腐女子じゃなくてもBLに癒されたい!【BLの古典的名作編】
国内外の配信ドラマから映画、地上波ドラマまで、一気に人気ジャンルになった「BL」。BL初心者にお勧めの作品をご紹介する企画、第2弾は「BLの古典的名作10」をラインナップ。前回ご紹介した「今どきBL作品」に比べるとグッと重い悲恋物が中心ですが、そのぶん萌えも感動もとにかく!濃厚!なんです‼
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BLの古典的名作ベスト10
1「日出処の天子」
登場人物すべてが歴史上、実在した人物! 神に愛されし美しき厩戸皇子(聖徳太子)。その特異な能力ゆえに孤独に苛まれる皇子が唯一無二の存在として蘇我氏の長男・毛人を追い求め、懊悩する愛の物語。皇子が法隆寺・夢殿の中で毛人と共に雨乞いをする場面はまさに魂が溶け合うような神々しいラブシーンです。こんな愛の描き方もあったんだ…。服をしっかり着ていてもなんともエロティック!
(山岸涼子・漫画/1980~1984)
2「炎の蜃気楼(ミラージュ)」
普通の高校生・仰木高耶。実は彼は戦国時代の武将・上杉景虎の蘇りでした。武将たちの怨念渦巻く闇戦国の世を、家臣・直江信綱と共に戦います。直江はカリスマ的な魔性の魅力をもつ景虎に深く魅了されていて、とにかく愛しまくってます。すぐ欲情しちゃいます。戦国武将たちと戦い続ける中で垣間見える400年物の景虎への愛は熟成されきっていて、もはや執念! 出てくる場所もすべて実在するので、読み終わったら聖地巡礼に行きたくなります。
(桑原水菜・小説/1990~)
3「風と木の詩」
19世紀フランスの全寮制男子校を舞台にした少年愛の世界。セルジュは少年たちと戯れる美しいジルベールに出会い、衝撃を受けます。様々な葛藤を経て次第に惹かれあうセルジュとジルベール。しかし物語はジルベールを性的に支配してきた父・オーギュストを軸に、破滅的な展開に。元祖・魔性の美少年、ジルベールの妖艶な美しさとセルジュのもつ清廉な美しさの対比がさすがレジェンド。パリ編以降は苦しくて読み返せない!
(竹宮恵子・漫画/1976~1984)
4「摩利と新吾」
明治・大正の旧制高校。ハーフの麗人・摩利と、和風美男子の新吾は生まれた時からの親友同士。個性的な仲間たちと青春の日々を過ごす様子はまさにBL版「はいからさんが通る」。摩利は新吾を同性愛的な意味で愛していましたが、ヘテロ(異性愛者)な新吾は悩みます。新吾にあれやこれやしたくなっちゃう摩利と、とにかく摩利のことが大切すぎる新悟。魂で結ばれた摩利と新吾の青春の「その後」の描写もイイ。最後に新吾が叫ぶセリフに涙が止まりません。
(木原敏江・漫画/1977~1984)
5「ブロークバック・マウンテン」
1960年代のアメリカ。羊を放牧する季節労働者として出会ったイニスとジャックは共に働くうちに惹かれあい、深い関係に。しかし当時の同性愛者への差別は非常に苛烈なもので時に撲殺されてしまうほど…。2人は“普通に”結婚して家庭を作りますが、一旦再会してしまえば燃え上がるお互いへの熱情。いつしか2人は秘密の逢瀬を楽しみに生きるようになり…。妻バレシーンは萌え必至。観終わったら「2枚のシャツ」と聞いただけで泣ける身体になります。
(アメリカ映画/2005)
6「私説三国志 天の華・地の風」
三国志を題材にした歴史小説。月の光とも称される傾国の美丈夫、軍師・諸葛亮孔明。実は孔明が董卓の小姓として愛玩されていたという衝撃の設定! 三顧の礼で口説き落とされ劉備玄徳の参謀となりますが、淫らな過去を政敵・周瑜に知られて関係を迫られてしまいます。緻密に描かれる激動の国盗り合戦の中で次第に育まれる周瑜と孔明の愛。あの「赤壁の乱」が壮大な痴話喧嘩だった⁉ 突然、三国志好きになってしまうこと間違いなしです。
(江森 備・小説/1986)
7「MW」
手塚治虫の描く魔性のBLの世界! 妖艶な美貌をもつ結城と神父の賀来。2人は少年時代のある島での事件から、ずっと同性愛関係にありました。結城の表の顔は普通のサラリーマンですが、実はサイコパス。この二面性がまず、すごい。恐ろしい犯罪を次々と犯す結城はそのたびに賀来のもとに抱かれにいきます。葛藤しながらも悪の誘惑に逆らえない賀来。この破滅的な関係がとにかく萌え! それ以外にも衝撃の禁断がたんまり詰まった異色の名作!
(手塚治虫・漫画/1976)
8「モーリス」
元祖・実写BLといえばこちら。原作をE.M.フォスターが執筆したのはなんと1913年。20世紀初頭のイギリス。まだ同性愛が犯罪とされていた時代に、ひそかに愛を語り合うクライブとモーリス。クライブ役のヒュー・グランドがとにかくザ・英国の美青年。草むらで寝転ぶクレイブのシャツの襟から、そっと手を差し込むモーリスに世界がのけぞりました。先に誘惑しておきながらツンデレなクライブに振り回されるモーリス。2人の対照的な選択が切ない!
(イギリス映画/1987年)
9「太陽と月に背いて」
実在した詩人、ランボーとヴェルレーヌの愛と葛藤を描いた作品。こちらは一にも二にも、ディカプリオ。少年ぽさの残る危うい美しさが、天使で悪魔で完璧すぎる! 妻子がいるヴェルレーヌが「私は妻のカラダよりもランボーの才能に欲情した」んですよ? すごいサブタイトルを裏切らない濃い関係。ヴェルレーヌの妻に嫉妬したり、わがままをいったり、「愛してる?」と聞いたりする小悪魔ランボーが隅々まで魅力的。大方の予想を裏切る受攻逆もかえってリアル。
(イギリス映画/1995年)
10「残酷な神が支配する」
艶やかな巻き毛に陶器のような肌をもつ美しい少年ジェルミ。母親の再婚相手・グレッグが実はとんでもないモンスター! ジェルミを凌辱し、それをネタに性的虐待を繰り返します。悩みぬいたジェルミはある計画を実行しますが、思わぬ結果になり…。深いトラウマを抱えたジェルミに疑いの目を向けるグレッグの先妻の息子・イアン。しかし、次第にずぶずぶとジェルミに囚われていき、最後にはとにかく「ジェルミ!ジェルミ!」になってしまう姿がなんとも萌えです。
(萩尾望都・漫画/1992年)
BLの古典的名作をセレクトしてくれたのは
misoさん
「BL」という言葉がまだ存在していなかった昭和の頃から耽美派少年愛文学に耽溺。現在は主に海外作品を中心としたBL実写作品を愛好。Amebaブログ「みそのブログ」で「自分が!何度でも!みたくなるブログ」をモットーに最新情報を発信、多くの支持を集めている。
構成/CLASSY.編集部