冬だからこそ楽しめる! 金沢グルメが堪能できる人気店
■金沢には、冬の醍醐味が詰まってる
蟹を筆頭に寒ブリ、ノドグロ、源助大根や加賀れんこん……、北陸の美味しい食材が出回る冬こそ金沢の旅のベストシーズン。
食の楽しみは、高級寿司や華やかな会席料理だけではありません。近年行列ができるほど大人気の金沢おでんや、ひと手間かけた創作和食を楽しめる大人の居酒屋で、旬の地物をあれこれ食すのも楽しいひととき。冷えた体に染み入るご馳走の数々が、身も心も温めてくれます。
今回は冬の金沢の魅力を、2月号本誌より一部抜粋してご紹介します。
蟹はもちろん……〝金沢おでん〟で温まる
「金沢おでん」とは?
古くから居酒屋がおでんを提供していたことに始まり、北陸新幹線の開通とともに注目度が高まったことから2018年に「金沢おでん老舗50年会」を立ち上げ、「車麩、赤巻、ふかし、バイ貝、カニ面、金沢銀杏を使ったひろず、加賀野菜といった金沢独特の具と、各店が大切にする出汁を用いたもの」を金沢おでんとする定義が定められた。醤油の産地大野のほんのり甘口の醤油を使った上品な京風出汁も特徴のひとつ。
■自家製&創作おでんや一品も充実!バル感覚で楽しめる進化系おでん
「ちくわ」
自家製&創作おでん種と定番おでんをバランスよく盛り合わせてもらうことも。名物の「ちくわ」のちくわは、山椒や加賀野菜など、その時々の旬素材を練り込んだ自家製。写真は柚子入り。¥280、金沢おでんの定番・車麩¥180、ばい貝¥500、大根¥250など。冬限定の源助大根もおすすめ。
シメの人気メニュー「おでんラーメン」は、おでん出汁スープの和風ラーメン。ツルっとのどごしのよい麺に大根、牛すじをトッピング。¥680
シメのメニューは、ほかに、おでん出汁で炊いた「茶飯」¥180、「梅干しとあおさの出汁茶漬け」¥480なども。
能登の伝統的な魚醤「いしる」を使った本日のアヒージョから「ばい貝と長芋のいしるアヒージョ」¥880。内容はそのつど替わる。県内外の希少銘柄を揃えた日本酒は、ワイングラスで3分の1合(¥300~)から楽しめる。
SHOP DATA
ちくわ
金沢市片町2-10-42 RENNビル1F
☎076-255-0303
営業時間/17:30~24:00
定休日/日曜
■冬限定の名物「カニ面」をはじめ、新鮮な地の物が手軽に味わえる
「おでん よし坊」
甲羅の中にぎっしり身と味噌、卵が詰まった「カニ面」は、見た目も華やかなおでんの王様。こちらではメスの香箱ガニとオスの加能ガニの2種類の「カニ面」を用意している。小ぶりだけどコクのある内子と、プチプチした外子の食感が楽しめる香箱とくに人気。メスは漁期が短いため通常は11月上旬から12月下旬までしか味わえないが、1月いっぱいぐらいまで冷凍した分や県外で獲れたメスを使用して提供予定。「カニ面」は注文が入ってからおでん鍋を温めるため、じんわり出汁が染み渡り、カニの持ち味をそのまま楽しめる。香箱カニ面¥1,600~。
石川県が全国一の漁獲量を誇るメギスを使用した魚の形がかわいいさつまあげ。甘エビなども入っている。
おでん以外にも、金沢港で水揚げされた新鮮な魚介や一品料理も豊富で、地酒とともに北陸の美味を堪能できる。刺身盛り合わせ¥1,800
SHOP DATA
おでん よし坊
金沢市香林坊2-4-21
☎076-221-8048
営業時間/17:30~22:00
定休日/日曜、祝日
鍋・汁・釜ご飯……冬の旬素材で温まる
■地元の魅力的な素材の持ち味を引き立てる料理と美酒に舌鼓
「酒屋 彌三郎」
「香箱ガニと金沢セリの土鍋ご飯」¥3,200(要予約)。香箱ガニは12月いっぱいまで。1月以降は県外のズワイガニのメスをを使用。カニの殻でとった出汁で炊いたごはんが香ばしく、内子と外子の食感が絶妙。
昆布出汁で食す「のどぐろのしゃぶしゃぶ」は2人前¥4,500(要予約)。
のどぐろとともに、たっぷり添えられた地野菜の美味しさも格別。地元の農家から仕入れる力強く滋味豊かな蕪や椎茸、リアスカラシ菜、ワサビ菜、金沢春菊、アイスプラント、能登むすめ(大根)など種類はその時々で替わる。
SHOP DATE
酒屋 彌三郎
金沢市本多町3-10-27
☎076-282-9116
営業時間/17:30~24:00(23:00L.O.)
定休日/日曜
撮影/内藤貞保 取材・文/秋山美英 取材協力/岩本歩弓 構成/川原田朝雄