「踝」=かかと? よく使うのに…漢字になると読めない漢字4選
私たちは、普段の生活の中で、無意識のうちにたくさんの言葉を使っています。とはいえ、そうした言葉を漢字で書いたり、読んだりする機会はなかなかありませんよね。そこで今回は、私たちに身近なはずなのに、“漢字になると読めない漢字”をピックアップしてご紹介します。ぜひ、腕だめしとしてチャレンジしてみてくださいね。
1.「踝」
「足」に果実の「果」と書いて「踝」。足に関する漢字であることは間違いなさそうです。
「踝」とは、「足首の左右に骨が出っ張っている部分」を意味する漢字。この説明だけでも、何となくピンと来た人がいるのではないでしょうか? 足に関する言葉を、色々と思い浮かべてみてくださいね。
よく「踵(かかと)」と間違えられることが多いですが、正しい読み方は……
「くるぶし」です。
ちなみに、「踝」を使った漢字には「踝跣(かせん/素足のこと)」「内踝(ないか/内くるぶし)」などがあります。
2.「躮」
「躮」という漢字を、普段からよく目にする人は、あまりいないかもしれません。「躮」には「自分の息子」という意味があります。
この「自分の息子」を意味する言葉にはほかの漢字があるため、「躮」と表記されることはあまり多くありません。いわゆる難読漢字のため、正しく読めれば、それだけで知的な印象を与えられそうですね。
そんな「躮」の正しい読み方は……
「せがれ」です。
「せがれ」は、漢字表記だと「倅」と書かれることがほとんどでしょう。「躮」は、「子供は自分の分身」という意味をずばり表現した造字(つくりじ)なのです。
3.「噦」
「『噦』という漢字自体、初めて見た」という人も、きっと少なくないことでしょう。「噦」とは「横隔膜(おうかくまく)」が痙攣して出る音のことを言います。
こう聞くと、何だか難しそうに感じるかもしれませんが、実際はごく身近な生理現象。きっとあなたも、一度は「噦」をしたことがあるでしょう。
そんな「噦」の正しい読み方は……
「しゃっくり」です。
一文字で「しゃっくり」と読むなんて、なかなか想像がつかなかいですよね。ちなみに「吃逆」と書いても「しゃっくり」と読みますよ。
4.「噯気」
つい「あいけ」などと読んでしまいがちな「噯気」。“口へんに愛”とは、これまた珍しい漢字ですよね。
「噯気」は「あることを隠して、そのそぶりさえも見せない」ことを意味する言葉で、よく「噯気にも出さない」といったように用いられています。また、それとは別に「げっぷ」という意味もありますよ。
そんな「噯気」の正しい読み方は……
「おくび」です。
ちなみに「げっぷ」と同じ意味で、「噯気」を「あいき」と読むこともあります。この読み方も覚えておくと役に立つでしょう。
“漢字になると読めない漢字”、あなたはいくつ正しく読めたでしょうか? 普段からよく見聞きしていたとしても、漢字になると別の言葉に見えてしまうのですから、不思議ですよね。もし今回、初めて知ったという漢字があれば、ぜひこの機会に正しい読み方を覚えておくと良いでしょう。
参考文献
現代言語セミナー〔編〕『つい他人に試しくなるもっと読めそうで読めない漢字』角川ソフィア文庫
文/大内千明 画像/Shutterstock(Olena Yakobchuk、Monkey Business Images、Nicoleta Ionescu、stockfour)