「紙縒」=「しさ」?変わった読み方をする漢字4選
小学校や中学校で習うような簡単な漢字でも、他の漢字と組み合わせると、習ったものとは違う読み方をすることも少なくありません。
いつも通り知っている読み方をしたら間違いだった……なんてことも起こり得ます。
この記事では、そんな“変わった読み方をする漢字”をご紹介。ぜひ全問正解を目指してみてください。
1.「流離う」
「海外を長い間流離っていた」など「目的もなく、歩き回ること」を「流離う」と言います。
「流離う」の「流」は「りゅう」とも読みますが、「りゅうりう」などと読んでしまうのは誤りです。「流離う」という言葉の意味からイメージしていくと良いでしょう。
そんな「流離う」の正しい読み方は……
「さすらう」です。
また、「流離う」のほかに「流浪う」という漢字をあてることもあります。「流離う」と「流浪う」、どちらの表記が出てきても読めるようにしておきたいところです。
2.「蔓延る」
「蔓延る」とは「いっぱいに広がること」を意味する言葉ですが、現在では「勢いが強くなり幅を利かせること」という意味でも使われています。
また「蔓延る」は、「悪が蔓延る」「疫病が蔓延る」といったように、悪いニュアンスで使われる言葉です。ニュースや新聞記事などで、この言葉を目にしたことがある人もいるかもしれませんね。
そんな「蔓延る」の正しい読み方は……
「はびこる」です。
「る」の送り仮名がある時は「蔓延る(はびこる)」ですが、送り仮名がない時は「蔓延(まんえん)」と読みます。
3.「強請る」
「強請る」という漢字には複数の読み方があります。
たとえば「ねだる」。「お小遣いを強請る」といったように表記されます。また「強請る」と書いて「たかる」「もがる」などとも読みます。
そして、それ以外にも「おどして金品を出させること」を表す際にも「強請る」という漢字が使われます。「ねだる」でも「たかる」でも、はたまた「もがる」でもないとすれば?
正しくは……
「ゆする」です。同じ表記で、これだけの読み方がある漢字は少し珍しいですね。ちなみに、送り仮名なしで「強請」だけの場合は「ごうせい」と読みます。意味は「ゆする」と同じです。
4.「紙縒」
「細い紙をねじり合わせて、ヒモ状にしたもの」を「紙縒」と言います。
現在では、くしゃみが出ない時などに使われています。その他、結婚祝いなどを入れるのし袋に付いている水引も、元々は和紙を紙縒状にして水のりを引き、乾かして作っていたのだとか。
さらに昔は、書類を縛ったり、髪を結ったりといった用途にも使われていたそうですよ。
そんな「紙縒」の正しい読み方は……
「こより」です。
といっても最初から「こより」と読んだわけではなく、最初は「かみより」だったのが「こうより」になり、最終的に現在の「こより」へと変化したそうです。
慣れ親しんだ読み方とは違う、少し変わった読み方をする漢字。読めたものもあれば、読めそうで読めなかった、あるいはまったく見当がつかなかった……というものもあったのではないでしょうか。
もし今回、読めなかった漢字があれば、ぜひここで正しい読み方を覚えておくと、今後の役に立ちそうです。
参考文献
日本語倶楽部〔編〕『読めたらスゴイ!漢字1000』河出書房新社
文/大内千明 画像/Shutterstock(View Apart、Roman Samborskyi、fizkes、woodpencil)