この春、履きたい!大草直子さんはじめ素敵な女性たちが選ぶ「春の3足」
「この3足」がいまの私
たくさん靴は持っていても、ワードローブのレギュラーになれる靴はせいぜい3足。
そんな実感を基に、いつも素敵な皆さんに「この春の3足」を教えてもらいました。
今回は中山まりこさん、佐々木貞江さん、大草直子さんの「この3足」を、4月号本誌より一部抜粋してご紹介します。
■「マディソンブルー」のデザイナー 中山まりこさん
Profile
’80年代からスタイリストとして活動。2014年、49歳でブランドを立ち上げ、おしゃれ感度の高い大人の女性の支持を得ています。
大股で元気に歩くのが似合う女性でありたい。
フラットシューズは昔からよく履いていますが、膝を痛めたこともあり、最近はヒールを履かなくなりました。
靴はオーセンティックなものが好きです。服と合わせてでしゃばらず、引っ込まず、装飾がないものを選びます。
ローファーは若いころニューヨークやパリのマダムが素足に合わせているのを見て、大人になったら真似したいなと思っていました。このエルメスのモカシンが夢を叶えてくれましたね。
ディールのサンダルも大好き。バックストラップってかかとがパカパカしがちですが、これは一切脱げない。どんなに歩いても疲れないから今一番出番が多い靴です。
そしてエルメスのサンダルも大のお気に入り。主張しすぎず、脚がきれいに見えるので、ブランド立ち上げ当初は、ブックの中でモデルさんにも履いてもらってました。
~中略~
靴って足が痛くてはいけないものだと思うんです。でも木型が足に合い、服の世界観とマッチするものにはそうそう出合えない。だから、巡り会えたら大人買いしたくなります。
私は気分を変えたくなると、旅行をするんですが、そこでもよく歩きます。歩きながら、空を見て、木に葉っぱが揺れてるな、なんて感じる。そこからインスパイアされてデザインが生まれてくるんですよね。
<左から>ディオールのJ’ADIORテクニカルファブリックスリンクバック バレリーナシューズ、エルメスのモカシン、エルメスのオラン(すべて私物)
撮影/清水将之 ヘア&メーク/小澤実和 取材・文/秋元恵美 構成/永吉徳子
■メークアップアーティスト 佐々木貞江さん
Profile
女優やタレント、モデルからも指名の絶えない人気のメークアップアーティスト。2月号のメーク特集はHERS世代の心に響き反響あり。現場が和む温かい人柄が魅力。
<左から>ステラマッカートニーのカラフルスニーカー、トッズのローファー、バレンシアガのニュアンスカラーサンダル(すべて私物)
自分を元気にしてくれる靴を選びたい
仕事のときもプライベートも、昔はヒール一辺倒でした。それがいつの間にか、夕方になるとどっと疲れが出るようになって、全てに余裕がなくなるようになって・・・・元気でいたいから、1年程前からヒールを履くのを止めてペタンコ靴にシフト。とても生活が楽になりました。
ローファーは若いころから好きでしたが、そこにスニーカーやサンダルなどが仲間入り。
以前は、合わせる服のことを考えるとあまり冒険できなくて、無難な黒の靴ばかり選んでいました。でも最近は、ビタミンカラーやキレイ色に目を奪われ、そんな色の靴を買うように。
元気で明るいひとと話していると、こちらまでパワーがもらえますよね。年齢を経て、最近そういう人に憧れている自分に気がつきました。そんな気持ちの表れが選ぶ靴の変化になったのかもしれません。
色選びだけでなく、元気になれる靴の選びをこれからも楽しみたいです。
撮影/嶋野旭 取材・文/見学裕己子 構成/永吉徳子
■スタイリスト 大草直子さん
Profile
スタイリスト、ウェブメディア「AMARC」(https://amarclife.com)主宰。著書『大草直子のNew BASIC STYLE』が発売中。
振れ幅のある毎日を、私らしい3足で自由に暮らしたい
靴は、私にとって服や暮らしを左右する重要なパーツです。
私の日常は母親業、取材、夜はレセプションなど、入り乱れたシーンが続きます。それらを一足でカバーするためには、服の雰囲気とはあえて異なる表情を持つ靴を合わせてバランスを取ります。
シンプルな服やマスキュリンな服で、様々なシーンを乗り切ることが多いのですが、そんな時に頼りになるのが「プリティ・バレリーナ」とのコラボで作ったレース生地のバレエシューズ。
このコラボモデルは、360度どこから見ても美しいことを念頭に作り上げました。たとえば後ろにリボンをあしらい、階段を上がっている時にもエレガントに見えるように・・・・とか。また、脚長効果という点ではヒールのある靴よりもフラットシューズは気が乗らないもの。それでもポインテッドトウなら、そんな気後れを解消してくれます。
~中略~
女性らしい服や露出のあるワンピースを、どんなシーンでもバランスよく見せられるのが、「セルジオ ロッシ」のローファーや一年を通して履ける「ヴィンス」のサマーブーツ。
ローファーはかかとが踏めてスリッパとしても履けるタイプ。一足で表情を変えられるので、カジュアルからきちんとした表情やマスキュリンな表情まで幅広く楽しめます。
また、サマーブーツはずっと憧れていたアイテムのひとつ。日本では湿気があるからなかなか流通していないのですが、ハワイのデパートで出合いました。スリップドレスやプリントものなど、夏に着たい露出度の高いワンピースは、サンダルを合わせるだけで決まってしまいますが、あえて足元を重めにしてサマーブーツで合わせるのが、私の理想的なコーディネートです。
一足で服の表情を自在に変えられるものこそ、‶今、履きたい〟靴です。
<上から>ヴィンスのサマーブーツ、セルジオ ロッシのローファー、プリティ・バレリーナのポインテッドレース(すべて私物)
撮影/福本和洋 ヘア&メーク/森ユキオ(ROI) 取材・文/金沢由紀子 構成/小橋健太郎