「象る」=ぞうる?“人間の行動にまつわる”読めない漢字4選
「走る」「泳ぐ」「働く」など物や事だけでなく、人の行動一つ一つにも、それぞれ漢字がありますよね。
今回の記事では、そうした“人間の行動にまつわる漢字”をクイズ形式でご紹介。人間の行動にまつわる漢字の中でも、特に読み間違いの多いものをピックアップしてみました。ぜひチャレンジしてみてくださいね。
1.「晦ます」
「くやみます」? 「まいます」? 見慣れない漢字なので読み方を間違えてしまいがちな「晦ます」。
「晦ます」には「隠す」「どこにいるのか、分からないようにする」といった意味があります。よく「姿を晦ます」といったように使われる言葉です。もうお分かりでしょうか。
「晦ます」の正しい読み方は……
「くらます」です。
「晦ます」の「晦」は「晦日(みそか)」という言葉にも使われているとおり「ひと月の最後の日」という意味がありますが、そのほかに「暗くする」「見えなくする」といった意味もありますよ。
2.「蹲る」
「蹲る」とは「体を丸めてしゃがみこむ」ことを意味する言葉です。
「~る」という言葉の多さから「ふんづける」「またがる」「おこたる」など、読み間違いにもさまざまなパターンがありそうな「蹲る」。
言葉の意味から、ある程度読み方をイメージできるでしょうか。正しい読み方は……
「うずくまる」と読みます。
ちなみに「踞る」と書いても「うずくまる」と読みますよ。
3.「凭れる」
「寄りかかる」、また「食物が消化されず、胃にたまる」ことを「凭れる」と言います。
たとえば「椅子に凭れる」「食べ過ぎて胃が凭れる」といったように用いられる言葉です。きっとあなたも、上記のような言葉を一度は聞いたことがあるはず。
そんな「凭れる」の正しい読み方は……
「もたれる」です。
また、「靠れる」と書いても「もたれる」と読みます。「凭れる」だけでなく、こちらの「靠れる」の漢字まで覚えられたら、かなりすごいかも!?
4.「象る」
「暮らしを象る」「葉っぱを象った模様」などのように「写し取る」や「似せて作る」、「象徴する」ことを「象る」と言います。
ぱっと見た目の印象で、つい「ぞうる」「しょうる」などと読み間違えてしまうことが少なくありません。「象」というと「ぞう」もしくは「しょう」と読む言葉が多いですが、今回はまた別の読み方をします。
そんな「象る」の正しい読み方は……
「かたどる」です。
ちなみに「象る」は、同じ読み方で「模る(かたどる)」と書かれることもあります。
5.「託つ」
一見「たくつ」と読んでしまいがちな「託つ」。「託つ」には「愚痴を言う」「嘆く」、また「口実にする」といった意味があります。
「不遇を託つ」など「託つ」をそのまま用いる場合もありますが、中でも「仕事に託けて(仕事を言い訳にして)」など「託けて」と使うことが多いでしょう。
そんな「託つ」の正しい読み方は……
「かこつ」です。ちなみに「託けて」は「かこつけて」と読みますよ。
人間の行動にまつわる漢字、いくつ正しく読めたでしょうか? 「正解を見て、言葉自体は知っていたけれど、漢字表記は初めて知った」というものもあったのではないでしょうか。
今回ご紹介した漢字は、普段はひらがなで表記されていることが多いでしょう。ただ、いざという時に上記のような漢字をさらりと読めたら、きっと知的な印象を持たれるはず。読めなかった漢字については、ぜひここで覚えておきましょうね。
参考文献
一校舎漢字研究会〔編〕『きっと誰かに教えたくなる読めるようで読めない漢字2500』永岡書店
文/大内千明 画像/Shutterstock(Africa Studio、igorstevanovic、Roman Samborskyi、Gorodenkoff、fizkes)