「花のある暮らし」 50代男性編集部員の場合⑦

発売中のHERS5月号「特集・私だけの、ひとり時間。」
P.58には〈花のある暮らしを、もっと簡単に。〉というページがあります。
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誌面の内容とはレベルが違いますが、ここでは小生の場合の花の楽しみ方について述べさせていただいております。

前回の記事はこちら。

さて、気持ちのいい気候になってきたので、週末に散歩に出かけました。場所は練馬区の、
とある公園。
どんな公園かというとこちら。
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今回は公園の全体像を撮り忘れてしまったので……これは昨年秋の写真ですが、見てわかるように池の周りの遊歩道を木々が取り囲むような公園です。
体長50cm以上もある鯉が泳ぎ回る池の周りでは、カワセミやダイサギ、カイツブリといった水鳥たちが仲良く暮らしています。公園の一角では「青い宝石」と呼ばれるカワセミの姿を写真に収めるべく、一日中カメラを構えているマニアたちも。
春はソメイヨシノが咲き誇る場所なのですが、今年は外出自粛もあって観ることができず。
では、梅雨入り前のこの時季にはどんな花が咲いていたのかというとーー
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路傍に咲くヒメフウロ。花言葉は「静かな人」。
ヨモギや春菊のような葉の形が特徴です。

こちらは、アリストロメリア。花言葉は色によって違うようですが、
こちらはピンクなので「気配り」。
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ちなみに赤い花だと「幸い」で、白い花だと「凛々しさ」だとか。色によって、なんでこんなに違うんだろう?
しかもアリストロメリアは、和名では「百合水仙」というらしいのですが、その読み方が「ユリズイセン」なのです。
どうして「ユリスイセン」ではないのでしょう?

そんなことを考えながら公園脇の道を歩いていると……
「もし。……もし。」
という男性の声が後ろから聞こえてきました。
「もし」と「もし」の間にブレイクがあるので電話の「もしもし」ではありません。
初めは小生に対する呼びかけではないと思ったので無視していたのですが、声がだんだん近づいてきます。
もし、……もし。
ソーシャルディスタンスの距離ぐらいになったので振り向いたところ、男性が言いました。
「ちょっと珍しい花ですから、持ってゆきませんか」
中肉中背で、8割がた白髪の髪型は肩の少し上ぐらいまでのワンレン。年齢はおそらく60前後で、薄めの顔立ちはなんとなく作家風?
渡してくれたのが、こちらの花でした。
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「えっ、素敵な花ですね。ありがとうございます!」
礼を言って、小生はもちろん受け取りました。

〈なんとなく作家風〉の男性は、すぐそばにある自宅で庭木の剪定をしていたらしく、剪定した花をそのまま処分するのはもったいない……と思っていた時に、たまたま小生が通り過ぎたので分けてくれたようです。

帰宅して調べてみたところ、この花はブルンフェルシアという名前のようです。花言葉は「浮気な人」⁉︎

飾ってみました。
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いただいた時には戸外だったせいか気がつかなかったのですが、自宅に持ち帰ると、驚くほど香りが強い花だとわかりました。どういう香りかというと、まるでジャスミンの香りそのもの。
それもそのはず、この花は別名「匂蕃茉莉(ニオイバンマツリ)」と呼ばれています。
そう、ジャスミンは別名「茉莉花」ですよね。

あまりにも香りがいいので、トイレにも生けました。
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ただ、香りは同じでも植物学的にはジャスミンの仲間ではなく、しかも毒があるとか……。
気をつけましょう。

〈なんとなく作家風〉の男性さん、本当にありがとうございました。

人が花をつなぐ。

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写真・文/川原田朝雄