息子ふたりには、進路が定まってない高校生のうちに1年間留学させたかった

グローバル時代の今、子どもの進路の選択肢に新たに加わった〝留学〟は、親によっては受験以上に未知の世界。

今回は、高校在学中に兄弟ともに留学させたママにお話をうかがいました。

Vol.1 高校1年で1年間留学【Nさんの場合】

長男は中学受験で慶應へ。次男は小学校受験で立教へ。大学受験のない一貫校に進学したこともあり、子どもには高校での留学を希望していた。
【留学した時の学年】
長男/高校1年生3月〜
次男/高校1年生8月〜
【留学した国】
カナダ
【留学した学校】
長男/Chilliwack Secondary School
次男/Sutherland Secondary Schoo
方法 長男/自分で 次男/エージェント経由で
【ステイ先】
ともにホームステイ
【費用】
長男/年間約350万円 次男/年間約400万円

行くまで

我が家の教育プランに留学はデフ ォルトと考えていました。大学と比べて英語力のハードルが低く、目的を具体的に定めずに行ける高校1年 間留学を早めに設定し、子どもが中学生になった頃から「高校生になったらどこに留学したい?」という話をよくしていました。また、留学経 験者の知人や外国人を家に招くなど、息子たちが留学したいと思えるような意識作りに注力。留学先をカナダに決めたのは、英語の発音と治安の面から。長男の時は、カナダ大使館の留学フェアに行って学校を絞り、その後事前に家族で現地の学校を下見に行ってから留学先を決定。長男が通う学校の場合、当時は留学中に単位を取っても留年が決定していたこともあり、特にエージェントを通さず、カナダの学校と直接やりとりをして留学させました。手数料がかからない分、英文でのやりとりをすべて自分でやらなくてはならず、大変でした。

 

一方、次男の時は、現地での単位の取り方次第で学年を落とさず復学できる高校だったので、当時通っていたトフルゼミナールにア レンジを依頼、現地で細やかなサポートをしてもらったこともあり、スムーズに復学できました。ちなみに、兄弟どちらとも学校選びには好きなスポーツ(馬術とスキー)ができるかどうかも重要なポイントでした(笑)。留学で1年間休学することに対しての、日本の学校の対応もさまざま。だからこそ、どのタイミングで留学させるかを決めた後は逆算の考えで。準備は早ければ早いほど、不安もか なり解消された状態で子どもを送り出すことができると思います。

行ってから

我が家の場合は年という期間を設けることで、息子たちに短期集中・有効的に過ごしてもらいたいという狙いもあり、1年留学1択でした。次男は、現地での生活が自分に合っているようなら日本の学校をやめて転校するかもと言って出発しましたが、結果的に1年で日本の学校に復学してよかったと思っています。

また、息子たちが留学したカナダの公立高校は1日4科目授業という日本の高校と比べると緩やかな時間割。今 までより自分の時間を持てるようになったことで、将来についてじっくり考えるきっかけになったようです。特に長男が、帰国後、医学部を目指したいと言い出した時は本当に驚きました!高校1年の頃の成績では、内部進学できる評点にはほど遠かったのですが、一度将来への目標を決めた息子は、ガムシャラに頑張り、医学部の内部推薦を獲得することができました。

 

次男も、英語に関するコミュニケーション能力がつき、自信が持てるようになったことで、留学前より積極性が高まり、能動的な行動をとれるように。「大学でまた留学したい」と言っています。兄弟それぞれに留学させた意義があったと実感しています。親もとから離れて1年生活したことで、息子たちなりにひとまわり強く、大きく成長してくれ たことは、彼らの人生の宝物になったと思います。

 

※取材内容は、留学当時の情報になります。

撮影/草間智博〈TENT〉  取材・文/鍋島まどか デザイン/attik  編集/羽城麻子

VERY NAVY4月号『実例・我が家の留学体験記』から
詳しくは2020年3/6発売VERY NAVY4月号に掲載しています。