ブランディングディレクター福田春美さん、心落ち着く時間に必要なもの
お湯を沸かし、茶葉を選び、お茶を淹れる。その一連の動作が、心を静かに落ち着けてくれる。
美味しいお茶を淹れたら、どんなお菓子と一緒に飲もう?一転、その時間は心が弾む。日々の暮らしを底上げしてくれる、お茶の時間。
今回はブランディングディレクター・福田春美さんのお茶時間を、5月号本誌より一部抜粋してご紹介します。
■福田春美さん
~忙しない私の頭をゆるめてくれるお茶時間~
部屋の棚には茶器が並び、その中からいくつかの組み合わせを楽しそうに選び、お茶を淹れる福田春美さん。その姿はとても幸せそうで、自然と笑みがこぼれている。
「お茶に夢中になりだして2年くらいですが、心が落ち着くので朝起きたらまずお茶の時間。お湯を沸かし、一連の動作に集中していると同時に、心身ともに目が覚めていくことを感じます。
余計な雑念は必要ないので、お茶の時間では音楽などはかけずに無音。
お茶にはまったキッカケは、『頭が常に動いているし、気持ちを腑に落とすように意識したほうがいい』という整体の先生のアドバイスから。
瞑想など色々試していた時、安藤雅信さんにお茶を淹れていただく機会があり、その時間で心がすとんと落ちたと感じたんです!あ!これだ!と。その日から毎日お茶の時間は欠かしていません」
もともと道具好きな福田さん。お茶に夢中になるとともに、茶道具にもどんどん夢中に。
「中国茶はとても自由。形が気に入って拾った樹を茶杓として使ったり、お土産に頂いたアンモナイトを茶杓置きにしたり、決まりがなく楽しめるというところが最大の魅力です。
色々な組み合わせを試してみたり、新しい茶葉を出してみたり、一人でお茶を飲む時間は、自分なりの楽しみ方を試してみる時間に。茶杯も3つくらいは出して、口当たりを試してみたりしています。
その自由な世界観の中で自分らしいお茶の時間を常に模索していることが、またとても楽しいんです。
鳳凰単欉茶が好きで、よく茶葉を買いに行くのは『LEAFMANIA』。友人が遊びに来てくれた時は、食後にゆっくりと話しながらお茶の時間に」
今日の茶菓子は愛玉子。愛玉子の種を専用の袋に入れて、水の中でひたすら20分ほどもみ続けるだけ。夏はスイカを使ったり、季節のフルーツでシロップを作ります。とても簡単なので、友人が来てからさっと作ることができるんです。ヴィーガンの友人にも喜んでもらえるデザート。
拾った樹や流木、お土産にいただいたアンモナイト、石、これらが全て茶杓や茶杓置きとして活躍する。この風景が、中国茶の自由さを表している。
棚には少しずつ集めた大切な茶器が並び、様々な組み合わせを試してみるのが楽しみのひとつ。
福田春美さん
ファッションディレクターとして活躍後、渡仏。帰国後、ライフスタイル全般をブランディングするブランディングディレクターの活動を始める。『ずぼらとこまめ』(主婦と生活社)
撮影/馬場わかな 取材・文/柿本真希 構成/松本朋子