子供の防犯意識は低下!? 通学再開で気をつけたいこと
緊急事態が明け、ようやく通学再開を迎えているお子さんもいらっしゃると思います。STAYHOME期間中は子ども達の生活スタイルも一変。長期間、毎日自宅で過ごし、防犯意識の低下も気になるところです。久々の通学にあたり、親は子どもの安全をどのように守るべきかが課題です。
まずは、NPO法人日本こどもの安全教育総合研究所 理事長 宮田美恵子さんに今の子どもの防犯意識について伺いました。
――STAY HOMEで、子どもの防犯意識は下がっていますか?
明らかに下がっていると思います。新1年生は、1年生にもなっていない幼稚園、保育園の感覚のままお家で過ごしていましたし、新2年生以上の子は夏休み明けのような状態と思ってください。登下校で最も狙われやすいのが、集団登下校をするお友達との合流までや別れた後の「一人区間」。今まで守られた環境にいた子どもが、たった数百メートルでも一人時間ができるのですから、改めて意識の仕切り直しが重要です。
――マスクの人も増えました。緊急事対宣言明け、特に気をつけるべきことは。
今は、マスクは不安の種ではなくなりました。自分のパパもママもしているのだから、マスクしているのが普通の人。犯罪者にとっては、マスクをして顔を隠しても不思議がられないといういい面もできてしまいました。見かけだけでは判断がつかないことは伝えてください。
そもそも子どもは怪しい人は「マスクをして黒い服を着て、サングラスをかけて……」と思い込んでいる場合が多いのですが、それも先入観。実際は違うというところも教えておくべきです。
また、コロナをかたって声をかけてくるケースが増えるのではないかと思います。流行っていること、それらしいことを言われると信じてしまうという人の盲点をついてくるので、「ママがコロナになったから病院にすぐ行こう」などの話に惑わされないようにと、伝えることです。
――防犯全般については、どのような話をするべきでしょうか?
まずは、今までは毎日パパやママが近くにいたけれど、これからは一人で頑張らなくてはいけない場面が出てくるかもしれないということ。ただし、怖がらせるだけではなく、こういう方法があるよ、こんな約束をしておこうと、安心感を持たせてあげることも大事です。具体的には過去の記事をご覧ください。
この新型コロナウィルスで「ソーシャルディスタンス」が一般化し、子ども達も「人と人のちょうどいい距離感」を理解しやすくなったのではないかと思います。知らない人、道を聞かれた時などでも、両手を広げてぶつからないぐらいの距離を保っておくことは、マナーであり、いざ何かあったときに逃げるという防犯においても大切なことだと教えてあげてください。
先生から以前伺った、
子供への防犯の伝え方は、こちらの記事で詳しく触れています。
>>「防犯対策」子どもに伝えたい3つのこと
>>子どもを取り巻く犯罪、知っておくべき3つのこと
そして、具体的な子どもの通学見守りアイテムとして、読者さんたちの間でも持っている人が多く、評判が良かったのが「GPS BoT」。VERYでも4月に進級・進学するお子さんにお勧めしたいと思っていたアイテムを、改めてご紹介します。
この動画は、今年の2月に制作されたものなので、緊急事態宣言後の今とは少し状況も変わっていますが、オンタイムでお子さんの動きがわかれば、下校時にお友達と別れるところまでお迎えに行くタイミングがわかりやすく、宮田先生に教えていただいた「一人行動を減らす」ことに役立てられそう。感染予防の点においても、毎日どこを通って帰ってきたかを把握しておくことも一つの安心材料になりそうですね。子どもたちも、ママが見守ってくれているという「お守り」としての安心感を持てると思います。
新小学生ママ青木裕子さんと、すでに小学生の2児がいる先輩ママ牧野紗弥さんが体験して感じた、GPS BoTの良さや、便利な使い方など、動画には収まりきらなかった部分は、こちらの記事からご覧ください。
>>安全も自立心も好奇心も、GPS BoTで見守って上げたい
スマホのGPSとはどう違うの?という疑問はこちらに。
GPSで遠くからも見守れる「安心」と、しっかりした親子の話し合いで「安全」、両方持って不安のない通学再開となりますように。
教えてくれたのは……
NPO法人日本こどもの安全教育総合研究所 理事長
宮田美恵子さん
順天堂大学研究員・放送大学非常勤講師として大学生への講義のほか、児童・生徒への安全体験学習プログラムを推進。著書に『うちの子、安全だいじょうぶ?新しい防犯教育』(¥1,500/新読書社)など。
取材/磯野文子