産後半年間カラーリングに行けなくてもOKな髪の作り方
【産後のヘアは私次第!】vol.1
出産後、赤ちゃんとの生活が始まるとなかなかいままで通りに行けない場所の1つがヘアサロン。
中には半年行けなかったという人もいて、「カラーができないのがストレスだった」という声も! そこで、自身も子育て中の人気美容師、SPADICの大久保裕美子さんに産後のカラー事情について、お伺いしてみました。
たとえ半年サロンに行けなくても、“いい感じ”のカラーをキープできる! そんな産前カラーを教えてもらいました。
■出産前に、髪を切る人は減っています
「最近は、ドライヤーなどが劇的に進化していることも関係しているのか、子育てに備えて出産前に髪を切る、という人は少なくなっているように思います。それと同時にカラーも、サロンに行けないから仕方なくもとの黒髪に戻すというよりは、お客様の好みのカラー、似合うカラーをテクニックを工夫して楽しんでもらえるように提案しています」
■妊婦さんのカラーリングのパターンはおおむねこの3つに分けられます
この際、地毛を生かしたカラーに戻したい 『黒髪スライド型』
黒髪は私に似合わない、どんな時もカラーを楽しみたい『カラー継続型』
白髪があるからカラーリングは欠かせない 『白髪ケア型』
「この3つのタイプの要望がサロンでは多く、『黒髪スライド型』の方には、細かいハイライトテクやラベンダーアッシュカラーで、自毛になじみやすいカラーリングを、『カラー継続型』の方には、イヤリングカラーやグラデーションテクで、地毛が伸びても気にならず色味が楽しめるカラーリングを、『白髪ケア型』の方には、ホームケアキットやアルカリカラーで薄く染めて伸びてきた白髪が目立ち過ぎない方法を提案しています。
産前ケアとして、みなさんカットにばかり気を取られてカラーのケアを忘れがちですが、実はサロンに行けなくて一番ケアに困るのがカラーリングです」
■この際、地毛を生かしたカラーに戻したい『黒髪スライド型』
「突然黒髪に戻してしまうと、顔がくすんで見えたりウィッグのように重たい質感になってしまうので、段階を踏んで、表面に極細のハイライトを細かくいれていく方法をおすすめしています。ハイライトが細かいので、地毛となじみ、根元が伸びてきてもカラーの差がでないのがこのカラーリングの特徴。伸ばせば伸ばすほど、明るい部分が減っていき、最終的には、自分の本来の髪色に戻すことができます。また、黒染めをしないので、「やっぱり明るくしたい! 」と気が変わった時でも方向転換が可能! 元の髪色がかなり明るい方は、一度ラベンダーアッシュにカラーリングするなどして、トーンダウンしてから、ハイライトをいれるのが◎。何か月もカラーをしなくても黄味が出ず、オレンジ色に退色するのを防げます」
【黒髪スライド型】カラー例1
超極細ハイライトカラーを入れています。伸びれば伸びるほど自毛と自然に馴染みます。
【黒髪スライド型】カラー例2
6レベルのラベンダーアッシュを全体に。表面には細かく9レベルのハイライトを入れています。
■黒髪は私に似合わない、どんな時もカラーを楽しみたい『カラー継続型』
「常にカラーリングはしていたいカジュアルテイストの方におすすめしているのは、トレンドのインナーカラー(イヤリングカラー)。表面は根本が伸びてきてもわからないぐらいのダークトーンのラベンダーアッシュにし、襟足と顔回りの髪の内側だけ、太目のベージュ系のハイライトをいれてまるでイヤリングのようにアクセントをつけるカラーリングテクニックです。子育て中は、髪を結ぶ機会が増えると思いますが、このカラーリングは髪を結んだ時に本領を発揮! ハイライトが強調されて、カジュアルな印象に。普段おろしていると落ち着いた印象なので、2つの表情を楽しめるところも魅力的なカラーです。産後とは関係ないのですが、リモートワークが増えた今、髪をおろしていればハイライトが目立たないので、実は人気急上昇しているカラーリングです」
【カラー継続型】カラー例1
カジュアル派には、内側をさりげなく明るくしたイヤリングカラーがイチオシです。
【カラー継続型】カラー例2
表面は6~7レベルのラベンダーアッシュ。耳の後ろに厚めに、10~15レベルのベージュ系のハイライトを入れています。
「また、根元はほぼ地毛、毛先に向かって明るくなるようにカラーリングするグラデーションカラーもおすすめ。
根元と、中間~毛先の色を変え、細かくハイライトをいれることで、色の差をぼかしていきます。長さがある方がより自然にグラデーションにできるので、ロングヘアのコンサバさんにぴったりのカラー。
根元の髪が暗くても、毛先は明るいので顔がくすんだり、重たい印象になることもなく、あくまでも自然なので、コンサバファッションともマッチします。
もちろん、髪が伸びてきても根元が目立つことはなく、半年なら余裕で乗り越えられます!」
【カラー継続型】カラー例3
コンサバ派は、毛先に向かって明るくなるナチュラルグラデーションに
【カラー継続型】カラー例4
根元はアッシュ系の7レベル、中間~毛先はナチュラルブラウン系の9レベルにし、13レベルのナチュラルブラウン系のハイライトを細かくON
■白髪があるからカラーリングは欠かせない『白髪ケア型』
「カラーをしてから3週間もすると目立ち始めてしまう生え際などの白髪。頻繁にサロンに行けない方には、2つの方法を提案しています。
1つは、部分的に白髪染めができるサロン専売品のキットで、自宅でセルフカラーリングをしてもらう方法。ミルボンから発売されている「オルディーブ ソーディル インターバルリケア」は、サロンで購入できる自宅用の部分用白髪染め。サロンで扱っているカラーを自宅でするので、きれいに染まり、全体を染めるわけではないので、失敗しづらい手軽な救世主です」
自宅で使える救世主アイテムで部分的にセルフカラー。オルディーブ ソーディル インターバルリケア¥1,980(ミルボン)
「2つめの方法は、白髪染め用のカラーリング剤は使わず、アルカリカラーであわ~くカラーリングする方法。
白髪染めで全体をしっかり染めてしまうと、白髪が生えてきた時に境目がくっきり目立ってしまうので、白髪染めではなく、普通のアルカリカラーで全体を淡く染める方法もおすすめです。白髪にほんのり色がのるぐらいがベスト。
更に、細かくハイライトをいれておくと、褪色した時に白髪となじみやすい嬉しい効果が。白髪には真っ白な白髪と黄みがかった白髪の2種類があり、真っ白な白髪には色が抜けても目立たないアッシュ系のカラー、黄みがかった白髪はベージュ系に染めるとなじみがいいのでおすすめです。また、モードなテイストな方や、産休限定のカラーを楽しみたいという方は、細かくハイライトをいれ金髪に見えるぐらいのハイトーンにするカラーリングも、伸ばしっぱなしにしても白髪が気になりにくいです」
【白髪ケア型】カラー例1
真っ白な白髪に13レベルのハイライト、10レベルのアッシュ系アルカリカラーでカラーリング。
【白髪ケア型】カラー例2
黄みがかった白髪に13レベルのハイライト、10レベルのアッシュ系アルカリカラーでカラーリング。
今は、カラーリングのテクニックが進化し、数ヶ月サロンに行けなくても、ストレスなく「私らしい」カラーをキープできるはず。是非試してみて下さいね。
取材・文/味澤彩子
教えてくれたのは…
大久保裕美子さん ディレクター
4歳と8ヵ月の女のコママ。出産の経験から、産後ママの悩みを理解し、ママに寄り添ったカットやケア法を熟知。カジュアルからコンサバまで幅広いテイストの方から支持されています。
SPADIC
丁寧な施術と、トリートメントやスパなども定評があるヘアサロン。有名人の顧客も多く、自分だけの特別な時間を体験できます。大阪店が、去年オープン!