「乃至は」=「のしは」ではない!実は読み間違えやすい漢字6つ
他の人が読めないような難しい漢字が出てきた時。迷いなくスラスラと読めたら「漢字に強い人だな」「博識な人だな」といった印象を与えられることでしょう。
そこで、この記事では初見で正しく読むのが難しい読み間違えやすい漢字をご紹介します。
1.「昵懇」
「親密なさま」や「慣れ親しく付き合うこと」を意味する「昵懇」。よく「昵懇の仲」などと用いられていますが、意外と読み間違いの多い漢字です。
特に間違いやすいのが「昵」の読み方。形が似ている漢字で「泥(どろ)」や「尼(あま)」は見たことがあっても、「昵」はあまり見慣れない漢字かもしれません。
そんな「昵懇」の正しい読み方は……
「じっこん」です。ちなみに「昵懇」の「昵」には「慣れ親しむ」という意味がありますよ。
2.「領袖」
「領袖」とは「トップに立つ人」を表す言葉です。
「袖(そで)」という漢字が使われていることから、洋服に関する漢字だと勘違いしたり、思わず「りょうそで」と読んでしまったりする人もいますが、正しくは……
「りょうしゅう」です。「襟(えり)」も「袖(そで)」も、目立つものであることからきた言葉だとされています。
3.「吝嗇家」
「吝嗇家」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。もしかすると「吝嗇家」という漢字を見ること自体、初めてという人もいるかもしれませんね。
「吝嗇家」には「極度に物惜しみをする人」、「ケチな人」といった意味があります。そんな「吝嗇家」の正しい読み方は…
「りんしょくか」です。ちなみに「吝」は訓読みすると「やぶさか」で、「思いきりが悪い」という意味になります。
4.「瑣末」
「とるに足りない些細なこと」を「瑣末」と言います。この「瑣末」は、よく「顛末」と間違えて「てんまつ」と読んでしまいがちな漢字です。
また、「瑣末」は同じ意味・同じ読み方で「些末」とも書きます。そんな「瑣末」の正しい読み方は……
「さまつ」です。例として「瑣末なことにこだわると、いいことはない」などといったように用いられます。
5.「鯨波の声」
「くじらなみのこえ」、つまり「くじらの声」?などと思わず読んでしまいそうですが……。「鯨波の声」を「くじらなみのこえ」と読むのは誤りです。
「鯨波の声」の意味は「大勢がどっとあげる声のこと」。鯨の声そのもののことではありませんよ。
そんな「鯨波の声」の正しい読み方は……
「ときのこえ」です。ちなみに「鯨波」には、もともと「大きな波」という意味がありますよ。
6.「乃至は」
普段から会話文章などでよく見ることのある「乃至は」。とはいえ普段は平仮名表記されていることが多く、漢字自体はあまり馴染みがないかもしれません。
「乃至は」は「あるいは」と同じ意味で用いられる言葉です。「のしは」ではありませんよ。そんな「乃至は」の正しい読み方は……
「ないしは」です。「乃」という漢字は「の」という読み方が広く知られていますが、「の」以外にも「ない」「だい」といった読み方もあります。ぜひこの機会に覚えておきましょう。
いかがでしたか? なかなか一目見て正しく読むのは難しかったかもしれません。だからこそきちんと読めたら周囲から一目置かれるはず。正しい読み方を覚えておいて、損はありませんよ。
参考文献/日本語倶楽部〔編〕『読めないと恥ずかしい漢字 完全制覇本』河出書房新社
文/大内千明 画像/Shutterstock(、baranq、Sashkin、Africa Studio、Blackroom、Rawpixel.com、Dean Drobot)