今、旅行通がハマる〝北海道を体感させてくれる〟新しい宿2選

最近、北海道に移り住む料理人、生産者が多いような印象を受ける。また、旅のスペシャリストたちの注目度も高い。

でも全体として浮かれた観光地になっている様子はなく、むしろ各地でどっしりとその地に根を下ろし、その土地の風土を生かし食材を生かし、楽しみながら、それらを訪れる人たちに提供してくれる、「意思のある宿」が増えている。北海道にしかない最高の生産環境を「宿」が主体となり、思い思いの表現の仕方で体感させてくれ、寛がせてくれる。

今までとは価値観の違う「ラグジュアリー」を求めるなら、北海道が今、おもしろい。

今回は〝北海道を体感させてくれる〟、そんな宿を12月号本誌より一部抜粋してご紹介します。

 

〝幻の湯〟を目指す旅

■豊富町「川島旅館」
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日本の温泉地の最北限、幻の湯と温かいもてなしの宿

大正末期、石油の試掘を行った際に噴出して開湯した豊富温泉。
油の浮いた泉質は世界でも珍しく、高い保湿力と油分が蒸発を防ぐラップ効果となるのが特徴で、旅好き、温泉好きに加え、乾燥肌や冷え性に悩む人々も多く訪れます。

この地で昭和2(1927)年から続く『川島旅館』が、開湯90周年の2016年にリニューアル。現在、三代目の松本康宏さんと女将の美穂さんが宿を切り盛りしています。
温泉旅館には珍しいシングルルームを用意し、ロビーやライブラリスペースでゲスト同士が交流を持つこともできる造りに。

札幌の料亭で修業をした康宏さん自らが腕を振るう料理も、旅館会席の型にとらわれず和洋折衷で。
「ただし食材は、近隣の産地から取り寄せる安心、安全なものを。家族の健康を思いつくる料理と同じです」

幻の湯といわれる名湯と、アットホームなおもてなしと。町で一番古くて新しい宿が、日本最北の温泉地に新旧の旅人を呼び続けています。

 

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4名まで利用できるデラックスルーム。客室から直接、貸し切り露天風呂にアクセスできる。

 

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ディナーの献立より、贅沢な豊富バターのアヒージョ。

 

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川島旅館
北海道天塩郡豊富町字温泉
☎0162-82-1248
客室/全16室
料金/1泊2食付き1人¥15,200~(季節により異なる)、日帰り温泉は大人1人¥728(10:30~22:00)
HP/http://kawashimaryokan.co.jp
アクセス/稚内空港から車で約40分、JR豊富駅より送迎あり(要予約)

 

 

 

〝何もしない〟を楽しむ旅

■洞爺湖町「WE Hotel Toya」
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洞爺湖の景色を心ゆくまで。自分を甘やかすスローステイ

国際的なリゾート地として注目を集める洞爺湖エリアに2018年11月、新しいランドマークとなるホテルが誕生しました。デザインを手掛けたのは世界的建築家の隈 研吾氏。隣接する森や湖から着想を得た意匠は、窓の外に連なる景色と一体となり、その美しさを際立たせてくれます。

総支配人のロジャー・老年バーグさんに滞在の楽しみ方を尋ねると「ゆっくり流れる時間を楽しむこと」という答えが。「朝日を映す洞爺湖、晴れた日の星空などは息をのむほどの美しさ。大浴場は、目の前に広がる湖に浸かっているかのような解放感です」

一日、一刻として同じことがない景色と良質なお湯を堪能し尽くしたら、レストランへ。
地産の力強い食材を多用したモダンな会席が、今度は豊かな自然を舌で楽しませてくれます。

とことん自分を甘やかすスローステイ。あらゆる旅を経験した大人の女性にこそ響くひとときです。

 

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レストラン『EZO CUISINE』の前菜の一例、蒸し野菜。ごまだれと自家製味噌だれでいただく。野菜は道産の旬のものを使用。

 

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レイクビューキングルーム。洗面台はダブルシンクと、デザインだけでなく機能面も充実。室内シャワールームのほか、バルコニーには専用の露天風呂も。

 

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WE Hotel Toya[ウィーホテルトウヤ]
北海道虻田郡洞爺湖町洞爺町293-1
☎0142-89-3333
客室/全55室
料金/1泊朝食付き1人¥42,000~
レストラン『EZO CUISINE』のディナーコースは¥5,000、¥8,000、¥10,000から選べる。
スパの日帰り入浴は大人1人¥3,000(ワンドリンク付き)
HP/https://wehoteltoya.com
アクセス/JR洞爺駅から車で約25分(無料シャトルバスあり、要予約)

 

 

撮影/長谷川潤 取材・文/佐々木ケイ 協力/北海道観光振興機構 構成/山田麻琴、川原田朝雄