2020年08月17日 13:00
/ 最終更新日 : 2020年08月17日 13:00
STORY
STORYモデル6人の、おうち時間で読み返したい「私の心に残る1冊」
長かった外出自粛期間は終わりましたが、でもまだしばらくはおうち時間も増えそうな予感。
普段は忙しくて本をゆっくり読む時間を取れない人も、こんな時だからこそ読書タイムを作って有意義な時間を過ごしてほしい。STORYモデルのみなさんにも心に残る1冊を教えてもらいました。
★高垣麗子さんの「心に残る1冊」
『限りなく透明に凜として生きる』佐藤初女 ダイヤモンド社
「日本のマザー・テレサ」と言われ、青森県の岩木山山麓に「森のイスキア」と称する癒しの場を主宰した佐藤初女氏が、51 の気づきから揺れ動く心をおだやかに整える。混迷深まる社会、生きにくい社会で、「生きる指針」を求める人に人気。
◆ 透明に生きる、とは 無垢な子供の心を思い出すこと
佐藤初女さんの活動が気になっていたのでSTAYHOME 時間を利用して初めて著書を読ませていただきましたが、ハッとさせられる文章が随所に。人と関わる仕事をしている以上、常に心が穏やかでいるのは難しいと思っていたのですが、2歳の娘と過ごす時間が多かったことで気づかされたことが。子供は固定観念がないので何でも純粋に吸収します。その柔らかな感受性、豊かな発想力を見ていると大人も子供のようなありのままの心を思い出せば良いと腑に落ちました。慌ただしい生活の中で忘れがちな示唆がいくつもあり、折に触れ、立ち止まって理解したい1冊です。
★SONOMIさんの「心に残る1冊」
『ハーフ・ザ・スカイ』 ニコラス・D・クリストフ&シェリル・ウーダン 英治出版
1億人の女性が消えたーーー。売られる少女、焼かれる妻、見捨てられる母。私たちの時代にはびこる驚愕の「不正義」の真実と、あきらめない人々の強さと美しさ、そして希望を描き、感動を覚えるノンフィクション。全米ベストセラーに。
◆ 全ての女性に平等な権利を願いたいと思える啓発書
日本人女性は本当に自由? 世界には男女平等に思われてるかもしれないけど本当にそう? 私には根強く男尊女卑が残り、それが日本の文化・美徳のように蔓延しているように感じます。世界に目を向ければまだまだ女性の立場は弱く差別的で理不尽。そんな世界を嫌悪しながらも、なぜ変えられないのか? と自分にも世間にも疑問を抱き、胸が苦しくなる事ばかり。でも先日スーダンの女性器切除がついに禁止になったのは彼女たちにとって素晴らしいニュース。私たちももっと勇気を出して未来を担う子供たちに、より良い世界を残してあげたいのです。
★畑野ひろ子さんの「心に残る1冊」
◆ 『「やさしさ」へのレッスン』海原純子 朝日ソノラマ
精神科医・海原純子氏が紡ぐ6章からなる、「やさしさ」が詰まった1冊はささくれだった自信喪失の心に染み入る魔法の言葉集。1ページに短い文章が優しい格言のように書かれ、どれも心に響き、気持ちがどんどん穏やかに。
◆ 必ず癒される言葉がある、やさしさに包まれる隠れ名著
モデルになりたくて上京した当時、弱みを見せちゃいけない、負けちゃいけないと肩肘張っていた時に、事務所の先輩が私の態度を見てそっと手渡してくれた本。20代前半の私には衝撃でした。苦しいのは人のせいではない、こうしなきゃいけないという思いが自分を苦しめていたことに気付かされたんです。どのページの文章も好きですが特に好きな言葉は「苦しんで流す涙は心の栄養になる」という一文。素直に泣いてもいいんだ、人に頼ってもいいんだと肩の力が抜けました。読むことでその時の自分の内面が見つめ直せる、まさに心の鏡。娘にも伝えていきたい1冊です。
★野沢和香さんの「心に残る1冊」
『幸福論』アラン 日経BP社
教師でありながら戦争最前線にも志願、行動する哲学者と言われたアランがフランス・ルーアン新聞で連載していたコラムをまとめた1 冊は古典哲学とも言われるロングセラー。特にこの村井章子氏訳は読みやすくお洒落で生き方指南本として愛されている。
◆ 人間の幸せのありかを考えさせられる、優しい古典哲学
5年ほど前に出合ってからは、どんな時も私の心に寄り添ってくれる大事な一冊。いつでも好きなところから読み始められますし、こちらの心の持ちようで刺さる言葉も違うので何回読んでも新しい発見があります。子供が描くような謎のイラストもほど良い脱力感(笑)。一番好きな言葉は「人間が他人に分け与えることができるのは、自分の持っている希望だけである」という言葉。最近YouTube でエクササイズを配信し始めたのも、この言葉に背中を押されて。今本当の幸福とは何かを立ち止まって考えてみる機会が多くなったからこそシェアしたい作品です。
★芳川あずささんの「心に残る1冊」
『みんなの臓活』尹 生花 ワニブックス
人間は見た目や症状に目を奪われがち。でも大事なのは内側に根幹をなしている「五臓」、つまり肝・心・脾・肺・腎だと説き、五臓からのサインや適したケアを教えてくれる東洋医学の入門書。季節や臓器ごとに見たいところを気軽に開ける実用書。
◆ 東洋医学で見る臓器の辞典は、読むだけで心身のデトックスに
発行は昨年9月。買った時から手の届きやすいところに置いて事あるごとに読んでいます。今このような状況下で「家って大事だな」と改めて考えた時、おうちで良い空間・時間を作るためにはまずは自分の心身の健康をきちんとしなきゃと思って読み返しました。季節や臓器別のインデックスが分かりやすいので、その時に気になるところを開いてチェックできる便利さはもちろん、イラストの洗練されたセンスは読むだけでデトックス効果があります。臓器を労り、体の内側に向き合ってケアすることも大事、そんな思いに応え、使える1冊だと思います。
★HARUKOさんの「心に残る1冊」
『妄想銀行』星 新一 新潮文庫
初版は1978年。40年以上経ち、世界が大きく様変わりした今読み返すと「時代や環境が変わっても人にとって一番必要なものとは何か」を深く考えさせられる。人間の本質、欲、大切なもの、読んだ後に気持ちが緩む示唆に富んだショートショート32編。
◆ 40年前の作品が今私たちに突きつけてくる、人間の本質
小学生のころからハマっていた星新一ワールド。 長いおこもり生活の中で、あの宇宙的なのにノスタルジックな世界に再び浸りたいと思い読み直した1冊。実は最近「カタカムナ文明」にハマっている私。カタカムナとは、縄文時代より遥か前に栄えた文明で(諸説あり)、科学、量子力学、医学、人間的にもありとあらゆる面で優れていたそう。そのカタカムナ文献の発見に伴い、星新一氏のお父様が関わっていたことを知りました。それをふまえて読み直した今は氏の宇宙的かつ懐かしさを感じさせる世界観の本質が理解ができ、雷に打たれたような感覚に。
取材・文/柏崎恵理 ※情報はSTORY2020年8月号掲載時のものです。