【若手俳優トップランナー】菅田将暉さんの感じる「愛」って?
若手俳優のトップランナーとして走り続ける、菅田将暉さん。中島みゆきさんの名曲から着想を得た映画『糸』に主演、「めぐり逢い」をテーマにした愛の物語に挑みます。ご自身の考える愛について語っていただきました。
〝愛〟と聞いて何を連想しますか?
『L O V E 』っていうタイトルのアルバムを出しているんですが、その時に愛について考えてみました。恋人に対してだけじゃなく、いろんな愛がありますよね。家族愛やペット愛、自己愛もあるし、物への執着に近いような愛もありますし……。
で、いま僕が愛について連想するとなると……「ごはん」かな(笑)。やっぱり美味いものが食いたい!(笑) 『糸』のロケで行った北海道には美味いものがいっぱいあって、たまらなかったんですよね。ラーメン屋にも海鮮丼があって、東京だったら「そんなの美味いわけがない!」って思うんですが、北海道だと本当に美味いんでビビりました。美味いもんって元気出ますよね。
〝愛 〟の物語で心に残っているものは?
パッと思いついたのは、舞台でも演じた『ロミオとジュリエット』かな。究極の愛の物語って言われるけど、ロミオを演じてみるとそんな厳かで壮大なものじゃなくて、本人たちはただただ一緒にいたいっていうだけで――。でもそれが愛の真理だなって思いました。客観的に見ると、「死んでまで一緒にいたいっていうのが〝愛〟」なんだろうけど、本人たちにしてみれば本当は死にたくなかったと思うし(苦笑)。『糸』の影響かもしれないけど、愛を大それたもののように描いていない物語が好きかな。
最近〝愛〟を感じたのはどんな時?
いま山田洋次監督の『キネマの神様』を撮っているんですが、山田さんの映画愛たるや。普通の現場とは進み方がまるで違って、「夕食は家で食べましょう」っていう文化なんです。1日に撮るのは台本の1~3ページ分くらいで、ひとつひとつの仕草や言い方、表情に対して今までにないくらい意見を出してくれる。最近は(指示を)言われることが減ってきていて、それも寂しいんですよ。ある時、山田監督が一度O Kを出したシーンをリテイクしたい、家に帰って考えたら悲しみが足りないと思ったと言われて。リテイクすることになり、まだカメラも回ってないのに監督の演出のままに僕も泣きながら演技して――。デビューした頃を思い出して、めちゃめちゃ愛を感じました。映画愛があるからこそ監督の熱量にスタッフも動くし、僕らも気持ちよくできる。彼は文化遺産です。
菅田さんが 愛してやまないものとは?
リーバイス5 1 7。
ちょいフレアなシルエットが大好きで。去年から、めちゃめちゃ集めてます。ブラックデニムだけでもウエストとレングス違いで集めたり、少しの色の違いや素材違い、加工の違いで揃えたり。こうなるとビョウキですよね(苦笑)。また僕が517を好きだと知ると、スタイリストさんが「こんなのもあるよ」って持ってきてくれるんですよね~(笑)
映画『糸』&菅田将暉さんについて
ガウン¥ 74,000(ビューティフルピープル/ビューティフルピープル青山店)シャツ¥33,000(ウェルダー)パンツ¥ 19,000(J . S ホームステッド/ジャーナルスタンダード表参道)スニーカー¥ 18,000(リーボック/リーボックアディダスお客様窓口)ソックス¥2,700(アトリエベトン/STUDIOFABWORK)
映画『糸』
中島みゆきの名曲『糸』の映画化。平成元年に生まれた漣(菅田将暉)と葵(小松菜奈)。それぞれの人生を歩んできた二人が、奇跡の糸を手繰り寄せながら平成の終わりに再会を果たす。「めぐり逢い」をテーマに、男女の人生を平成という時代の変遷とともに描く愛の物語。
他の出演/榮倉奈々、斎藤工ほか。監督/瀬々敬久
●近日公開
©2020映画「糸」製作委員会
Masaki Suda
’93年2月21日生まれ大阪府出身血液型A型●’09年『仮面ライダーW』でデビュー。以降、映画、ドラマ、舞台に多数出演。’17年、映画『あゝ荒野』で第41回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞ほか、数多くの映画賞を受賞。最近の主な出演作は映画『銀魂』シリーズ、『火花』『アルキメデスの大戦』、ドラマ『dele』『3年A組-今から皆さんは、人質です』、舞台『カリギュラ』など。歌手としても活動し、2作のアルバムをリリース。映画『キネマの神様』『花束みたいな恋をした』が公開待機中。
撮影/樽木優美子(TRON management) ヘアメーク/AZUMA(M-rep by MOND artist) スタイリング/二宮ちえ 取材·文/駿河良美 撮影協力/BACKGROUNDS FACTORY、AWABEES