1日3食は絶対ではない! 心得ておきたい間食&外食の注意点
正しい知識があれば無駄なく確実に美容と健康を維持できるーーそんな考えをもとに、医師の立場から美容と健康を医療として追求・発信する友利 新(ともり あらた)先生。今回は、著書『やめる美容』より、日々欠かせない食事について注意点をピックアップします!
毎日の食事で気をつけたいこと
毎日の食事は、私たちの体にとってよくも悪くも作用します。なにげなく食べるのはもったいない! 注意点をチェックして、美と健康を手に入れましょう︎
1日の食事はベストな回数に
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日本人は、朝、昼、夜と「3食きちんと食べなきゃ!」と思っている方が多いでしょう。でも、人によってはトゥーマッチだったりするのです。
「1日3食」は人によっては必要ない
まず、朝ご飯を食べるのは絶対でなくてOK。胃が大きくない子どもや、成長期の人間はこまめに食べたほうがいいのですが、成長期を過ぎた大人の体はそこまでカロリーを必要としていません。
逆に空腹の時間をつくることによって、オートファジーという機能が働き、壊れたタンパク質を回収して細胞をリサイクルしてくれます。
オートファジーの効果を実感するためには、絶食ではなく、だいたい10〜12時間前後の空腹の時間をつくるのがポイント。夜ご飯を19時に食べてから何も食べず、朝7時に起きて朝ご飯を食べれば簡単に12時間の空腹時間をつくることができます。
食事の量より空腹時間で考える
しかし、何かと忙しい現代人、夜の食事は遅い時間になりがち、おまけに日本人は夜ご飯をたくさん食べる傾向もあります。そういうとき、「昨晩たくさん食べたから朝は量を減らそう」ではなく、“空腹時間”を意識し、「空腹の時間を長くとるために朝ご飯は抜こう」と考えていただきたいのです。
空腹の時間がないと太る
空腹の時間を確保するために、朝食を食べないという選択肢をとることはむしろダイエット的にもいいこと。じつは空腹の時間がないほうが太ります。たとえ、夜ご飯をいっぱい食べたとしても空腹の時間が12時間ぐらいあれば、太ることは基本的に少ないのです。量より時間で食事を摂る。これが新常識です。
食べる順番もポイント
理想的な食べる順序は、野菜や汁ものから食べ始めることです。食物繊維から食べていったほうが血糖値の上昇は少なく、先に汁ものを飲み、胃を温めると満腹感を感じやすいです。丼ものやパスタなど糖質だけでは、血糖値が上がりやすいので注意が必要。そういった食事のときはサラダをつけるなどの工夫をしましょう。
1食にこだわらず、1日で栄養を調整する
とはいえ、お昼ご飯となると、うどんなどの麺類、チャーハンなどの炭水化物の単品食いになりがち。でも、1食くらい気にしなくていい、というのが私の意見。
牛丼を食べたとしても、次の食事で「今日はお昼に糖質を摂りすぎちゃったから夜は野菜を摂ろう」などと調整し、1日通してのトータルで食事を考えるようにすれば問題ありません。
食べた食事の内容を気にするよりは、むしろ空腹時間に気をつけていただいたほうがいいと思います。
間食をするならかしこく選ぶ
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朝、昼、夜、食事をしっかり摂っていても、スキマ時間におなかが空いてしまうことだってある。でも、甘いお菓子を食べたら太ってしまうし……美容と健康のためには、いったいどんな間食を摂るのがいいのでしょうか?
間食は甘さでごまかさない!
ずばり、間食とは、甘さでごまかすだけではなく、ミネラルや食物繊維、タンパク質の摂取を意識することが重要です。
ナッツ類にはいい油も含まれていますし、噛みごたえもあるため、ちょっとした間食にはぴったり。硬めのナッツシリアルバーもおすすめです。
最近では、食物繊維入りのグラノーラバーやタンパク質の大豆バーなどが販売されているので、積極的に選ぶといいでしょう。
一見、間食向きのヨーグルトの注意点
ヨーグルトは間食向きですが、無糖タイプのものを選ぶのに越したことはありません。でも、どうしても甘いものを体が求めているときは、「ブドウ糖」や「果糖」が入っているものよりも、固形の「砂糖」と表記のあるヨーグルトを選ぶほうがよいです。
間食時には、やみくもに血糖値を上げないことをおすすめします。ブルーベリーなど果物入りで味がついているタイプのヨーグルトは、一見ヘルシーそうに見えますが、甘味料で甘みをつけていることに変わりはなく、血糖値を上げることにつながるので注意が必要です。
家にお菓子を置かず、ミネラル&食物繊維を意識
人工的な糖分が入っているグミなどのお菓子ってやっぱりおいしいのですが、毎日食べると糖質過多に。当たり前ですが、家にお菓子がなければ自動的に食べなくなるので“家にお菓子をストックしない”のは、意外とおすすめの方法です。
友利先生のお宅の間食の一例
・蒸したおいも
・大豆粉でできたパンケーキ
・茹で小豆(パウチ入りのもの)
・冷凍のブルーベリーを入れた無糖ヨーグルト
・茹でたブロッコリー(ストックしておいて、パクッと食べる)
やはり意識すべきは、食物繊維やミネラル。お好みのものもあると思いますので、あなたにぴったりの間食方法を見つけてくださいね。
外食こそ質を気にする
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仕事や勉強が忙しければ、全部の食事を自炊にすることは難しいですよね。外食に頼ることは悪いことではないですが、気をつけるべきポイントがあります。
意外と知らない、外食の真のリスク
「外食は体に悪い」という認識を持っている方は多いかと思います。しかし、その本当の理由をご存じですか?
外食のデメリットとしてよく挙げられるのは食品添加物。食品添加物と聞くと「発がん性がある」などのイメージのほうが強いかもしれませんね。しかし、食品に含まれている食品添加物は安全が確立されています。そもそも「発がん性が認められる量」という基準値の1000分の1程度しか食品に入れられないように法律で決められているため、一般的に流通している食品が発がんに直結する確率は極めて低く、ほぼないといっても過言ではないでしょう。
それよりも私たちが気にしなければならないのは、腸内細菌。じつは、食品添加物によって腸内細菌が荒らされ、肌荒れしてしまう人が一定数いることがわかっています。食品添加物の真のリスクはがんではなく、腸内細菌が乱れることにあるのです。
外食のしすぎと腸の関係
たとえば、ファストフードには食品添加物が多く入っているため、食べると腸内が荒らされます。ナゲットやポテトなどの揚げ物でなくても、一見体によさそうなビタミン食材やゼリー飲料などにも注意が必要ですし、健康によい食材を使っていても添加物が入っている可能性は大いにあるのです。もちろん、すべての人に当てはまるわけではありませんが、これらを摂りすぎることによって、腸内環境が荒らされ、結果的に肌トラブルにつながってしまうわけです。
ホルモンバランスを崩す、高脂肪食にも注意!
食品添加物だけでなく、みなさんには外食時に高脂肪食にも注意していいただきたいと思っています。ファストフードに代表される高脂肪食を摂ることによって、ホルモンの分泌が撹乱されます。ホルモンの分泌が過剰になり、特に男性ホルモン優位になると、ニキビの原因になってしまうことも。
どうしても外食をするならこれらを選ぼう!
・できれば和食系に
・ステーキ屋さんや焼肉屋さんではホルモンなど脂肪分の多いものは食べず、赤身肉を選ぶ
・居酒屋では揚げ物ではなく、焼き魚を頼む
・イタリアンならカルパッチョやアクアパッツァを食べる
外食でこそ、食べ物の質を気にしてください。
もっと知りたい、やめる美容︎
『やめる美容』より、毎日の食事の注意点をクローズアップしました。書籍では、生活のなかでさまざまな美容法を加えていくことよりも、やめることに着目。「糖質オフはやめる」など、ちょっと意外なやめるべき習慣を多数紹介しています。
やめる美容 著者・友利 新 定価(本体1,300円+税)/光文社
友利 新……医師(内科・皮膚科)。 沖縄県宮古島市出身。 東京女子医科大学卒業。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。 現在、都内のクリニックに勤務する傍ら医師という立場から、美容と健康を医療として追求し、美しく生きるための啓蒙活動を雑誌・TV などで幅広く展開。書籍の執筆や講演会なども多数行っている。 2004年第36回準ミス日本。 2016年第9回ベストマザー賞【経済部門】受賞。 子育て応援・ママ応援大使。3児の母。
Instagram @aratatomori
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ブログ 友利新のビューティー診察室
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