旅作家が推薦!「国内屈指の芸術トンネルでアートと自然を堪能したい!」【十日町 ( 新潟県)編】|アラサー女子旅

旅に出る一つのきっかけになるのが、「○○したい!」という想い。思い切りショッピングがしたい?大自然を満喫したい?CLASSY.世代の旅作家・小林 希さんが、希望を叶える旅先を紹介します。

豊かな自然に抱かれた幻想的なアートに触れる旅

    パノラマステーションの作品空間「トンネル・オブ・ライト」

    清津峡渓谷トンネルの入口。中に入ると入場券を購入できます

    長いトンネルの中は、ぞくぞくするほど神秘的。バリアフリーになっています

    第3展望スポットの空間は、火星をイメージしたアート作品だそう

    清津峡渓谷トンネルの敷地内にある足湯ができる場所もおすすめ

新潟県十日町にある日本三大渓谷の一つ、清津峡。上信越高原国立公園に指定された人気の観光地でしたが、落石の危険性によって一時散策が不可能に。その後、「清津峡渓谷トンネル」が建設され、そこから渓谷を観賞できるようになりました。そして2018年、妻有地域で開催される大地の芸術祭に合わせて、トンネルはアート作品へと姿を変えたのです。

私も自然とアートを楽しみたいと、清涼な山間を抜けて清津峡渓谷トンネルへ向かいました。トンネルは全長750メートルに及び、その間に3ヵ所の展望スポットと、パノラマステーションが設置されています。そこから渓谷を望むと、清津川のせせらぎが聞こえ、柱状節理の岩肌が間近に迫って、雄大な自然の営みに出合えます。トンネル内には神秘的な音楽が流れ、歩くにつれ内部の色は緑、オレンジ、赤、青と変わっていき、幽玄の世界に入り込んでしまったかのよう。このような体感そのものが、アート作品の一部なのです。

3箇所の展望スポットにもそれぞれテーマがあり、その空間も作品となっています。最も印象的なのは、トンネル最深部にあるパノラマステーション。足元一面に水が張られ、外に見える渓谷の景色がそこに転写されています。この「トンネル・オブ・ライト」というアート作品に入っていくと、まるで自然の中にポン、と立たされているような、不思議な感覚がしました。この壮大な体験型アートトンネルは、中国の建築家マ・ヤンソン率いるMAD Architectsが手がけたもの。渓谷とアートのコラボレーションによって、無機質なトンネルが生き生きとした存在に変わる姿はとても感動的でした!自然美とアートが融合する感動を体感できる、希少な場所です。

紹介してくれたのは…
小林 希さん(旅作家)

元編集者。29歳で会社を辞めて世界一人旅へ。一年後帰国して旅作家に転身。旅、島、猫をテーマに著書多数。世界60カ国、日本の島80島をめぐる。

近著『週末海外』(ワニブックス)

インスタグラム:@nozokoneko 旅するオンラインサロン「しま、ねこ、ときどき海外」