーなどでリラックス
- 夫婦の時間を楽しむ
医師がお答え!妊活にまつわるウワサ、本当のところは?
ダイエットはNG?
急激に体重を落とすような過度なダイエットをすると、排卵が止まってしまうこともあります。
ただ、太りすぎもホルモンバランスを崩す要因。BMI※は18~22で保つことが理想とされます。ダイエットは三食をバランスよくとり、間食を控え、運動をするなどしてゆっくり進めていけば大丈夫です。
※BMI=Body Mass Index (肥満指数)のこと。体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}
葉酸をとると妊娠しやすくなるって本当?
実は葉酸と妊娠のしやすさは無関係。葉酸をとったからといって妊娠しやすくなるわけではありません。
葉酸は細胞分裂に作用する栄養素で、胎児の正常な発育には必要なものです。理想的には妊娠の3カ月前ぐらいから摂取するといいといわれています。赤ちゃんのリスクを減らすために大切なので、妊活を始めたら積極的にとるといいでしょう。
妊娠前でもお酒やカフェインはとってはいけない?
お酒やコーヒーそのものがいけないということはありません。
ただ、何でもとりすぎは禁物。飲み会などが多く生活が不規則になったり、遅くまで仕事をして、眠気覚ましに何杯もコーヒーを飲むというような状況は体に影響が出ます。これらの量が増える=生活も不規則になりがちなので注意を。
基礎体温が整っていないと妊娠しにくい?
基礎体温を測ることは大切。まず、自分の生理周期や、きちんと排卵が起こっているかがわかります。
また、生理不順など生理のトラブルを抱えている人や妊娠について産婦人科に相談したい場合にも、診断に活用できます。2~3日測り忘れがあっても大丈夫なので、まずは3カ月ぐらい続けて記録してみてください。
妊活中、心配なときは……
通常、週2~3回避妊をしないで性交渉をすると、1回の周期で2割、半年で約9割の人が妊娠するといわれています。
一般には1年経っても妊娠しない場合は受診を勧めていますが、不安に感じたら、半年ぐらいで受診しても構いません。
また、もし不妊治療に進む場合は、1回数万~数十万円のお金がかかるうえ、体にも負担がかかります。妊娠・出産について夫婦でしっかり話し合って、妊活に取り組んでください。
編集部が選んだキーアイテム
排卵日を約1日前に予測します
尿を2秒かけるだけで、最も妊娠しやすい時期である排卵日が約1日前にわかる排卵日予測検査薬。判定時間が5分なので、スピーディに検査できます。判定ラインが見やすく、検査結果がわかりやすいのがうれしい。
基礎体温を測る習慣をつけて妊活をサポート
わずか10秒で予測検温。忙しい朝の検温の負担を減らします。基礎体温アプリ「ラルーン」「ルナルナ 体温ノート」との連携で体温管理もさらに便利に。
食事だけではとりにくい大切な栄養素
葉酸はビタミンB群の一種。おなかの赤ちゃんの発育に重要といわれています。葉物野菜やレバーに多く含まれていますが、食事だけではとりにくいうえ、調理中に失われやすいという特徴も。サプリメントを活用して上手に摂取して。
葉酸と不足しがちな鉄分が一緒にとれる
鉄分を1日分3粒で6㎎補えるのに加え、葉酸も配合。植物性ツイントースで鉄の吸収も高めた、女性に嬉しい配合です。
忙しいときは、お手軽で安心安全なひと品を
調理に手間がかかる魚を無添加で調理。そのままでもアレンジしても手軽に食べられます。
やわらかい灯りと癒しの香りで心を和ませて
フロストガラス越しの優しい灯りで心を和ませてくれるアロマディフューザー。細かいミストでエッセンシャルオイルの香りが広がり、部屋をリラックスできる空間にしてくれます。ぬくもりのある木目部分のカラーバリエーションは、他に「ダークブラウン」「アンティークホワイト」も。インテリアに合わせて選べます。
アロマテラピーでリラックス
緊張やストレスを感じるときは、アロマでゆったりした時間を過ごすのもおすすめ。寝る前のちょっとした時間に、アロマディフューザーやアロマランプなどにエッセンシャルオイルを入れて、香りでリラックスしてみては。
※紹介している商品の価格はすべて税抜きです。商品情報は2020年12月時点のものとなります。
【こちらの記事もおすすめ!】
【専門医がアドバイス】2人目の妊活で気をつけるべきことは?
取材・文/岡部礼子 構成/Mart編集部
2017年1月号、10月号
カラダの疑問に答えます より再構成