「Still 2gether」で萌えと多幸感に溺れたい|辛酸なめ子の「おうちで楽しむ」イケメン2020 vol.13

全世界にBLブームを巻き起こしたタイのBLドラマ「2gether」のスピンオフシリーズ、「Still 2gether」がついに日本でも放送スタート! 本編の1年後という設定で、主演の「サラタイ」のイケメンぶり、イチャつきぶり、萌え要素盛り込みぶり、すべてパワーアップした今作の魅力について、辛酸さんに再び熱く語って頂きました!

萌えと幸福感で仕事が手につかない…「Stiill 2gether」の世界

タイBLファンに朗報です☆「SOTUS」「2gether」などを制作したGMM TVの社長が、「2gether」の大成功を受けて来年はBLの作品数を2倍にする(年6作品予定)と発表したそうです。もちろんGMM TVはBL以外のドラマや番組も制作している会社ですが、やはり今一番熱いのはBLコンテンツ。来年もタイが萌えの熱水噴出孔として全地球に影響を及ぼしていくことでしょう。来年は供給量が倍増でますます仕事が手につかなくなると覚悟したほうが良さそうです。ちなみにANN(テレビ朝日がついにGMM TVと業務提携!)のニュースに「2gether」主演のBrightとWinが登場し、日本人のインタビュアーの質問に答えていたのですが「ドラマの人気の理由は?」と聞かれて、「考えたことなかった」と前置きしながらも「僕たちが可愛いからじゃない?」と笑顔で言い放っていたBright。おっしゃる通りです。
日本では「Rakuten TV」や「WOWOW」で配信・放送されてブレイク中の「2gether」には、さらに萌え濃度が高まった続編の「Still 2gether」が5話もあります。今月から「WOWOW」で順次放送予定ですが、この作品には幸福感しかありません……。「2gether」本編では、付き合う前後のサラワットとタインが描かれています。オネエ系のグリーンの猛アプローチに困ったタインが、学校一のイケメンのサラワットに偽の彼氏になってもらい自分の身を守ろうとする、というところから話はスタート。最初、偽の彼氏だったサラワットが本気でタインを口説きだし、数々のエモい告白、そして青春の象徴であるサークル活動や、人気バンド「Scrubb」のコンサートを経て距離が縮まった2人。元カノの乱入や、別の先輩からのアプローチで一瞬関係が危うくなるものの、晴れてカップルになる、というあらすじでした。しかしサラワットの元カノが現れ、2人が抱き合っているのをタインが目撃して号泣、という流れは辛すぎて、周りでも12話を見るのには勇気がいる、という声が多かったです。
でもご安心ください。続編にはそんな辛い展開はありません。というか、たいして辛くないことなのにタインがまた思い悩んで泣いたりするシーンがありますが、それが最大の萌えの見せ場になっています。大人になると、人生にはキツい試練が度々訪れます。それに比べたら、タイの大学という箱庭のようなサンクチュアリで起きているトラブルなんて問題のうちには入らないように思います。サークルの部室の騒音問題とか合宿で離ればなれになるとか、洗濯物が裏返っていないとか……。そんな些細なことでケンカしたり悩んだりしている登場人物の姿が愛おしく、自分にもこんなピュアな時代がかつてあったのかもしれない、と視聴者の胸を熱くさせます。
「Still 2gether」の萌えトピックをいくつかお伝えさせていただくと……

萌えトピック1 「匂わせ」レベルがアップ

(C)GMMTV Company Limited

2人の同棲部屋には最近のBL映画の中でも最も評価の高い「君の名前で僕を呼んで」の大きなポスターが貼られていて、作中やたら目に入ってきます。この映画に描かれていたような、美青年同士の美しく激しいラブシーンがサラワットとタインの間にもあることを想起させます。
夜の生活そのものは描かれていないのですが、会話で匂わせるシーンにドキドキします。例えば、悩みごとがあってなかなか寝付けないタインをサラワットが寝かしつけようとして「今夜は安全だ」と優しく語りかけるのですが、サラワットがタインの背後にぴったりくっついて寝て、タインは「安全って言ったのに」と発言。2人の密着している部分の体に何か変化があったのかと妄想をかき立てます。
また、細かいことですが2人が同棲している部屋番号は414号室。この数字が意味ありげに出てくるのも気になっています。2020年4月14日にはBrightとWinがそれぞれツーショット写真をアップしていますが、何かの記念日だったのでしょうか……。この謎を調べたくて、タイの人のツイートを見ていたら、414という数字には「愛・信頼・新たな始まり」という意味があるそうで、合計12の数字で割り切れるという特別な数だそうです。12はサッカーのユニフォームの背番号でもあり、2人にとって意味がある数字です。など、細かい匂わせが気になってくると仕事が手につきません

萌えトピック2 BrightWinとの境界が曖昧に……

(C)GMMTV Company Limited

部屋に飾ってある2人の写真は、役を演じている時ではなく、BrightとWinとしてのプライベート写真が混ざっています。また、タインの誕生日にサラワットが2人をかたどった人形をプレゼントするのですが、公式ではその人形は「BRIGHT-WIN PLUSH DOLL」という名前になって売られていました。サラワットとタインはほぼ=BrightWinなのでは?と思えてきます。

萌えトピック3 美しさが神がかっている2人

(C)GMMTV Company Limited

本編でも十分イケメンでしたが、愛を実感することで続編での2人はますます磨きがかかっていてイケ散らかしています。指切りのシーン、おまじないのシーン、演奏シーンなど、網膜に焼き付けたい美しい場面ばかり。サラワットが部活の重圧で不安になるタインに「どうか俺の恋人がうまくやれますように。サートゥ」とおまじないをかけるシーンがあるのですが、仏教用語である「サートゥ」という言葉がこのドラマをきっかけに流行ってほしいくらいです。

萌えトピック4 イチャつきシーンが麻薬のよう

(C)GMMTV Company Limited

ある朝は、「洗顔まだだろ」とサラワットがタインの顔に洗顔クリームを塗り、「歯磨きは?」とタインが歯磨き粉まみれの口でサラワットの首筋にキスすると、「そこは首だ」とサラワット……。また別の日は、なかなか就寝しないタインに「寝るか、落ちるまでキスするか」とサラワットが言うと、「一年以上それを聞いてるけどまだ落ちたことがない」と挑発するタイン。こんな感じでイチャつきまくる日常が繰り広げられています。タインがシャワーを浴びに行きながら「スクラブか、 俺の背中をスクラブするか選んで」とサラワットを挑発するシーンも。バンド「Scrubb」はカップルのダシにされていいのでしょうか……とちょっと心配になりますが、写真を見る限り良い人そうで、多分許してくれそうです。後半、道の反対側で離れながらも顔だけでイチャつくシーンも見どころです。2人のラブラブシーンはアドリブも入っていそうで、どこがアドリブか想像するのも楽しいです。キスの後の驚きの表情がポイント。
サラワットとタインだけでなくサブカップルも一緒にシャワーを浴びたり、頭ポンのシーンなどが出てきて萌えに暇がありません。

萌えトピック5 遠距離で思いを募らせる2人 

(C)GMMTV Company Limited

続編のクライマックスは、サラワットが軽音部の合宿でディム先輩の家に泊まり込みで2週間も合宿に行くことになり、2人が離ればなれになってしまうという展開。「2週間もだよ~」とタインは永久の別れかと思うくらい淋しがり、夜ひとりでサラワット人形に話しかけて号泣し、サラワットの幻覚を見たりします(Winの演技力が極まっていました) 。サラワットはサラワットでタインの生霊とベッドで抱き合ったり……。心からお互いのことが大好きなのが伝わってきて感動します。でも遠距離で辛いとか言ってますが、サトーンとラープーラオ間は約25キロ、車で45分の距離でした。東京の千代田区からだと浦和、府中、越谷、船橋、川崎あたりで普通に通勤・通学圏内です。「愛の不時着」の北朝鮮と韓国の距離に比べると全然、遠距離のうちに入りませんが、2人は少しの距離でも離れたくないのでしょう。「2gether」本編ではサラワットのアプローチをあしらっていたタインが、「Stiill~」ではサラワットと少し離れるだけでも泣いてしまうなんて、その変化にも胸が熱くなります。サラワットは、そんなタインを愛おしそうに見つめているのでした。

多幸感があふれて、何度でも観たくなる「Still 2gether」。観た後は幸せの余韻で脳髄が痺れ、しばらく仕事や学業が手につかなくなってしまうかもしれませんが、愛のパワーを補給して、さらに活力が高まっていることでしょう。GMM TV様には来年も引き続き生きる希望をよろしくお願いいたします。

超話題のタイBLドラマ「2gether」のスピンオフが日本でも放送開始!

「Still 2gether」

(C)GMMTV Company Limited

タイBLドラマブームを牽引する⼤ヒット作品「2gether」のスピンオフ特別編「Stiill  2gether」がついに日本でもWOWOWで放送スタート! 舞台は「2gether」の1年後、⼤学2年⽣になったサラワットとタイン、2⼈の前に⽴ちはだかる最⼤の危機を描く。世界中で大人気の主演の2人、「サラタイ」はもちろん、「2gether」の⼈気キャラクターたちも登場。タイBLドラマブームを盛り上げる2⼈が繰り広げる胸キュンラブストーリーに、再び沼落ちすること確実です。
●WOWOWにて12月10日(木)より毎週木曜深夜0:00~放送開始<全5話・第1話無料放送>

辛酸なめ子
イケメンや海外セレブから政治ネタ、スピリチュアル系まで、幅広いジャンルについてのユニークな批評とイラストが支持を集め、著書も多数。近著は「スピリチュアル系のトリセツ」(平凡社)、「辛酸なめ子の世界恋愛文学全集」(祥伝社文庫)、「女子校礼賛」(中公新書ラクレ)など。

撮影(辛酸さん)/村山元一(SIGNO) 構成/CLASSY.編集部