その悩み大丈夫?「目の老化」を防ぐエイジングケア【前半】
肌だけでなく、加齢によって目も潤い不足に。40代は老眼やドライアイなど、目にもエイジングの兆候が出始める時期。対処法を知ってしっかりエイジングケアを!
●今回教えてくれたのは……<アイリス眼科>地場 奈実 院長
<見えづらい>目の調節力の低下で起こる“老眼”には、早めの対処を
①目を細めて見たり矯正せずに無理していると頭痛など体の不調に繫がります
スマホの小さい字が読めない、ピントがぼやける、夕方になると目がかすむ……それはずばり「老眼」の始まり。老眼は加齢によって目の調整力が衰える自然の摂理。矯正するしかありません。まだ早い、と我慢していると眼精疲労が重なって 頭痛や肩こりに悩むことも。遠近両用レンズは40歳前後の老眼初期から使用すると適応しやすいとされているので早めに眼科に相談を。
②遠近両用メガネは“しっかりと眼科で検査”をしたうえで度数を決めるのが肝心です
遠近両用のメガネやコンタクトは度数の設定が複雑です。ひどい眼精疲労で吐き気などを訴える患者さんの多くが、度数が合わない矯正が原因。眼科で視力を正確に測り、近くを見る時間の長さなどライフスタイルまで含めてカウンセリングを受け、近くを見るときだけ老眼鏡を掛けるのか、コンタクトレンズと老眼鏡を併用するのかなど、細かいところまで相談して処方を受けてください。
<遠近両用に向いているメガネフレームは?>
縦幅は30mm以上と広く、横幅は少し狭めのもの。スクエア型やハーフリム、今トレンドのウェリントン型、ボストン型などが 遠近両用メガネ向きです。
③遠近両用コンタクトとの併用もおすすめ。 ただし長時間の使用は控えて
コンタクトに慣れている人には遠近両用タイプのレンズもあります。ただ、コンタクトレンズはドライアイになりやすく、結膜の炎症や角膜の傷を引き起こすこともあるのが難点。できれば乾きにくいハードレンズがおすすめですが、ソフトレンズでも最近は酸素透過率が高く、乾きにくい製品が出ています。いずれにしても長時間の使用は控え、家ではメガネに替えるなど工夫を。
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<充血・疲れやすい・ゴロゴロ・目のかすみ>原因は“ドライアイ”かも
①目の濁り、目のかすみ、老化のような現象も“ドライアイ”が原因の可能性も
夕方になると目がかすむのは、老眼だけでなくドライアイが原因のことも。本来涙液が目の表面を均一に覆って守り、酸素と栄養を供給していますが、これがさまざまな要因により減少してしまうのです。10秒以上目を開けっぱなしにできなかったらドライアイの疑いあり。十分な涙の量と、涙液の層が保たれないと表面に傷ができて充血したり、視力低下を招きます。原因を見つけ、適切に対処することが重要です。
<ドライアイの原因は?>
【原因1】涙の量の異常
空気の乾燥やスマホを見続けてまばたきが減るとドライアイに。涙の量を増やすには、涙が排出される涙点にプラグを装着し、涙を目の表面に留まらせる治療があります。
【原因2】涙の質の異常
涙の質の改善には専用の点眼薬の処方が有効です。ムコスタ点眼薬 UD2%は、涙を目の表面に均等に定着させるムチンを増やし、 弱った粘膜を治療。ドライアイによる不快感や目のかすみなどを改善します。
③マイボーム腺の詰まりは“日々のケア”でも改善できます
マイボーム腺機能不全は加齢や動物性油脂の過剰摂取なども原因ですが、女性に多いのがアイメークの詰まり。上下のまぶたの内側にあるマイボーム腺に汚れが詰まって油分の分泌を妨げているのです。アイメークは目にやさしい専用リムーバーで目のキワまでしっかり落とすことを習慣にしてください。またホットタオルで目を温めて、詰まった汚れを溶かし出すのも効果があります。
<アイメークはしっかりと落とす>
<ホットタオルで温める>
朝晩2回、レンジでチンしたホットタオルで目を温めることでマイボーム腺に詰まった汚れを溶かし出し、血流を促します。Tシャツ¥14,000(ソーノ/ミラク)
撮影/当瀬真衣(TRIVAL)〈人物〉、新井修一〈静物〉 モデル/芳川あずさ ヘア・メーク/SATOM(I cheka.) スタイリスト/福田美和