女医直伝! きれいでいるための理想的な食事バランスを指南
「ジムに行っての筋トレをやめる」「サラダチキンはやめる」など、生活のなかでさまざまな美容法を加えていくよりも、やめることに着目した書籍『やめる美容』。
著者である医師の友利 新(ともり あらた)先生は「『やめる』美容をするためには、知識が必要」と話します。「同じ生活習慣でも『なぜ、これは美容に効くのか』『なぜ、これはダメなのか』と判断基準を持っているだけで、美容にとって正しい選択を取ることができる」というわけです。
そこで今回は、『やめる美容』のなかから“正しい食”の知識をご紹介。理想的な食事バランスを知れば、確実にきれいに近づけます︎
きれいでいるための食事バランス
ちまたには食と美容に関する情報があふれています。よいと聞くとついつい同じものばかり食べてしまいがちですが、それでは栄養過多や栄養不足を起こしてしまうことも。美しく健康でいるためには“バランス”がカギなのです。
肉、魚、主食……etc. 理想の食べ方は?
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まずは普段の生活でよく口にする食べ物や栄養素の、理想の食べ方をご紹介。食生活は、一気にではなく少しずつでも見直すことが大切です︎
タンパク質は食べ方の黄金比をおさえる
肉や魚といったタンパク質は、私たちの体に必要不可欠な栄養素。もちろん、「食べすぎ」でも「食べなさすぎ」でもNGで、何よりもバランスよく摂取していくことが大切です。健康で、きれいでいるために目安にしていただきたいタンパク質の黄金比があります。
それがこちら。
大豆:魚介類:肉類=2:3:2
1週間(7日間)をとおして、このバランスを意識するのがベストです。
肉の内訳の目安は、鶏肉が半分、豚肉や牛肉などの赤身肉がもう半分です。動物性の油を摂りすぎてしまうと動脈硬化のもととなるため、食べすぎには注意が必要。
魚介類の種類はDHAやEPAを含む青魚がいいでしょう。栄養の観点を抜きにしても、青魚は低カロリーで高タンパクな食材なので食べておいて間違いないと思います。
大豆に関しては、納豆や味噌汁など大豆製品を工夫して食卓へ取り入れましょう。もし、大豆を食べるのはあまり気が進まないようでしたら、魚4:肉3の割合でも大丈夫です。
週3回以上、お肉を食べるのはやめる
とにかく肉は、メインとなる食事で週3回以上食べないことを意識してください。黄金比のうち、大豆や魚の比率が増えるのは問題ありませんが、お肉の量だけは増やさないように! そして週3回は魚中心の食事を。また、卵も大切なタンパク質です。大豆を卵にしてもいいですよ。
主食は朝昼晩にこだわらなくていい
必ずしも3食ご飯を食べる必要はないと思っています。育ち盛りのお子さんがいらっしゃる場合は別ですが、年をとり、だんだん代謝が落ちてくる状況ならば、糖質は無理に摂らなくてもOK。どちらかというと、お肉や魚からタンパク質をしっかり摂るほうを優先させてください。
ビタミンやミネラル、食物繊維も忘れずに
ビタミンやミネラル、食物繊維は、野菜やフルーツから積極的に摂りましょう。食物繊維の量は減らさないように特に気をつけましょう。
体を維持していくためのタンパク質。そして、体を潤し、調整するビタミンやミネラル、腸内環境を整えるための食物繊維――理想の食事はこれらをバランスよく摂取していくことから始まります。
今、自分が食べるべきお肉の選び方
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週に2回の摂取がベストのお肉。お肉のなかにも種類はいろいろあって、選び方にもポイントがあるんです。
美肌重視なら赤身肉をチョイス
どのお肉を摂るのがいいのかーーこれについては美容において何を優先すべきかで変わってきます。
肌の美しさを優先するのなら、牛や豚の赤身肉がベスト。鉄分という視点でみると、特に牛の赤身肉がいちばん。鉄分には肌の血流をよくする働きがあります。
ダイエット中なら鶏肉・ラムを
ダイエットでしたら、ヘルシーな鶏肉を選択肢に入れましょう。ただし、鶏肉はヘルシーな分、栄養素が少ないのが難点、ということも覚えておいてください。
また、鶏肉には必須脂肪酸のオメガ6が多く含まれています。オメガ6はじつは身の回りにたくさんあふれている油。普通の食生活で意図せずついつい摂りすぎてしまいがちなものでもあるため、摂取量には注意が必要です。鶏肉はほどほどの摂取がちょうどいいのです。
ラム肉には、脂肪を燃焼させるという嬉しい効果があります。鉄分も多く含まれているため、ダイエットをしている人向きのお肉といえますね。
加工肉には注意!
気をつけなければいけないのはソーセージ、ベーコン、ハムなどの加工肉。これらは塩分や添加物も多く、肉にはカウントしないほうが無難です。
肉より魚を食べる比率を増やしたほうがいい理由
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肉にも十分、美容や健康によい効果があることがわかりましたが、肉より魚を食べる比率を増やすことを推奨する友利先生。いったい、なぜなのでしょう? 魚がもたらす女子に嬉しい効果をお伝えします︎
魚の油は美肌によい成分がたっぷり!
なぜ、魚を食べる比率を増やしたほうがいいのか? それは、魚には私たちの体に必要な油が多く含まれているからです。
代表的なものは、必須脂肪酸であるオメガ3系DHA・EPAですね。これらは、肌の水分量をアップさせる効果があり、肌の乾燥予防にはもってこい。特にDHAは細胞をつくり、細胞膜をやわらかく保つうえ、肌の油分を正常に分泌してくれます。また、DHA・EPAには抗炎症作用もあるため、肌に紫外線があたった際の炎症を抑える効果も。
サーモンは紫外線が気になる人におすすめ
みなさんにも馴染み深いサーモンについても触れておきましょう。サーモンにはアスタキサンチンという成分が含まれています。アスタキサンチンには強い抗酸化作用があり、肌の炎症を抑える効果が。スポーツなどをして紫外線によくあたるという方は、積極的に摂るべき食材だといえます。
揚げるのはもったいない? 魚の調理法のコツ
サバやアジ、イワシやカツオなど青魚のほうがDHA・EPAは豊富に含まれています。もちろん白身魚にも含まれているので、青魚が苦手な方は白身魚など別の魚を食べておくとよいでしょう。
大事なのは、飽きずに食べること。ただし、調理法での注意点がひとつ。「生・焼く・煮る・揚げる」の四択が主ですが、揚げるとオメガ3が変質してしまうことは頭に入れておいてください。オメガ3は、美容はもちろん体や脳にもよいとされていますので、揚げものにして摂れなくなってしまうのはもったいない。できれば生で食べたり焼き魚にしたりして栄養をくまなく摂取したいところです。
正しい知識を身につけて、やめる美容できれいになろう︎
『やめる美容』より、きれいでいるための理想的な食事バランスをピックアップしました。書籍では、これ以外にも食や美容の正しい知識が学べるほか、やめるべき習慣を20項目紹介。「肌トラブルに合わせた化粧品はやめる」「ランニングはやめる」など、気になる話題が盛りだくさんです!
やめる美容 著者・友利 新 定価(本体1,300円+税)/光文社
友利 新……医師(内科・皮膚科)。 沖縄県宮古島市出身。 東京女子医科大学卒業。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。 現在、都内のクリニックに勤務する傍ら医師という立場から、美容と健康を医療として追求し、美しく生きるための啓蒙活動を雑誌・TV などで幅広く展開。書籍の執筆や講演会なども多数行っている。 2004年第36回準ミス日本。 2016年第9回ベストマザー賞【経済部門】受賞。 子育て応援・ママ応援大使。3児の母。
Instagram @aratatomori
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ブログ 友利新のビューティー診察室
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