もしも私が倒れたら……その時、どうする? 家事・育児・お金のこと etc.

自粛期間中、夫や子供たちが家でダラダラと過ごしている一方で、「自分は?」というと前より家事が忙しくなっている……。「もしも倒れたら……」と考えて、不安や心配を感じたことはたくさんあるのだけれど、そのために何か備えているかといえば、そうでもないという人が多い現状。

実際に倒れたことがある方や、40代読者の方々のご意見、専門家にアドバイスなどを公開します!

目次 【読者アンケート】もし倒れたとしたら、気になることは何ですか?
【読者アンケート】倒れた時に役立ったこと&備えていること
【体験談】私、倒れたことがあります
【対策1】“お金のことやその後の暮らし”が心配です
【対策2】“子供の世話や家事”が不安です

 


【アンケート】もし倒れたとしたら、気になることは何ですか?

 


【読者アンケート】倒れた時に役立ったこと&備えていること

・印鑑、通帳、保険証、カードなどは家族で置き場所を共有(38歳・主婦)
・毎日の通勤カバンにも緊急連絡先を書いたヘルプマークをつけている(45歳・郵便局勤務)
・緊急時用に少額のお金を準備し、何かあったら使えるように保管場所を子供に伝えました(45歳・美容会社経営)
・普段から学校、習い事のことは子供に自分で準備させる(41歳・主婦)
・家電の使い方を子供に指導している。いざという時の救急車の呼び方をリビングに貼っている(47歳・歯科衛生士)
・得た教訓は「遠くの親戚より、近くの友人が頼りになる」です(41歳・主婦)
・冷蔵庫に栄養ゼリードリンクなどを常備しておいたほうがいいと思った(41歳・ライター)

 


【体験談】私、倒れたことがあります

倒れたというほど大げさではないのですが、次男の出産が3カ月も早くなり、急遽入院することになりました。全く予期せぬ事態。長男は幼稚園児だったので、実家の母親にお願いしましたが、幼稚園バス、子供の通院、寝る時間、起こす時間、食べ物の好き嫌い、など母親に伝えることが想像以上に多くて、病院のベッドで徹夜でメモしていました。とにかく子供のことで頭がいっぱいでパニック。幼稚園への連絡はママ友に頼み、お弁当もママ友が作ってくれました。(45歳・医療関係勤務・青木里美さん)
今年3月に転倒し、靱帯断裂で救急搬送。主人は出張中、子供の帰宅時間と重なりパニックに。幸い、お隣さんがファミリーサポートの受け手をされていて、当日は偶然にも空いていらして娘のケアを頼むことができました。松葉杖生活が始まり、食事を作るのもツラい状態がしばらく続きましたが、マンションの友人たちがランチや夕飯の差し入れ、必要な物の買い出し、子供の預かりをしてくれたので大変助かりました。親が近くにいないので、やはり近所の方々との付き合いの大切さを改めて感じました。(45歳・美容会社経営・星川亜希子さん)
昨年6月、夫が海外単身赴任中に私が急性腎盂炎に。入院を勧められたが、家のこともあるので断り、40度の熱があるなか毎日クルマで通院して点滴を打ち続けました。ちょうど保育園の手続きで就労証明や夫の税金関係の書類などを揃えないといけない時期と重なったので大変でした。また、小学校1年生の息子には「歯磨きチェックで色を塗っておうちの人の感想を書く」という宿題や「おはしチェック」といった生活習慣チェックがあったのですが、それらもしっかりと見きれずにしんどかったです。小学校の『水着の名札付け』は妹に手を借りました。(38歳・カメラマン・山本友来さん)
夫の転勤で大阪に住んでいたときに、倒れて入院した経験があります。周りに頼れる人がおらず、夫も仕事があるので、子供の世話や身の回りのことが回りません。結局、東京の実家から母に駆けつけてもらいました。高齢の母に何度も東京から来てもらうのは心苦しく、長期滞在してもらうのも申し訳ない気持ちでした。新幹線代も結構かかってしまいました。倒れると体調もキツいですが、精神的にも不安になり、とても心細かったです。(41歳・フリーアナウンサー・山本直美さん)

 


【対策1】“お金のことやその後の暮らし”が心配です

<ファイナンシャルプランナー に聞きました>

1級FP技能士 CFP® まるこいずみさん

大手生命保険会社勤務を経て、FPとして独立。「FPまるこ相談室」代表、WAFP関東女性FPの会理事。大学2年、中3、中1の3児の母。保険以外も自らの子育て経験などをもとに提案。働くママのワークライフバランスをマネーの側面から応援する。

◯ 10年以上前に入った保険は見直すべき。最近はネット系のシンプルな保険もお勧めです

加入したのが 10年以上前なら見直しも検討を。

2000年以降生命保険はとても進化。医療も日々進歩し、数年前は入院・手術が必要だった病気が通院治療ということも。また、コロナで話題になった保険がFWD富士生命保険の医療保険。コロナで入院した方も一時金で最高30万円が出るということで治療費も収入ダウンにも備えられて安心と人気でした。加入しているのが日本の大手保険会社の保険なら「幕の内弁当」のようにいろいろな特約が。この機会に契約内容もチェックするといいですね。

シンプルな保険商品が希望ならネット系の保険もお勧め。見直しにあたり、公的な保障や勤務先の保障も併せて確認を。足りないものだけを民間の保険商品で追加すると保険料の負担も抑えられます。

>>こんなエピソードも……
三大疾病保障保険に加入し、1年半後に乳がんになった方が。一時金300万円で治療ができ「一時金でよかった、退院の度に手続きするのは面倒、治療法など縛られず自由に使えて良かった」と。今も元気に働いていらっしゃいます。

<医療ソーシャルワーカーに聞きました>

医療ソーシャルワーカー 大沢かおりさん

東京共済病院乳がん相談支援センター内の医療ソーシャルワーカー。がんになった親とその子供を支援するNPO「HopeTree」代表。過去に自らも乳がん闘病していた経験を持ち、患者さんやご家族など親身に幅広くサポートし続けている。

◯ 患者さんの暮らし全般に役立つ情報提供から、 お子さんたちの 心のケアまで取り組んでいます

「家族が病院に入院したけど、医療費はどうすればいい?」。そんな治療の際に必要な申請や、患者さんの悩み「抗がん剤で髪が抜けてきた時、いいウイッグはある?」「親や会社にどう伝えたらいい?」いろいろな相談にのるのが医療ソーシャルワーカーです。

各病院に所属し、相談費用は無料なので、安心してなんでも相談してください。ご家族、病気になった患者さん、そして、そのお子さんたちの心のケアにも取り組みます。病気になった時、子供にどう話すべきか……と悩む方も多いですが、子供は隠されていると聞くことも躊躇し、不安も高まってしまう。家族の一員として子供の力を信じ、伝えてあげることを提案しています。

また患者さんの具合が突然悪くなった時、銀行口座や暗証番号、加入している保険、webで契約しているIDやパスワードなどがわからず家族が困ることがあります。自分が倒れた時のため、大事な情報は整理しておくといいですね。エンディングノート的なものや家族へのメッセージもまとめておくといいと思います。

>>こんなエピソードも……
幼稚園と小学生の娘さんをシングルで育てている時、乳がんになった患者さんがいました。残念ながら娘さんが中学生と大学生の時にお亡くなりに……。今でも2人は悩んだ時など私に連絡をくれて、会ってお喋りします。Hope Treeの活動も一緒に手伝ってくれたりして、本当に嬉しいです。先日会った時も「今きっとお母さんここにいるよね」と3人で話していたところでした。そんな貴重な出会いの積み重ねが、活動を継続する力にもなっています。

 


【対策2】“子供の世話や家事”が不安です

<家事代行業に聞きました>

家事代行サービス・ハウスクリーニングサービス㈱ベアーズ 取締役副社長 高橋ゆきさん

香港で出会った「メイドさん」をきっかけに夫と共に家事代行サービス㈱ベアーズ創業。全国家事代行サービス協会会長、世界初の家事大学を設立し、学長も務める。ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」「極主夫道」でも家事監修を担当。

◯ 家事代行は40代の忙しい女性にとっての3rdパーソンであり、 心の保険だと 思ってください

掃除や料理だけでなく、洗濯、買物、靴磨き、その他、細かな名前のない家事に至るまで、危険を伴うサービスや医療行為など専門的なサービス以外はほぼ対応可能。家事代行サービスの他にも、分解
を伴うプロの専門清掃である「ハウスクリーニング」、感染症対策としての「除菌洗浄クリーニング」なども行っていて、電話・webから気軽に申し込みができます。

またオリジナルアプリでは、コストコの買物代行や家具・家電のレンタルをはじめ、暮らしサポートの様々なサービスをチャットで依頼できます。コロナ対応として除菌サービスや置き配など非接触での買物代行なども対応

掃除も料理も私がしないと!と思ってしまいがちなまじめな女性も多いですが、ラクして頼ったっていいんです。むしろ自分ができなくなった時にどうするか、そんな観点から、家事を家族でシェアする、そして他人とシェアすることを始めてみてはいかがでしょうか。

わが家の家事をどう他人とシェアするか、一度使っておくと心の保険としても安心です。忙しい40代女性だからこそ困った時はお気軽にご利用ください。

>>こんなエピソードも……
週1回家事代行サービスをご利用中のご家庭でスタッフがサービスに訪れた際、ご出勤前の旦那様がご自宅で倒れてしまったケースが。奥様は双子の赤ちゃんを抱え、ショックで対応できず。スタッフがすぐ救急車を呼び、奥様をサポートして病院まで向かい、結果、事なきを得ました。

<保育サービス業に聞きました>

㈱ジャパンベビーシッターサービス 所長 吉川千穂さん

1972年日本初のベビーシッター会社として創業。20歳から73歳までシッター数は現在164人。お子様とシッターの安全のため会社のコーディネーターが間に入り、お客様の希望に合ったシッターを派遣。生後1日目から小学校6年生までシッティング可能。

◯ お子様に関することであれば家事も手伝います。 泊まり込みや病児保育のサービスにも対応します

現在シッターさんの中には勤続30年以上のシッターさんもいます。急なお子さんの病気で会社を抜けられない時の病児お迎え・受診や、急な出張の時でも24時間以上連続シッティングも可能

もし、ご両親がコロナに感染し、子供が陰性の場合、祖父母宅にいるので見てほしいというような場合は伺えます。病児保育もしていますが、今は病院でコロナの可能性が少ない場合や別の診断がついた場合にのみシッティング。お客様はもちろん、シッターの安全も大事です。

在宅勤務が増え、この会議のこの時間だけお相手してほしいという方などのため、子供と双方向で楽しめるオンラインシッティングも11月から開始します。現在試用期間中で、絵本の読み聞かせや一緒に歌を歌うなど人気です。

>>こんなエピソードも……
コロナで塾も学校もなくなった高学年のお子さんと、普段作れない「しゅうまい」をご家族のために一緒に作りました。「チャイルドハンドワーク」というお料理や裁縫をするサービスがあり、ご両親に大変喜んでいただきました。

撮影/BOCO ヘア・メーク/陶山恵実(ROI) スタイリスト/亀 恭子 取材/東 理恵 イラスト/深川 優 ※情報は2020年11月号掲載時のものです。

STORY