【ニット専門家が教える「毛玉対策」】毛玉にならない着こなし&毛玉をキレイに取る方法
お気に入りのニットはずっとキレイに着たいけど、着れば着るほど毛玉や汚れが気になるもの…。お手入れに関する疑問や悩みに、ニットの専門家に答えていただきました。実はどんなニットも基本は水洗いOKだったり、 お手入れもシンプルisベスト、が正解のようです。
【悩み】ニットの毛玉をなんとかしたい!
基本的にはカシミヤを含む通常のウール素材には、 高級品でも安価なものでも関係なく毛玉ができます。まずは毛玉発生のメカニズムを学び、毛玉のできにくい着方を知りましょう。
【解決法1】毛玉の原因は 摩擦と絡まり 静電気や湿気に要注意!
毛玉ができた状態(ピリング)とは、 糸によりこまれていない毛足の繊維が絡まり、 名前のごとく玉になっている状態です。 絡まりの原因の多くが異物と静電気。 異物といっても目に見えるようなものだけでなく、 上着などほかの繊維の切れたものや、空気中に浮遊している埃のような細かいものも原因に。 また、冬場に多い静電気が繊維どうしをくっつけて絡まり始める場合もあります。 常温の場合は摩擦によって毛玉のもと(ピル核)が成長し、 そこに湿気や熱(特に体温以上の高さ)が加わるとさらにピル核が毛玉化(ピリング)する速度が速まってしまいます。 車のシートベルトが当たる部分やバッグがこすれる部分、汗をかきやすい脇などに毛玉ができやすいのはこのためです。
【解決法2】出来てしまった 毛玉を取るのは市販のツールで問題なし
毛玉の原因を解消するために、 着用したらしまう前に軽くブラッシングしましょう。 一度着たら空気にさらして2日くらい休ませることも大切です。 それでも毛玉ができてしまったら、 気づいたときにすぐに取り除いて。 使うものは、 一般的な毛玉取りブラシや毛玉取り機でOK。 ほかには、 食器洗い用スポンジのザラザラした面や、 紙やすりで撫でるという方法もあります。 絡まった毛糸をほぐすには歯ブラシを使うのも効果的です。 毛玉を取ったらセーターが薄くなると心配される方もいらっしゃいますが、 表面の毛玉を取る程度では問題ありません。 また、 毛玉取りにハサミを使うと失敗して穴が開いてしまう場合もあるので要注意。 髭剃りを使う方もいますが初心者は避けて。
今回お話を伺った、カシミヤの専門家は…
UTO代表取締役 宇土寿和さん
最高級のカシミヤ専門ブランド「 UTO」 は自社で一貫して企画・製造・販売をするニットメーカー。〝ブランドの本質はもの作り〟という考えのもと、岩手県の直営工場で熟練した職人達が生産を行っている。
イラスト/酒井真織 撮影/清藤直樹 取材/川西麻依子