ミラノ直送 SNAP! ミラネーゼが着こなす『大人のユニクロ』

昨年秋にイタリア初の店舗がオープンして以来、ミラネーゼの間でもユニクロが人気になっています。お馴染みのユニクロアイテムをミラネーゼはどう着こなしているのか? ミラノ在住のスタイリスト栗原登志恵さんとともに行った、現地スナップから紐解いてみました。

目次 ★ミラノ在住・スタイリスト栗原登志恵さん「ユニクロの服は世界の共通言語」
★style1:“アズーロ×マローネ”で作る新鮮な男前スタイル
★style2:“オールブラック+ラグジュアリー小物”で女前カジュアル
★style3:顔まわり華やぐ“差し色スカーフ”
★style4:Tシャツ感覚で着“る秋色ニット”
★ミラネーゼのルールを「馴染ませて」「ユルく」着るのがSTORY流!

 


★ミラノ在住・スタイリスト栗原登志恵さん「ユニクロの服は世界の共通言語」

スタイリスト・栗原登志恵さん CLASSY.やSTORYで表紙スタイリングを担当していた人気スタイリスト。イタリア人のご主人との結婚以来ミラノと東京を行き来。現在はミラノとアッシジが生活の中心。

昨年秋のオープン以来、ユニクロはシンプルなデザインが多いので『自分の個性を生かした着こなしができる服』とイタリア人の間でも人気になっています

特にニットやダウン、シャツなどはハイクオリティなのにお値段が手頃なのでリピート買いをしている方が多いようです。STORY読者の方がミラネーゼ流にユニクロを着こなすならば、全身にひとつでいいのでタイトフィットなアイテムを取り入れるのがオススメ

今までとは違った女性らしいシルエットが生まれて、新鮮なユニクロの着こなしになると思います。(栗原さん)

 


★style1:“アズーロ×マローネ”で作る新鮮な男前スタイル

「メンズでは定番の色合わせアズーロ(紺)とマローネ(茶色)をミラネーゼは意識して取り入れています。程よいコンサバ感とメンズライクな着こなしでユニクロを新鮮に」(栗原さん)

ユニクロのニットはカラー豊富なので、グラデーションがつけやすいのが魅力

コミュニケーションオフィス経営 ステファニー・ラッレさん(38歳)
“ロロ・ピアーナのコートにユニクロのニットを合わせました。ユニクロのニットはカラーバリエーションが豊富なので、手持ちの服とトーンを合わせられるのがいいんです。目立たない程度に遊びを加えるため、グッチのモカシンとスカーフで差し色をしてみました。”

    コートを脱いだら袖をたくし上げて抜け感を。
    ジュエリーはゴールドをセレクトして同系色のツヤ感をプラス。
    • メンズライクな色合わせに赤を効かせて、女性らしさを演出しているのがどんな時も女を忘れないミラネーゼらしさ。ロロ・ピアーナのコートと合わせてもユニクロのニットの素材感は見劣りなし!

ユニクロダウンのファン!迷わずマローネカラーをセレクト

食品会社、就職サポート会社経営 イラリア・チェッキーニさん(40歳)
“シンプルでどんなコーディネートにも似合うユニクロダウンのファン。自然界にある色の組合わせが好きなので、アズーロ×マローネはよく取り入れています。今日はパンツと靴の色を合わせて脚長効果も狙いました。”

深いブラウンのダウンのインナーには薄手ブラウスを合わせているので柔らかな印象に。胸元には旅先で購入したというカラーネックレスにポメラートを重ねづけして華やかに。

上下ユニクロのカジュアルも、男前な色合わせならシックに

新聞社勤務 デジタルデザインディレクター ラウラ・カッターネオさん(41歳)
“パーカとスカートがユニクロ。足元はタイツとバンズのスニーカーの色を合わせてすっきり見えるように。バッグはアルファインダストリーズ。迷彩柄はアズーロ×マローネの着こなしに馴染んでくれるので、よく取り入れています。”

女っぽさが過剰になりがちなタイトスカートもアズーロ×マローネの着こなしならさりげなく。ともに濃いめの色を選んで、大人カジュアルに仕上げているのもさすがです。

 


★style2:“オールブラック+ラグジュアリー小物”で女前カジュアル

「黒はミラネーゼに一番人気のカラー。オールブラックにする時にはバッグや靴まで徹底的に黒でまとめるのが最近のミラネーゼの特徴です。イタリアは昼夜の服の区別がはっきりしていて昼のスタイルはカジュアルが大前提。そんな時ユニクロ頼りになるようです」(栗原さん)

女らしさを引き出してくれる、タイトなユニクロニット

弁護士 ジーエン・ベナラファさん(38歳)
“ヘアスタイルにボリュームがあるので服はタイトなシルエットでまとめるようにしています。黒のユニクロニットは体に程よくフィットするリブがストレスフリーの着心地。靴は最近注目しているレースアップシューズを合わせました。”

さりげなく見えるけれど、全て素材感の違う黒を合わせているかなりのオシャレ上級者。バッグはエルメスのバーキン、靴はトリッカーズ、時計はカシオ、ブレスはモロッコ土産。

オールブラックには、ジュエリーでラグジュアリー感を

ジュエリーブランド勤務 ダニエラ・ボンピエリさん(42歳)
“ニットとデニムがユニクロです。ユニクロはサイズバリエーションが豊富なので小柄な私でもジャストフィットが見つかるのが嬉しい。ジュエリーは小さめで華奢なデザインを重ねてボリューム感を出すのが私らしさです。”

    • 合わせたジュエリーはネックレスと左手のリングがサルヴィーニ、右手がダミアーニ、バッグはドルチェ&ガッバーナと全てイタリアブランドでまとめているのにミラノ愛を感じました。サルヴィーニはダミアーニグループのジュエリーブランドでミラネーゼに人気だそう。

ユニクロフリースはミニドレスでシャープなイメージに

コミュニケーションマネージャー マルゲリータ・サイナギさん(41歳)
“トータルブラックの時には必ずテイストの違う素材を合わせて、着こなしに奥行きが出るようにしています。足元はハイブランドの揃うミラノの靴のセレクトショップ・ヴィルジリオのオリジナルです。冬までは素足で着こなします。”

ミラネーゼ=スジ足というイメージが健在なことを教えてくれたダニエラさん。フリースは柔らかいイメージなのでタイトフィットを選んで、ハードなアイテムと合わせるのも新鮮でした。

 


★style3:顔まわり華やぐ“差し色スカーフ”

「シンプルなユニクロ服のミラネーゼ風のアクセントにはスカーフが大活躍。顔まわりが華やかになって今年らしさや自分らしさがプラスされます」(栗原さん)

ユニクロフリースとスカーフの色をリンクさせて

文化・芸術財団勤務 フランチェスカ・レゴルダさん(30歳)
“ユニクロのフリースやニットはシンプルなデザインなので、スカーフでワンポイント加えて自分らしく着こなします。”

足元はトリッカーズのブーツを合わせてメンズライク、重めにまとめているのが今冬らしく見えるポイント。

ユニクロパーカの白コーデにチェック柄で遊び心を

文化・芸術財団勤務 フランチェスカ・レゴルダさん(30歳)
“スカーフとトップスの色の一部をリンクさせておくと、全身がまとまって見えるんです。”

白のミニドレスはMIU MIU、バッグはプラダのヴィンテージ、スカーフはともに日本でもお馴染みのBEGG&CO。

白のユニクロダウンにはスカーフを差し色に

オペレーションマネージャー イレーネ・マウジェリさん(36歳)
“ミラノでは黒ダウンを着ている人が多いので、あえて白を選びました。ユニクロは値段も手頃なので薄い色でも躊躇しないで手に入れられます。ダウンにボリュームがあるのでインナーはタイトフィットなニットをセレクト。スカーフはエルメスです。”

    • 膨張して見えがちな白ダウンも鮮やかな色のスカーフを投入することで引き締まって見せています。スカーフは目線が上にいくのもポイント。黒のバッグはトスカーナの職人さんによる手作り。

 


★style4:Tシャツ感覚で着“る秋色ニット”

「昨秋のオープン時に50色のカシミアニットを販売したのでカラーニットは人気高。今秋はこっくりとした深みのあるカラーがミラノでも注目です」(栗原さん)

柿色ニットは同系色のスカーフでさらなる深みを

アパレル勤務 ナディア・ラギさん(48歳)
“ボトムスがワイドなので、トップスはフィット感のあるデザインを。トーン オン トーンで着こなす時は、差し色としてカラフルな小物を合わせます。スカーフはエルメス、バッグはドルチェ&ガッバーナ、靴はシルヴァノ・サセッティ。”

昨秋オープン時に購入したブラウンのコーデュロイワイドパンツに合わせて、今秋に選んだのが柿色ニット。コントラストが強くても同系色なのでエレガント感があります。

パープルニットは寒色系でクールにまとめて

ピラティス、ダンス講師、ダンサー サブリナ・サルトリさん(47歳)
“仕事柄、普段からカジュアルでスポーティなスタイルがほとんど。パープルのニットは顔映りが良く見えたので選びました。秋はTシャツ感覚で1枚で、冬になったらインナーにブラウスを合わせて着こなしたいと思っています。”

パープルを主役に全身を寒色系でまとめたスタイル。コーラルブルーのリュックもデニムのブルーがつなぎ役になって、しっくりと馴染んでいます。スニーカーはウォーキング用にデザインされたという、デカトロン。バッグはミラネーゼの間ではポピュラーなブランド、ティベリオ・フェレッティ。

 


★ミラネーゼのルールを「馴染ませて」「ユルく」着るのがSTORY流!

日本とはひと味違ったミラネーゼのユニクロの着こなし。STORY流に取り入れるならば色のコントラストは「馴染ませて」「ユルめのシルエット」で着こなすのがコツ。その正解コーディネートがこちらです。

<POINT1 アズーロ×マローネ>

柔らかなコントラストと素材感で女らしくしなやかに

●ここがSTORY流!● ネイビーとブラウンのコントラストをつけすぎず、2色を馴染ませて。両方とも柔らかな素材を選んで女っぽく。

カラーのコントラストを弱めに。トップスはネイビーで引き締め、スカートが同系色の明るめブルーを。

ボアフリースカーディガン¥2,990タートルネックニット¥2,990(ともにユニクロ)スカート¥38,000(テラ/ティースクエア プレスルーム) バッグ¥28,000(ヴァジック/ヴァジックジャパン) ブーツ¥24,000(ダイアナ/ダイアナ 銀座本店) ネックレス¥14,000(ソコ/ZUTTOHOLIC) バングル¥4,773(アビステ)

<POINT2 オールブラック×ラグジュアリー小物>

ニットとレザー、質感の違う黒を重ねれば着こなしに立体感が

●ここがSTORY流!● オールブラックはトレンドのレザーパンツなどで辛口にすると大人なスタイルに。パンツはユルめなシルエットが今年らしい。

ニットのマット、レザーパンツのツヤと2つの質感を対比させることで全身黒の着こなしをドラマティックに。

ニット¥2,990(ユニクロ) レザーパンツ¥75,000(イウエン マトフ/イウエン マトフ 横浜店) バッグ¥226,000 靴¥94,000(ともにクリスチャン ルブタン/クリスチャンルブタン ジャパン) パールネックレス¥356,000(チェリーブラウン) ブレスレット¥10,000(ウノアエレ/ウノアエレ ジャパン)

<POINT3 顔まわり差し色>

パープル多めの大人チェックで顔色を明るく見せて

●ここがSTORY流!● 全面がヴィヴィッドなストールではなく、一部に色が入ったものを選べば顔色と馴染んで、絶妙な存在感が生まれます。

ストールは顔まわりにパープルがくるように巻き方を加減。デニムはボーイフレンドシルエットをセレクトして。パンプスを合わせてスタイルアップ。

ストール¥72,000(ベグ アンド コー/ボーダレス) ロングシャツ¥1,990デニムパンツ¥3,990(ともにユニクロ) バッグ¥3,990(MANGO/ロコンド) パンプス¥44,000(ネブローニ/フラッパーズ) バングル¥17,000(ワンエーアールバイウノアエレ/ウノアエレ ジャパン)

<POINT4 秋色ニット>

明るい色のニットはワントーンコーデにすれば浮かずに馴染みます

●ここがSTORY流!● ニットの色が浮かないように、同系色のボトムス、小物を合わせて。ワントーンで着こなすとオシャレ感がぐっとアップ。

ニット¥2,990(ユニクロ) パンツ¥25,000(サクラ/インターリブ) ストラップ付き携帯ケース¥12,000(BANDOLIER/BANDOLIER お問い合わせ先フォーム) バッグ¥49,000(モダン ウィーヴィング/エスケーパーズオンライン) バレエシューズ¥26,000(プリティ・バレリーナ/F.E.N.) サングラス¥52,000(アイヴァン 7285/アイヴァン 7285 トウキョウ) バングル¥15,000(ジュエッテ)

撮影/ステファノ・トゥリウルツィ〈人物〉、魚地武大(TENT)〈商品〉 スタイリスト(P.177)/MaiKo yoshida コーディネーター/田中美貴 取材・文/安西繁美 ※情報は2020年11月号掲載時のものです。

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